コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ジョージ・マカイバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジョージ・W・マカイバー
George W. McIver
ジョージ・マカイバー(1917年1月1日)
生誕 (1858-02-22) 1858年2月22日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ノースカロライナ州カーセッジ英語版
死没 1947年5月9日(1947-05-09)(89歳没)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ワシントンD.C.
所属組織 アメリカ陸軍
軍歴 1882年 - 1922年
最終階級 准将(Brigadier General)
墓所 アーリントン国立墓地
テンプレートを表示

ジョージ・ウィルコックス・マカイバー(George Willcox McIver, 1858年2月22日 - 1947年5月9日)は、アメリカ合衆国の軍人。アルカトラズ島軍事刑務所所長や民兵局長代行、第一次世界大戦中の第161歩兵旅団長などを歴任した。最終階級は准将。なお、ミドルネームはWilcoxと綴られることもある。

若年期

[編集]
士官候補生時代のマカイバー(1882年)

1858年、ノースカロライナ州カーセッジに生まれる[1]。1869年から1870年までノースカロライナ大学チャペルヒル校に通う。マカイバーの父は同校の教授だった。1882年、陸軍士官学校を卒業して歩兵科少尉に任官[2]

第17歩兵連隊英語版に配属されたマカイバーは、インディアン戦争を通じて西部各地を転戦した。1885年、ワイオミング州ロックスプリングスの鉱山で白人労働者と中国人労働者の大規模な衝突が起こった(ロックスプリングスの虐殺英語版)。連邦政府は陸軍部隊を派遣してこの暴動に介入したが、マカイバーもこれに参加した将校の1人だった。1890年から1891年にかけて、スー族征伐に従軍。1891から1893年まで陸軍士官学校で戦術教官を務めた後、ワイオミング州キャンプ・パイロット・ビュートに1894年まで勤務した。その後はカリフォルニア州兵英語版に顧問たる正規軍将校として派遣された[3][4]

米西戦争

[編集]

1898年、第7歩兵連隊の一員として米西戦争最中のキューバへと派遣され、エル・カニーの戦い英語版サン・フアン高地の戦い英語版などに参加した[5]

米西戦争後

[編集]

1898年から1900年まで、マカイバーはミシガン州フォート・ブラディ英語版、ミネソタ州リーチ・レイクインディアン局英語版に勤務。1900年から1901年までアラスカ州のフォート・デイヴィス英語版セント・マイケル英語版に勤務。1901年から1903年まではオレゴン州ポートランドの志願兵事務所に勤務[6]。1903年から1905年までフィリピン派遣に参加[7]

1905年から1907年までアルカトラズ島軍事刑務所の所長を務める。1906年のサンフランシスコ地震の際にはゴールデン・ゲート・パークにおける被災者向け仮設住宅建築の監督を行っている[6]

1907年、カリフォルニア州モントレーの陸軍射撃学校(School of Musketry)の校長に就任し、陸軍小火器射撃教範の出版を担当した[8]。1912年から1914年まで再度フィリピン派遣に参加。1915年、民兵局英語版に幹部将校(executive officer)として配属される。1916年9月に民兵局長アルバート・レオポルド・ミルズ英語版将軍が急死すると、ウィリアム・エイブラム・マン英語版将軍が後任局長に決定する10月までマカイバーが局長代行を務めた[9]

第一次世界大戦

[編集]

1917年、マカイバーは准将に昇進し、第81「ワイルドキャット」師団英語版第161歩兵旅団の旅団長に就任した[10]。第81師団はノースカロライナおよびサウスカロライナ出身者から成る師団で、訓練はサウスカロライナ州のキャンプ・セビアおよびフォート・ジャクソンで行われた[11]

マカイバーは第161旅団長としてフランス戦線に派遣され、ムーズ=アルゴンヌ攻勢などに参加した。また、1917年12月から1918年7月までの間に、第81師団長代行の職を3度務めている[12]。マカイバーが人種問題について示した態度には様々な記録が残されているが、当時の将校の中では進歩的な考えを持った1人であったと考えられている。例えば彼は第161旅団からプエルトリコ人兵士を他隊へ転属させているが、一方でラムビー族を始めとするノースカロライナ州インディアン諸部族出身者はそのまま部隊に残している。また自らがインディアン戦争に従軍した際の経験から、黒人兵には優秀な者が多いが、彼らは白人将校に率いられてこそ十分に能力を発揮しうるのだと信じていた[13]

終戦時、マカイバーは陸軍殊勲章英語版に推薦されているが、これが承認されたという記録はない[14]

大戦後

[編集]

終戦後、マカイバーの階級は大佐に復帰した。1919年から1922年の退役まで、アーカンソー州リトルロック近くに設置されたフォート・パイク復員支援班やニューヨーク州フォート・スローカム英語版の新兵訓練所に勤務した[7]

死没

[編集]

退役後はワシントンDCに暮らした。1930年、退役准将の階級が与えられる[15]。1947年5月9日、ワシントンDCにて死去。アーリントン国立墓地に埋葬された[16]

マカイバーの作成した論文はイースト・カロライナ大学英語版のジョイナー・ライブラリーに保管されている[17]

2006年、マカイバーの自伝『A Life of Duty: The Autobiography of George Willcox McIver, 1858-1948』がジョナサン・デンボによって編集・出版された[18]

脚注

[編集]
  1. ^ East Carolina University, George Willcox McIver Papers, Biographical sketch, George Willcox McIver, 2011
  2. ^ Burke's Peerage, Burke's Distinguished Families of America, 1948, page 2809
  3. ^ George Washington Cullum, Biographical Register of the Officers and Graduates of the U.S Military Academy, Volume 4, 1901, pages 358-359
  4. ^ California Adjutant General, Annual Report, 1894, page 160
  5. ^ University of North Carolina, Carolina Alumni Review, Career of General McIver, February, 1918, page 126
  6. ^ a b George W. Cullum, Biographical Register of the Officers and Graduates of the U.S. Military Academy, 1910, page 335
  7. ^ a b George Washington Cullum, Edward Singleton Holden, Biographical Register of the Officers and Graduates of the U.S. Military Academy, 1920, pages 338-339
  8. ^ United States War Department, Annual Reports, Volume 3, 1910, page 139
  9. ^ United States War Department, Report of the Chief of the Militia Bureau, Volume 1, 1916, page 947
  10. ^ Floyd Gibbons, And They Thought We Wouldn't Fight, 1918, page 255
  11. ^ North Carolina State Archives, The Old North State and 'Kaiser Bill': North Carolinians in World War I; 81st Division "Wildcats", accessed May 3, 2013
  12. ^ Center of Military History, United States Army, Order of Battle of the United States Land Forces in the World War: American Expeditionary Forces, 1988, page 338
  13. ^ Stanley W. Black, Amazon.com, Review, A Life of Duty, April 14, 2010
  14. ^ Stanley W. Black, Review, A Life of Duty
  15. ^ University of North Carolina, Carolina Alumni Review, 1873, McIver, October, 1930, page 18
  16. ^ Arlington National Cemetery, Burial record for George W. McIver, accessed May 3, 2013
  17. ^ East Carolina University, George Willcox McIver Papers, Collection description, George Willcox McIver Papers, 2011
  18. ^ George Willcox McIver, A Life of Duty: The Autobiography of George Willcox McIver, 1858-1948, 2006, title page
軍職
先代
アルバート・レオポルド・ミルズ英語版
民兵局長代行
1916年
次代
ウィリアム・エイブラム・マン英語版