ジャックと天空の巨人
ジャックと天空の巨人 | |
---|---|
Jack the Giant Slayer | |
監督 | ブライアン・シンガー |
脚本 |
ダレン・レムケ クリストファー・マッカリー ダン・スタッドニー |
原案 |
ダレン・レムケ デヴィッド・ドブキン |
製作 |
ニール・H・モリッツ デヴィッド・ドブキン パトリック・マコーミック オリ・マーマー |
製作総指揮 |
リチャード・ブレナー マイケル・ディスコ トビー・エメリッヒ アレックス・ガルシア[要曖昧さ回避] ジョン・ジャッシニ ジョン・リッカード トーマス・タル |
出演者 |
ニコラス・ホルト エレノア・トムリンソン スタンリー・トゥッチ イアン・マクシェーン ビル・ナイ ユアン・マクレガー |
音楽 | ジョン・オットマン |
撮影 | ニュートン・トーマス・サイジェル |
編集 |
ジョン・オットマン ボブ・ダクセイ |
製作会社 |
ニュー・ライン・シネマ レジェンダリー・ピクチャーズ オリジナル・フィルム ビッグ・キッド・ピクチャーズ バッド・ハット・ハリー |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 |
2013年3月1日 2013年3月22日 |
上映時間 | 114分[1] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $195,000,000[2] |
興行収入 |
$197,687,603[2] 5億5100万円[3] |
『ジャックと天空の巨人』(ジャックとてんくうのきょじん、原題: Jack the Giant Slayer)は、イギリスの童話『ジャックと豆の木』と、民話『巨人退治のジャック』をベースとし、ブライアン・シンガーが監督した2013年のアメリカ合衆国のファンタジー・冒険映画である。
『巨人退治のジャック』を原作とした映画は他に『ジャックと悪魔の国』(1962年)がある。
ストーリー
[編集]ある時、神の声を聞こうとした修道士たちは天まで届く魔法の豆の木を使い天に登るが、そこには巨人の国ガンチュアがあった。巨人たちは下界に降りて略奪と人間狩りを行うが、人間のエリック王は巨人の心臓から王冠を作らせ、王冠の魔力で巨人たちをガンチュアに戻らせ、豆の木を切り倒し国を救った。
1,000年後、エリック王の子孫が治めるクロイスター王国では、巨人の話はエリック王の伝説としておとぎ話になっていた。ある日、小作農家の青年ジャックは馬を売るために城下町を訪れるが、そこで出会った修道士アベルに魔法の豆と引き換えに馬を譲る。その日の雷雨の夜、ジャックの家に1人の女性が雨宿りに訪れる。ジャックは、その女性が城下町で暴漢から助けようとしたイザベル王女だと気付く。2人は冒険の話で意気投合するが、雨水で魔法の豆が濡れてしまい、巨大な豆の木となりイザベルを巻き込んで天に伸びていく。
翌日、イザベルの父ブラムウェル王は、騎士団長エルモントにイザベルの救出を命令し、志願したイザベルの婚約者でブラムウェル王の側近ロデリック卿とジャックと共に救出に向かうが、ガンチュアに到着したエルモントたち騎士は巨人に捕まってしまう。エルモントは巨人の王ファロン将軍の元に突き出され、イザベルと共に尋問を受けるが、そこに巨人を従えたロデリックが現れる。ロデリックは王家の墓地から盗み出したエリック王の王冠の魔力を使い、巨人たちを利用して人間世界を征服しようと画策する。ジャックに助け出されたイザベルはガンチュアを脱出し、エルモントは王冠を奪い返すため残った。一方、ガンチュアから墜落死した巨人を見たブラムウェル王は、国を守るため豆の木を切り倒せと命令する。エルモントは巨人を率いて来たロデリックを殺害するが、王冠をファロンに奪われてしまい、切り倒された豆の木に飛び乗り脱出する。
しかし、ファロンたちはロデリックの遺体から魔法の豆を見つけ出し、豆の木を使いクロイスター王国に乗り込む。ジャックたちは城に逃げ込み、堀に火を付け籠城し、ファロンは堀の中に落ちてしまう。巨人たちはファムの指揮で城門を討ち破ろうと騎士団と対峙し、ジャックとイザベルは周辺国に危機を知らせるため塔に向かう。そこに、地下水道から城内に侵入したファロンに出くわし捕まってしまう。ジャックはファロンに飲み込まれる直前に、隠し持っていた魔法の豆をファロンに飲み込ませ、ファロンは豆の木に巻き込まれ死んでしまう。ファロンからエリック王の王冠を取り戻したジャックは巨人たちをガンチュアに戻らせ、豆の木を切り倒させ国を救う。ジャックはイザベルと結婚し、巨人たちとの戦いは新しいおとぎ話となり、エリック王の王冠は新しい王冠に作り直され、長い時代を経てロンドン塔に保管される。
キャスト
[編集]※括弧内は日本語吹替
- 人間
- ジャック - ニコラス・ホルト[4](ウエンツ瑛士[5])
- イザベル姫 - エレノア・トムリンソン[6](平愛梨[5])
- エルモント - ユアン・マクレガー[7](森川智之)
- ロデリック卿 - スタンリー・トゥッチ[8](内田直哉)
- クロウ - エディ・マーサン[9](咲野俊介)
- ウィック - ユエン・ブレムナー(檀臣幸)
- ブラムウェル王 - イアン・マクシェーン[10](佐々木勝彦)
- 巨人
- ファロン将軍 - ビル・ナイ[8](ゴリ(ガレッジセール)[5])
- ファロン将軍(小さい方の頭) - ジョン・カーサー[8](佐藤せつじ)
- フィー - コーネル・ジョン(真栄田賢(スリムクラブ)[11])
- ファイ - アンドリュー・ブルック(千原せいじ(千原兄弟)[11])
- フォー - アンガス・バーネット(博多華丸(博多華丸・大吉)[11])
- ファム - ベン・ダニエルズ(山里亮太(南海キャンディーズ)[11])
製作
[編集]企画
[編集]2009年1月、ニュー・ライン・シネマはジャックと豆の木伝説のアダルト・ルックと説明された『Jack the Giant Killer』の監督にD・J・カルーソーを雇った。脚本はダレン・レムケが執筆し、マーク・ボンバックが書き直した[12]。2009年8月、カルーソーに代わってブライアン・シンガーが監督するかもしれないと報じられ、2009年9月に公式発表された[13][14]。
2010年4月、シンガーは脚本書き直しのためにクリストファー・マッカリーを呼んだ。シンガーとマッカリーのコラボレーションは『パブリック・アクセス』、『ユージュアル・サスペクツ』、『ゴールデンボーイ』、『ワルキューレ』以来である[15]。
2010年5月、製作開始は2011年2月に延期されたことが報じられた。報道によると、シンガーは実際に俳優に演じさせてデジタルの巨人を作り上げることに興味を持ち、その複雑なプロセスに多くの時間を必要とするためである[16]。
プリプロダクション
[編集]2010年10月、ニュー・ラインはブライアン・シンガーにプリプロダクション開始許可を与え、次春製作開始のスケジュールが組まれた[17]。2010年11月、シンガーは主演の男優及び女優へのスクリーン・テストを行った。アーロン・ジョンソン、ニコラス・ホルト、アノイリン・バーナードが若い農夫役、アデレイド・ケイン、リリー・コリンズ、ジュノー・テンプルが王女役のテストを受けた[18]。
2011年2月、スタンリー・トゥッチが悪役に決まったことが報じられた。他に新たにビル・ナイとジョン・カーサーの参加も報じられた[8]。また同月にニコラス・ホルトが主役にオファーされた[4]。シンガーは『Skins』の頃からホルトを気に入っており、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』でもキャスティングに協力していた[19]。さらに同月、ユアン・マクレガーもキャストに加わった[7]。
2011年3月、エレノア・トムリンソンが王女役にキャスティングされた[6]。また同月、イアン・マクシェーンが王役に決まった[10]。その2日後、ニュー・ラインとワーナー・ブラザースは2012年6月15日公開を発表した[20]。
撮影
[編集]主要撮影は2011年4月12日にグレートブリテン島の田舎で開始された[9]。2011年5月、製作はサマセットに移り、ウェルズ、チェダーなどで行われた[21]。また5月、グロスタシャーコールフォード付近のディーンの森のパズルウッドで撮影された。パズルウッドの珍しい木や岩は以前にテレビドラマ『ドクター・フー』や『魔術師 MERLIN』でも使われた。また同森はJ・R・R・トールキンが『ホビットの冒険』を執筆する際に影響を与えた[22]。同月末、撮影はノリッジのノリッジ大聖堂で行われた[23]。
ポストプロダクション
[編集]2012年1月、ワーナー・ブラザースは公開日を9ヶ月遅れの2013年3月22日に変更した。『ハリウッド・リポーター』は、「ワーナーは7月公開予定のクリストファー・ノーランの『ダークナイト ライジング』により変更する余裕が出来た。またこれにより、特殊効果のために時間を費やし、さらにクリスマス公開予定のピーター・ジャクソンの『ホビット 思いがけない冒険』に予告編を付ける機会を得た」と分析した[24]。2012年10月、ワーナー・ブラザースは公開日を3週間前倒した2013年3月1日に再変更した。またタイトルも『Jack the Giant Slayer』に変更された[25]。
テレビ放送
[編集]回数 | テレビ局 | 番組名(放送枠名) | 放送日 | 放送時間 | 放送分数 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 日本テレビ | 金曜ロードSHOW! | 2016年1月29日 | 21:00 - 22:54 | 114分 | 10.9% |
2 | フジテレビ | 土曜プレミアム | 2018年10月6日[26] | 21:00 - 23:10 | 130分 |
- 視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。
参考文献
[編集]- ^ “Jack the Giant Killer”. 全英映像等級審査機構 (2013年2月18日). 2013年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年2月19日閲覧。
- ^ a b “Jack the Giant Slayer”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2014年2月22日閲覧。
- ^ 「キネマ旬報」2014年2月下旬決算特別号 207頁
- ^ a b Flemming, Mike (2011年2月11日). “Nicholas Hoult To Star In 'Jack The Giant Killer'”. Deadline.com. 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月2日閲覧。
- ^ a b c “日本語吹き替えキャスト発表!”. 映画『ジャックと天空の巨人』公式サイト. 2013年2月19日閲覧。
- ^ a b McNary, Dave (2011年3月1日). “Eleanor Tomlinson joins 'Killer' cast”. Variety. 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月2日閲覧。
- ^ a b Kit, Borys (2011年2月24日). “Ewan McGregor Joining 'Jack the Giant Killer' (Exclusive)”. The Hollywood Reporter. 2011年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月2日閲覧。
- ^ a b c d Kit, Borys (2011年2月9日). “Stanley Tucci Set for Villain in 'Jack the Giant Killer'”. The Hollywood Reporter. 2011年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月2日閲覧。
- ^ a b “This isn't as much fun as being a Jedi! Ewan McGregor swaps Obi-Wan Kenobi robes for another knight's costume on set of new movie”. Daily Mail (2011年4月13日). 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年4月13日閲覧。
- ^ a b Kit, Borys (2011年3月21日). “Ian McShane Joins Bryan Singer's 'Jack the Giant Killer'”. The Hollywood Reporter. 2011年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月22日閲覧。
- ^ a b c d “巨人四天王の吹き替えキャスト決定!”. 映画『ジャックと天空の巨人』公式サイト. 2013年2月26日閲覧。
- ^ Flemming, Micheal (2009年1月6日). “D.J. Caruso lands 'Killer' gig”. Variety. 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月2日閲覧。
- ^ Kit, Borys (2009年8月20日). “Warner Bros. securing rights to the 1981 film”. The Hollywood Reporter. 2011年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月2日閲覧。
- ^ Rappe, Elizabeth (2009年9月23日). “Bryan Singer to Direct 'Jack and the Giant Killer'”. Cinematical. Moviefone. 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月2日閲覧。
- ^ Susman, Gary (2010年4月22日). “Bryan Singer and Christopher McQuarrie Reunite for 'Jack the Giant Killer'”. Cinematical. Moviefone. 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月2日閲覧。
- ^ BrentJS (2010年5月28日). “Bryan Singer's Jack the Giant Killer Start Pushed Back to February 2011”. ReelzChannel. 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月2日閲覧。
- ^ Flemming, Mike (2010年10月21日). “Bryan Singer Gets 'Jack The Giant Killer' Green Light; Who'll Climb Beanstalk?”. Deadline.com. 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月2日閲覧。
- ^ Kit, Borys (2010年11月30日). “EXCLUSIVE: Bryan Singer Lining up Actors to Test for 'Jack the Giant Killer'”. The Hollywood Reporter. 2011年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月2日閲覧。
- ^ IGN Staff (2011年5月31日). “Bryan Singer Talks Jack the Giant Killer”. IGN. 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月31日閲覧。
- ^ “Rock of Ages and Jack the Giant Killer Release Dates Set”. ComingSoon.net. CraveOnline (2011年3月23日). 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月24日閲覧。
- ^ “'Giant killer' film brings Hollywood names to Somerset”. BBC News (2011年5月5日). 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月10日閲覧。
- ^ “Jack the Giant Killer filming in the Forest of Dean”. BBC News (2011年5月9日). 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月10日閲覧。
- ^ “Norwich Cathedral used in Jack the Giant Killer movie”. BBC News (2011年5月13日). 2011年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月13日閲覧。
- ^ “Warner Bros. Takes 'Arthur & Lancelot' Off Calendar, Pushes 'Giant Killer' to 2013”. The Hollywood Reporter (2012年1月19日). 2012年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月20日閲覧。
- ^ The Deadline Team (2012年10月17日). “WB’s Retitled ‘Jack The Giant Slayer’ Now Opens March 1, 2013”. Deadline.com. 2012年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年10月18日閲覧。
- ^ 当初は同年9月15日に放送予定だったが、さくらももこの追悼特別番組として『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』に急遽変更したため、延期となった。