スザンヌ・ヴェガ
スザンヌ・ヴェガ Suzanne Vega | |
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ドイツ・ミュンヘン公演 (2014年2月) | |
基本情報 | |
出生名 | Suzanne Nadine Peck |
生誕 |
1959年7月11日(65歳) カリフォルニア州サンタモニカ |
出身地 |
アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク |
ジャンル |
AOR ソフトロック フォークソング インダストリアル |
職業 |
シンガーソングライター 音楽プロデューサー |
担当楽器 | ボーカル, ギター |
活動期間 | 1982年 - 現在 |
レーベル |
A&Mレコード ブルーノート・レコード Amanuensis Productions |
公式サイト | SuzanneVega.com |
スザンヌ・ヴェガ (Suzanne Vega、1959年7月11日 - )は、アメリカ合衆国出身の女性シンガーソングライター。
「ルカ」「トムズ・ダイナー」などの曲で知られる同国を代表するポップシンガーの一人。10代の頃より始めた作詞・文学・演劇を背景に、社会派のアーティストとして非凡な才能を発揮し、数々の賞を獲得している。2008年『グラミー賞』受賞[1]。
概要・略歴
[編集]サンタモニカ生まれで、まもなく母に連れられニューヨークへ移り、多くの社会的問題を抱えた地域で子供時代を送る。本来の姓名はペック(Peck)だったが、母がプエルトリコ系の小説家エドガルド・ヴェガ・ユンケ(Edgardo Vega Yunqué)と再婚したため、以後その姓を名乗るようになる。
9歳の時に詩を書き始め、14歳の時に作詞を始める。その後、ラガーディア高校(Fiorello H. LaGuardia High School of Music & Art and Performing Arts)で、モダンダンスを学び、この時に音楽こそが自分の求めるものだと気づく。1977年に卒業すると、コロンビア大学バーナード・カレッジで英文学を学ぶ傍ら、グリニッジ・ヴィレッジの小さな劇場などに立つ。1984年にレコード会社との契約を結ぶ。
1985年にデビューアルバム『街角の詩』を発表し、その自己内省的かつ社会批判を含んだ曲は、アメリカにおいて好意的な反響を得る。
1987年、2ndアルバム『孤独(ひとり)』を発表。シングルカットした楽曲「ルカ(Luka)」は児童虐待を受ける子供の視点から書かれており、当時のヒットソングとしては、特異な位置を占める。ちなみにこのレコードに含まれる曲「トムズ・ダイナー(Tom’s diner)」は、世界で最初にMP3フォーマットになった曲でもある。このころから彼女のスタイルは、ロックへと近づくことになる。
1990年、3rdアルバム『夢紡ぎ』は、彼女にとって新境地を開かんとするものであった。神秘的シンボリズムと感情の深遠を表現しようとした試みは、非常に実験的な試みであり、彼女の更なるスタイルの変化を表したものであった。
1992年、4thアルバム『微熱』では、音楽的にフォークとダンスビート、そしてインダストリアルの融合であり、内容的に明るいイメージを伝えており、それ以前のアルバムとは対照的なつくりとなっている。
1996年、5thアルバム『欲望の9つの対象』が発表され、『微熱』の曲調を伝えつつも、過去の素朴なスタイルと、さらにボサノバを加えたものとなっている。
2001年夏、6thアルバム『ソングス・イン・レッド・アンド・グレイ』を発表。このアルバムでは、男女の関係が機微に富んだ形で表現され、とりわけ、その関係性の失敗や挫折が主題として前面に来るものの、曲調は高いレベルにおいて再びアコースティックな形へ移行しており、より素朴な形でそのテーマを表現している。
2008年、前年リリースの7thアルバム『ビューティ&クライム』が第50回グラミー賞において最優秀エンジニアド・アルバム(非クラシカル)賞を受賞。自主レーベル「Amanuensis Productions」を設立し、旧譜のリメイク作業に着手する(後の『Close-Up』シリーズ)。同年来日公演を開催。
2010年、セルフ・カヴァーのアコースティック企画アルバム『Close-Up』シリーズのリリース開始[2]。
2012年、ビルボードライブにて来日[3]、および2013年「フジロックフェスティバル」に出演。
2014年、7年ぶりの8thアルバム『Tales from the Realm of the Queen of Pen』を発表[4]。同年来日公演を開催。
2016年、女流作家カーソン・マッカラーズに捧げた9hアルバム『Lover, Beloved』を発表[5]。
2020年、9月11日にライブ・アルバム『An Evening of New York Songs and Stories』をリリース[6]
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ハンガリー・ブダペスト公演 (2000年8月)
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第63回『ピーボディ賞』授賞式にて (2004年5月)
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チェコのトークショーにて (2006年10月)
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スペイン・バルセロナ公演 (2008年7月)
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ゲリー・レオナルドと共演 (2016年7月)
ディスコグラフィ
[編集]- オリジナル・アルバム
- 1985年 『街角の詩』 - Suzanne Vega (A&M)
- 1987年 『孤独(ひとり)』 - Solitude Standing (A&M)
- 1990年 『夢紡ぎ』 - Days of Open Hand (A&M)
- 1992年 『微熱』 - 99.9F° (A&M)
- 1996年 『欲望の9つの対象』 - Nine Objects of Desire (A&M)
- 2001年 『ソングス・イン・レッド・アンド・グレイ』 - Songs in Red and Gray (A&M)
- 2007年 『ビューティ&クライム』 - Beauty & Crime (Blue Note)
- 2014年 『ペンタクルの女王の物語』 - Tales from the Realm of the Queen of Pen (Amanuensis Productions)
- 2016年 Lover, Beloved: Songs from an Evening with Carson McCullers (Amanuensis Productio)
- Close-Upシリーズ
- 2010年 Close-Up Vol. 1, Love Songs
- 2010年 Close-Up Vol. 2, People & Places
- 2011年 Close-Up Vol. 3, States of Being
- 2012年 Close-Up Vol. 4, Songs of Family
- ライブ・アルバム
- 2020年 An Evening of New York Songs and Stories (Amanuensis/Cooking Vinyl)
- コンピレーション
- 1998年 『ベスト・オブ・スザンヌ・ヴェガ』 - Tried & True: The Best of Suzanne Vega (A&M)
- 2003年 『レトロスペクティヴ』 - Retrospective: The Best of Suzanne Vega
日本公演
[編集]- 1月22日 心斎橋クラブクアトロ、23日 名古屋クラブクアトロ、24日 東京国際フォーラム・ホールC
- 1月21日 ビルボードライブ大阪、1月23日 ビルボードライブ東京
- フジロックフェスティバル(苗場スキー場)
- 4月7日 EXシアター六本木、4月9日 梅田クラブクアトロ
- 8月10日 ビルボードライブ東京、8月12日 ビルボードライブ大阪[7]
脚注
[編集]- ^ “性別がなければよかった…グラミー賞歌手が“女性でいる難しさ”告白”. シネマトゥデイ (2017年3月16日). 2017年12月3日閲覧。
- ^ “スザンヌ・ヴェガ 『ペンタクルの女王の物語』インタビュー”. Billboard JAPAN (2014年2月5日). 2017年12月3日閲覧。
- ^ “スザンヌ・ヴェガ、4年ぶりとなる待望の来日公演決定!”. HMV&BOOKS online (2011年11月17日). 2021年4月20日閲覧。
- ^ “スザンヌ・ヴェガ、7年振りのニュー・アルバム”. TOWER RECORDS (2014年1月8日). 2017年12月3日閲覧。
- ^ “スザンヌ・ヴェガ、女流作家カーソン・マッカラーズにインスパイアされた新作をリリース”. CDjournal (2016年9月6日). 2017年12月3日閲覧。
- ^ スザンヌ・ヴェガ NYをテーマにした最新ライヴレコーディングアルバム 亡き友ルー・リードの「Walk on the Wild Side」カヴァーも収録 - HMV&BOOKS online(2020年9月11日)2021年4月20日閲覧
- ^ スザンヌ・ヴェガ、東阪ビルボードライブでの来日公演が決定 - billboard JAPAN(2018年6月15日)2021年4月20日閲覧