ジャン=ポール・プナン
ジャン=ポール・プナン Jean-Paul Penin | |
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1980年に行われたコンサートでストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団を指揮するジャン=ポール・プナン。 | |
基本情報 | |
生誕 |
1949年12月31日(74歳) フランス、サン=ディジエ |
出身地 | フランス |
学歴 | ストラスブール大学細胞分子生物学生物物理学博士号 |
ジャンル | クラシック |
職業 | 指揮者 |
活動期間 | 1972年 - |
ジャン=ポール・プナン(Jean-Paul Penin、1949年12月31日 - )は、フランスの指揮者。
経歴
[編集]サン=ディジエ生まれ。1972年から1980年にかけてストラスブール(コントラバス、アナリーゼ、室内楽)やパリ(音楽史をイヴ・ジェラールに師事)、さらにフルブライト奨学生としてサンフランシスコ(指揮、アナリーズをジョン・クーリッジ・アダムズに師事)にて学んだ。同時に文学修士号、および生物物理学博士号(1974年、ストラスブール大学細胞分子生物学研究所)を取得したプナンは、1972年から1978年までストラスブール大学管弦楽団を指揮し、同楽団を率いてヨーロッパ・ユースオーケストラ・フェスティバル(1976年)や、南米(1977年)などへ演奏旅行を行った。
1979年に民主音楽協会主催の東京国際音楽コンクール(指揮)に入選して注目を集め、その後ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団にてアラン・ロンバールのアシスタントを、次いで1990年から1994年までウィーン国立歌劇場にてロリン・マゼールのアシスタントを勤めた。1993年には、クラクフ国立フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者(1990年から1994年)としての貢献(コンサートツアー、録音、メセナ)をたたえ、ポーランド大統領レフ・ワレサより、ポーランド共和国功労勲章(オフィシエ)を授けられた。
1990年には、アムステルダムのコンセルトヘボウにて、前年にニューヨークでピエール・ブーレーズによって世界初演された、メシアンの『天より来たりし都』を作曲家の立ち会いのもと、ヨーロッパ初演をし(オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団、イヴォンヌ・ロリオ(ピアノ))、このコンサートの模様はテレビ中継された。ジャン=ポール・プナンはまた、このコンサートにおいて、武満徹のオーケストラとヴィオラ(今井信子)のための作品、『ア・ストリング・アラウンド・オータム』も指揮した。
この後、ベーレンライター出版社はユネスコとフランス大統領府の後援のもと、ジャン=ポール・プナンに、当時草稿が発見されたばかりだったベルリオーズの『荘厳ミサ曲』のフランス再初演を依託する。ジャン=ポール・プナンはこの作品の世界初録音を1993年10月3日ヴェズレーのサント=マドレーヌ大聖堂にて行い、その後はラ=コート=サン=タンドレでのベルリオーズ音楽祭やブエノスアイレスのコロン劇場などヨーロッパやアメリカなどの各地で、この作品を指揮した[1]。 2000年9月8日にはプラハ放送交響楽団を率いて、欧州文化首都の一環として開催された、ドヴォルザーク音楽祭の開幕コンサートを指揮し、このコンサートはラジオ中継された。同オーケストラとは後にツアーでベルリオーズの『キリストの幼時』も取り上げている。バルトークとドビュッシーを取り上げた、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団とのコンサート(2002年)は、24カ国にラジオ中継され、その後プナンはシュターツカペレ・ドレスデンを指揮すべくゼンパー・オーパーに招聘された。 また2009年9月8日には、サン=リキエ音楽祭において、フランソワ・フェトの『スターバト・マーテル』を初演した(プラハ国立歌劇場オーケストラ、ムジカ合唱団、ソリスト:ジャン=フィリップ・クルティス)。
叙勲
[編集]- ポーランド:国家功労勲章(オフィシエ)、1993年。
- フランス:芸術文化勲章(シュヴァリエ)、1997年。
録音
[編集]プナンは、音楽誌より隠された名作を発見する音楽家と考えられている。ベルリーズの『荘厳ミサ』と、ベートヴェンのカンタータ2作(『ヨーゼフ2世』と『レオポルド2世』)の他にも、数多くのオペラの世界初録音を行っている。バロックおよび後期バロックに精通している彼は、例えばヴェルサイユ宮殿の新オペラ劇場杮落としのために、ルイ16世によって委嘱されたサッキーニのオペラ『コロンヌのオイディプス』(1786年)を録音している。
作曲
[編集]- 『パリの夜』(オーケストラ組曲)。2004年12月12日にミラノにてポメリージ・ムジカーリオーケストラにより初演。
- 『1930年のパリ、12のワルツ』(2台ピアノ)。ピアノソロ版の初演(3つのワルツ)は2011年6月18日に、オリュー室内楽音楽祭(ベルギー)にて、ジュリアン・ジェルネーによってされた。ピアノソロ版の全曲録音はジャン・デュベによってシリウス/コデックスレーベルよりリリース(2012年)
- 『邂逅』(ネルヴァルとアポリネールのテクストによるオーケストラと合唱曲)。バンコク国立劇場にて、バンコク・シンフォニー・オーケストラによって初演(2012年2月2日)