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スクールボーイ閣下

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スクールボーイ閣下
The Honourable Schoolboy
著者 ジョン・ル・カレ
訳者 村上博基
発行日 イギリスの旗 1977年9月[1][2]
日本の旗 1979年7月
発行元 イギリスの旗 Hodder & Stoughton
日本の旗 早川書房
ジャンル スパイ小説
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
形態 ハードカバー
前作 ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ (1974年)
次作 スマイリーと仲間たち (1979年)
コード ISBN 0743457919
ウィキポータル 文学
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スクールボーイ閣下』(The Honourable Schoolboy)は、イギリスの作家、ジョン・ル・カレが1977年に発表したスパイ小説

概要

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ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(1974年)の続編である。日本では「スマイリー三部作」の真ん中の作品と称されることが多いが、同じ三部作でも、欧米ではソ連情報部の指揮官カーラの名をとって「The Karla Trilogy」と呼ばれている[2]

ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞ゴールド・ダガー賞を受賞した。本作品はベストセラーとなり、作者のル・カレは『タイム』1977年10月3日号の表紙を飾った[3]

主人公はサーカス(イギリス情報局秘密情報部)のチーフとなったジョージ・スマイリーと、前作の『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』にも登場した臨時工作員兼ジャーナリストのジェリー・ウェスタビーの二人。主な舞台は1974年から1975年にかけての香港であるが、ロン・ノル政権下のカンボジアの混乱の模様や、1975年4月30日のサイゴン陥落などが物語の背景として描かれている。

香港外国人記者クラブの長老 "クロウ老人" は、オーストラリア出身の特派員リチャード・ヒューズ(Richard Hughes)をモデルにしていると言われている[4]

あらすじ

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評価

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前述のとおりジェイムズ・テイト・ブラック記念賞とゴールド・ダガー賞を受賞しているが、日本では村上春樹が絶賛していることで知られる。村上は邦訳が出た翌年の1980年、雑誌のコラムで「僕は三度読んで、そのたびに興奮した」と述べた[5]。また 2017年に行った翻訳家の柴田元幸との対談でも「僕が好きな訳というと、村上博基さんのジョン・ル・カレ。『スクールボーイ閣下』は何度も読んでいます」と述べている。「どういうふうにいいんですか」と問われた村上は次のように答えた[6]

村上 生き生きしているんです。ジョン・ル・カレはぐしゃぐしゃした変な文章を書く人なんですが、そのぐしゃぐしゃ性を突き抜けると、すごく感じるものがある。そのぐしゃぐしゃ性を村上さんはすごく理解していて、ジョン・ル・カレに対する愛情が満ちている。だから好きなんです。

柴田 原文と比べてみたりしたことあります?

村上 あります。僕も英語で読んだり日本語で読んだりしているので。

柴田 その村上博基さんの訳は、ぐしゃぐしゃさに忠実なわけですね。

村上 忠実です。端折ってないですね。作ってもないです。英語で読んでもぐしゃぐしゃしているし。 — 村上春樹・柴田元幸 『本当の翻訳の話をしよう』 スイッチ・パプリッシング、2019年5月9日、68-69頁。

日本語訳

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脚注

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  1. ^ アダム・シズマン 著、加賀山卓朗、鈴木和博 訳『ジョン・ル・カレ伝 <下>』早川書房、2018年5月25日、119頁。 
  2. ^ a b The Honourable Schoolboy by John le Carré - Goodreads
  3. ^ 『ジョン・ル・カレ伝 <下>』 前掲書、121頁。
  4. ^ 『ジョン・ル・カレ伝 <下>』 前掲書、90頁。
  5. ^ 村上春樹「ル・カレ・ファンとして、涙また涙の『スマイリーズ・ピープル』」 『ハッピーエンド通信』1980年6月号。
  6. ^ 村上春樹・柴田元幸『本当の翻訳の話をしよう』スイッチ・パプリッシング、2019年5月9日、68-69頁。ISBN 9784884184667 

関連項目

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外部リンク

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