ジェームス・ヒル (カナダのミュージシャン)
ジェームス・ヒル | |
---|---|
妻で共演者のアン・ジャネル(手前)とともに、ワークショップを行うジェームス・ヒル(奥)。2013年5月撮影。 | |
基本情報 | |
生誕 |
1980年(43 - 44歳) カナダ |
ジャンル | フォーク、ブルース |
職業 | ミュージシャン、教育者 |
担当楽器 | ウクレレ |
活動期間 | 2002年 - |
公式サイト |
jameshillmusic |
ジェームス・ヒル(James Hill, 1980年[1] - )は、クラシック音楽教育を受けたカナダのミュージシャン。特にウクレレを中心に演奏活動もし、学校教育の教材楽器としての使用も行なっている。ブリティッシュコロンビア大学で音楽の学士号を取得している。
音楽教育
[編集]子どもの頃、ヒルはJ・チャルマース・ドーンが開発し、1977年の著書『Teacher's Guide to Classroom Ukulele』で紹介したウクレレ指導プログラムから、大きな恩恵を受けた。ブリティッシュコロンビア州の学校では、ドーンの指導法を音楽教育に取り入れており、その結果、ラングレー・ウクレレ・アンサンブルが存在するほどになっていた。ヒルは、このアンサンブルに2003年まで[1]10年以上在籍した[2]。
ヒルはドーンと会見した際に、ウクレレの普及を促進させるプログラムの創出を構想し、彼らふたりは協力して「Ukulele in the Classroom(ウクレレを教室に)」というプログラムを2008年に生み出した[3]。
ヒルはコンサートに出演する際には、ほぼ必ずそれに合わせてワークショップを開催している。ヒルは、カナダ全土[4]やアメリカ合衆国、さらにはヨーロッパや日本、シンガポール[5]、ニュージーランドでも教えてきた[6][7]。オンタリオ州キングストンのクイーンズ音楽学校では、定期的に講義を担当し、例年ハワイ州ハワイ郡ワイメアで開催されるウクレレ・アンド・スラックキーギター・インスティテュート (the Ukulele and Slack Key Guitar Institute) のイベントではゲスト講師を務めている。
パフォーマンス
[編集]世界中を旅しているヒルは、2009年7月にはジョン・F・ケネディ・センターでも演奏し[8]、ハワイの第40回ウクレレ・フェスティバルにも出演した[9]。
2013年夏にイギリスで開催されたウクレレ・フェスティバルにも出演するとされた[10]。
ヒルは多様なウクレレを演奏し、いずれもスプルース(トウヒ属)が用いられマイク・ダシルバ (Mike DaSilva) のカスタム・メイドのウクレレを数本使用しているほか、マイヤ・モー・テナー (Mya Moe Tenor) や、ベルトーン・リゾネーター (Beltona Resonator) も使用している[11]。
受賞
[編集]2009年、ヒルはチェロ奏者アン・ジャネル(旧名、アン・デイヴィソン (Anne Davison))とともに、CD『True Love Don't Weep』を製作した。このアルバムは、2009年のカナダ・フォークミュージック賞においてトラディショナル・アルバム・オブ・ザ・イヤー (Traditional Album of the Year) を受賞した[12]。
2015年、ヒルのアルバム『The Old Silo』が、ジュノー賞のルーツ&トラディショナル・アルバム・オブ・ザ・イヤー ソロ部門にノミネートされた[13]。
私生活
[編集]ヒルは、妻であり共演者でもあるアン・ジャネルとともにノバスコシア州に住んでいる。ふたりは2013年9月21日に結婚した[14]。
ディスコグラフィ
[編集]- Playing it Like it Isn't (2002)
- On the Other Hand (2003)
- ファンタジー・フォー・ウクレレ(日本企画盤:ジェネオン エンタテインメント) (2005)[1][15]
- A Flying Leap – Borealis Recording (13 June 2006)
- True Love Don't Weep (collaboration with Anne Davison) – Linus Entertainment – (11 August 2009) 2009 Canadian Folk Music Awards Traditional Album of the Year
- Man with a Love Song – Borealis Recording (11 October 2011)
- The Old Silo – Borealis Recording (16 September 2014)
おもな著書
[編集]- Ukulele in the Classroom – James Hill Ukulele Method Series, Book I – by James Hill & J. Chalmers Doane, Crystal Lake Media (2008) ISBN 978-0980932607
- Ukulele in the Classroom – James Hill Ukulele Method Series, Book II – by James Hill & J. Chalmers Doane, Crystal Lake Media (2008)
- Ukulele in the Classroom – James Hill Ukulele Method Series, Book III – by James Hill & J. Chalmers Doane, Crystal Lake Media (2008)
- The Ukulele Way - Book 1 by James Hill ISBN 978-0-9868536-2-3
- The Ukulele Way - Book 2 by James Hill ISBN 978-0-9868536-4-7
- The Ukulele Way - Book 3 by James Hill ISBN 978-0-9868536-6-1
- The Ukulele Way - Book 4 by James Hill ISBN 978-0-9868536-8-5
- The Ukulele Way - Book 5 by James Hill ISBN 978-1-927726-00-6
- The Ukulele Way - Book 6 by James Hill ISBN 978-1-927726-02-0
脚注
[編集]- ^ a b c “Special Interview & Performances ジェームス・ヒル”. デジマート/リットーミュージック (2007年). 2017年1月20日閲覧。
- ^ Tranquada, Jim (2012). The Ukulele: a History. University of Hawaii Press. pp. 160–162. ISBN 978-0-8248-3544-6
- ^ Ukulele in the Classroom
- ^ "Vancouver International Children's Festival presents James Hill – Ukulele Magic", Tickets Tonight, 2013
- ^ Perera, Loretta, "Gig review: James Hill – 'Ukulele... seriously'", Time Out Singapore, 19 August 2010
- ^ Scherer, Julie, "Turning the uke into an axe", Fairfax NZ News, 11 February 2013
- ^ Mackenzie, Dene, "Review: Ukulele Orchestra and James Hill thrill captivated audience", Otago Daily Times, 11 March 2013
- ^ Kennedy Center – James Hill
- ^ Bitter Sweet Music,Honolulu Star Advertiser 2010
- ^ Ukulele Festival of Great Britain 2013 Line Up
- ^ James Hill, pp. 30–34, Ukulele Issue 2, Spring 2013 Archived 2013年4月7日, at the Wayback Machine.
- ^ 2009 Canadian Folk Music Awards
- ^ Roots & Traditional Album of the Year – Solo, Juno Awards.
- ^ Tetanish, Raissa, "Brookfield musicians bringing their sounds home" Archived 2013年6月30日, at Archive.is, Truro Daily News, 24 April 2013
- ^ “ファンタジー・フォー・ウクレレ”. 国立国会図書館. 2017年1月20日閲覧。