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ジャーワン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャーワンの位置
ジャーワンの位置
ジャーワン
ジャーワン (イラク)

ジャーワン(Jerwan)は、イラクニーナワー県にあるモースル北部の一区域である。区域に植物はなく、もほぼ住んでいない。その場所は、ケニス川(Khenis River)を渡る巨大な水路の遺跡で有名である。水道橋は、飾りを施した200万個以上を用いてアーチ構造で築かれ、セメントで防水されていた[1]。ローマが作った水道橋よりも5世紀は遡るもので、世界最古の水道橋と考える学者もいる[2]

ジャーワンの水道橋

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この水道橋は、アッシリア王センナケリブにより紀元前703年から紀元前690年の間に建設されたアトラシュ水路の一部である。水路は、ニネヴェの広大な庭園に給水するため、Khenis gorgeから50km北へ迂回していた。

水道橋に記された碑文はこう語る:

センナケリブ。世界の王にしてアッシリアの王。遙かな距離を越え、私は水路を築いた。いくつもの水を集め、水路はニネヴェの近郊に至る。・・・。私は、険しい谷々を越えるため、白い石灰岩で造った水道橋を架け、その橋の上に水を流した。

バビロンの空中庭園がバビロンではなく、ニネヴェに実在したセンナケリブの庭園であったと主張する学者もいる [3] [4] [5] [6] [7]

 シカゴ大学オリエント研究所では、トーキル・ヤコブセンとシートン・ロイドの共著による1935年発表論文「ジャーワンの遺構 センナケリブの水道橋」をインターネットにて一般公開している(下記 参考文献のリンクを参照)。発掘は、シカゴ大学オリエント研究所のイラク調査隊が1933年に行った。調査は、バビヤン(Bavian)の碑文で有名なゴメル川(Gomel River)の峡谷から、ニネヴェ上流のコスル川(Khosr River)まで行われた。シートン・ロイドが、ジャーワンの水道橋や、運河の上流起点などの建築構造物のスケッチを担当。トーキル・ヤコブセンが、ジャーワンで発見された楔形文字の解読を担当した。

 なお、同参考文献は、シカゴ大学のホームページからの公開に限定されており、ここに転載することはできないが、pdfファイルの6ページに遺跡空撮写真、21ページに平面図、23ページに立面図、33ページに復元予想図が掲載されている。

参考文献

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外部リンク

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関連項目

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脚注

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  1. ^ T Jacobsen and S Lloyd, Sennacherib's Aqueduct at Jerwan (1935); Reade, Studies in Assyrian Geography, Revue d'Assyriologie 72 (1978); Channel 4 TV programme Secret History: Finding Babylon's Hanging Garden, 24th November 2013
    『ジャーワンの遺構 センナケリブの水道橋』(共著:トーキル・ヤコブセン(ハーバード大学の考古学者)、シートン・ロイド(ロンドン大学の考古学者)、1935年)/『アッシリア地誌学』(アッシリア学レビュー誌第72巻)(著 ジュリアン・リード(コペンハーゲン大学の考古学者)、1978年)/『歴史の謎:バビロンの空中庭園を探す』(チャンネル4(英国)、2013年11月24日放送。ステファニー・ダリー)
  2. ^ AH Layard, Discoveries in the Ruins of Nineveh and Babylon, (1853)
    『ニネヴェとバビロンの遺構における発見』(オースティン・ヘンリー・レイヤード、1853年)
  3. ^ Thorkild Jacobsen and Seton Lloyd.Sennacherib’s Aqueduct at JerwanOriental Institute Publications (OIP) OIP 24.
    (『ジャーワンの遺構 センナケリブの水道橋』(共著:トーキル・ヤコブセン(ハーバード大学の考古学者)、シートン・ロイド(ロンドン大学の考古学者)、1935年))
  4. ^ Wolfram von Soden, The Ancient Orient: An Introduction to the Study of the Ancient Near East. (Grand Rapids: Erdmans Publishing Company, 1985). (pp.58)
    (『古代オリエント:古代近東史入門』(著:ウォルフラム・フォン・ゾーデン(ドイツの考古学者。専門はアッシリア)、ウィリアム・アードマンズ出版社(米国ミシガン州)、1985年)p.58より)
  5. ^ Stephanie Dalley (1993). "Ancient Mesopotamian Gardens and the Identification of the Hanging Gardens of Babylon Resolved". Garden History 21: 7.
    (季刊誌『庭園史』21号(1993年)第1部に収録されている、『古代メソポタミアの庭園を手がかりに、バビロンの空中庭園の位置を探る』(著:ステファニー・ダリー)より)
  6. ^ Stephanie M. Dalley, Hanging Garden of Babylon: an elusive World Wonder traced. (Oxford University press, 2013).
    (『バビロンの空中庭園の謎:“世界の不思議”の謎を追う』(ステファニー・ダリー(イギリスの古代中近東学者)、オックスフォード大学出版 2013年))
  7. ^ 前田徹、川崎康司、山田雅道、小野哲、山田重郎、鵜木元尋『歴史学の現在 古代オリエント』、2000年、pp, 158-159