ジンバブエ・ゴールド
ジンバブエ・ゴールド | |
---|---|
ISO 4217 コード | ZWG |
中央銀行 | ジンバブエ準備銀行 |
ウェブサイト | www |
使用開始日 | 2024年4月8日[1] |
使用 国・地域 | ジンバブエ |
通貨記号 | ZiG |
複数形 | ZiGs |
硬貨 | 1, 2, 5 ZiG(既に発行) 1/10, 1/4, 1/2 ZiG(発行未確認) |
紙幣 | 10, 20 ZiG(既に発行) 50, 100, 200 ZiG(発行計画あり) |
ジンバブエ・ゴールド(英語: Zimbabwe Gold)は、2024年4月より流通しているジンバブエの法定通貨である。略称はZiG。その価値は主に金によって裏付けされているとしており[2][3]、それが事実であれば2024年現在唯一の金本位制通貨と言える。導入時の為替レートは1米ドル = 13.56 ZiG [4]。
ジンバブエ・ゴールドは、ハイパーインフレーション[5]によって価値を失ったRTGSドル(ジンバブエ・ドル)に代わって2024年4月5日に発表され[6]、4月8日より導入された[1]。旧通貨のRTGSドルとの交換期限は21日間に設定されている。なお通貨バスケット制は引き続き維持される[7]。
ZiGは元々金本位制のデジタルトークンとして2023年4月に導入され、2023年10月5日に法定通貨として認められていた[8][9]。このデジタルトークンのZiGはGBDTという投資商品として残る[4]。
ZiGが法定通貨として導入された当初は、紙幣・硬貨共に未発行(製造中)で、事実上暫定的にデジタル決済(キャッシュレス)のみの法定通貨としての導入となった。2024年5月1日からは紙幣と硬貨が発行された[10]。
ジンバブエは前述のハイパーインフレの経験から自国通貨への信用が非常に低く、ジンバブエ・ゴールドの導入後も全ての取引の60%が米ドルで行われ続けている他[11]、2024年夏に深刻化した国内の旱魃に起因する食糧不足などからインフレーションが加速し、実勢レートが1ドル = 25 ZiG前後まで悪化しているばかりか、同年9月には国内の農家団体に対しジンバブエ政府から支払われる金額の25%をジンバブエ・ゴールドで支払う事に反発し、全額を外貨で支払うよう要求する事態が発生する[12]など、国民からの自国通貨の信用はほとんど回復しておらず、ジンバブエ政府も通貨価値の維持に苦慮している[12]。
紙幣
[編集]10ZiG、20ZiG、50ZiG、100ZiG、200ZiGの5種類。流通開始時に発行されたのは10ZiG、20ZiGの2種類のみで、50ZiG以上の券種はインフレの加速を憂慮して発行が延期されている[13]。
当初は1ZiG、2ZiG、5ZiGの券種も発行が計画され印刷まで行われていたが、いずれも同額面の硬貨が存在している為か発行が棚上げされている[4][14]。
これらの紙幣のデザインは全券種共通であり、表面のデザインは先々代のジンバブエ・ドル、先代のRTGSドルに用いられていたものと同じバランシング・ロックス(重なる3つの岩)、裏面のデザインは12個の金塊と金の鋳造のイメージとなっている。表面から見て右側には透かしが入っており、表面右下にはQRコードが印刷されている。
硬貨
[編集]1/10ZiG、1/4ZiG、1/2ZiG、1ZiG、2ZiG、5ZiGの6種類。ただし流通開始時に発行が確認されたのは1ZiG、2ZiG、5ZiGの3種類のみで、それ以外の3種類は発行が確認されていない。
1ZiG未満の金額を表す補助単位はなく、1ZiG未満の表現は分数によるものとなっている。仮に現在発行が確認されていない3種類が発行された場合の貨幣体系では、現金の最小単位は1/20ZiGとなるが、金額を厳密に取り扱おうとする場合、1/20ZiG・3/20ZiGの金額は現金では直接表現できないことになる。
額面 | 材質 | サイズ(mm) | 重量(g) | 表面 | 裏面 | 発行日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 ZiG | ニッケルメッキ鋼鉄 | 20.0 | 3.68 | ジンバブエ鳥 | グロリオサ | 2024.4.30 |
2 ZiG | 21.5 | 5.3 | グレート・ジンバブエ遺跡 | |||
5 ZiG | 24.5 | 7.5 | ヴィクトリアの滝 |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “新通貨ジンバブエ・ゴールド、波乱のスタート 旧通貨は無価値に”. AFP通信社 (2024年4月10日). 2024年4月22日閲覧。
- ^ “Zimbabwe Replaces Battered Dollar With New Gold-Backed Currency Called ZiG” (英語). Bloomberg.com. (2024年4月5日) 2024年4月5日閲覧。
- ^ “Zimbabwe launches new gold-backed currency”. フランス24 (2024年4月5日). 2024年4月6日閲覧。
- ^ a b c “Zimbabwe gets new currency: ZiG, to restore stability”. The Chronicle (2024年4月6日). 2024年4月6日閲覧。
- ^ “【解説】新通貨「ジンバブエ・ゴールド」発行も…大混乱 過去“250万%”の「ハイパーインフレ」も問題に”. FNN. 2024年5月17日閲覧。
- ^ “Zimbabwe launches new gold-backed currency - ZiG”. BBC (2024年4月6日). 2024年4月6日閲覧。
- ^ “Zimbabwe introduces new gold-backed currency to tackle inflation”. アル・ジャジーラ (2024年4月5日). 2024年4月6日閲覧。
- ^ “ジンバブエ共和国月報(2023年10月)”. 在ジンバブエ日本国大使館. p. 8. 2024年4月6日閲覧。
- ^ “Zimbabwe Officially Adopts Gold-backed Digital Token 'ZiG' as Legal Tender”. フォーブス・インディア (2023年10月16日). 2024年4月6日閲覧。
- ^ 金裏付けのジンバブエ・ゴールド、中銀が紙幣と硬貨を発行 コインテレグラフ ジャパン 2024年05月01日 08:25
- ^ “USD to ZiG: Here’s why the Zimbabwe currency is melting away”. Invezz. 2024年9月18日閲覧。
- ^ a b Muromo, Lorraine. “Govt in a fix as farmers reject ZiG” (英語). NewsDay. 2024年9月18日閲覧。
- ^ Zimbabwe to hold off on issuing new 50- and 200-zig (B203 and B205) notes Banknote News 2024年06月07日閲覧。
- ^ Zimbabwe new 1-, 2,- and 5-zig notes (B198 – B200) reportedly shelved in favor of coins Banknote News 2024年05月25日閲覧。
先代 RTGSドル 理由:インフレーション |
ジンバブエの通貨 2024年 – Note:米ドル、南ア・ランド等も法定通貨である |
次代 (現行) |