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鄭欽文

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェン・チンウェンから転送)
鄭欽文
Zheng Qinwen
2023年全米オープン
基本情報
国籍 中華人民共和国の旗 中国
出身地 湖北省十堰市
生年月日 (2002-10-08) 2002年10月8日(22歳)
身長 178cm
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
ツアー通算 5勝
シングルス 5勝
ダブルス 0勝
生涯獲得賞金 8,311,577 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 準優勝(2024)
全仏 4回戦(2022)
全英 3回戦(2022)
全米 ベスト8(2023・24)
4大大会最高成績・ダブルス
全英 1回戦(2022)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 5位 (2024年11月11日)
ダブルス 724位 (2020年10月26日)
獲得メダル
女子 テニス
オリンピック
2024 パリ シングルス
2024年11月11日現在

鄭欽文(てい・きんぶん、ジェン・チンウェン、簡体字: 郑钦文; 拼音: Zhèng Qīnwén, 英語: Zheng Qinwen2002年10月8日 - )は、中国湖北省十堰市出身の女子プロテニス選手。これまでにWTAツアーでシングルス5勝を挙げている。身長178cm、右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。自己最高ランキングはシングルス5位、ダブルス724位。

2024年パリオリンピック女子シングルス金メダリスト。2024年全豪オープン女子シングルス準優勝。2024年WTAファイナルズ準優勝。

経歴

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アマチュア経歴

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2002年に湖北省十堰市に生まれ、7歳の時にテニスを始めた[1]。8歳の時に練習のために武漢市に移ると[1][2]、11歳の時に北京市に移り、カルロス・ロドリゲスのもとで練習した。鄭欽文のあこがれの選手は李娜であり、カルロス・ロドリゲスは李娜の元コーチである。2019年に母親とともにスペインのバルセロナに移った[1][2]。2021年にはペレ・リバをコーチに据えた[3]

プロ経歴

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2021年

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2021年7月、パレルモ国際WTAツアーデビューし、1回戦では第2シードのリュドミラ・サムソノワ英語版を破った[4]

2022年

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2022年1月のメルボルン・サマーセットでは、1回戦で本玉真唯、2回戦でベラ・ズボナレワ、準々決勝でアナ・コニュを破り[5]、準決勝で第2シードのシモナ・ハレプに敗れたが、WTAツアーで初めてベスト4となった[6]2022年全豪オープンでは初めてグランドスラム本選に出場し[7][8]、1回戦ではアリャクサンドラ・サスノビッチを破ったが[9]、2回戦で第5シードのマリア・サッカリに敗れた[10]

2022年全仏オープンでは、1回戦でマリナ・ザネフスカ英語版を破り[11]、2回戦で第19シードのシモナ・ハレプを破ると[12]、3回戦はアリーゼ・コルネの危険で4回戦に進出した。4回戦では第1シードのイガ・シフィオンテクに敗れたが、月経痛が影響したと語っている[13]。1週間後のバレンシア国際オープンではWTA 125で初優勝を飾り、世界ランキング46位となってトップ50に入った。

2022年ウィンブルドン選手権では、1回戦でスローン・スティーブンス[14]、2回戦でグリート・ミネン英語版を破ったが、3回戦では最終的に優勝したエレナ・リバキナに敗れた。8月の行われたWTA1000トーナメントナショナル・バンク・オープンでは、2回戦で第5シードのオンス・ジャバーを、3回戦でビアンカ・アンドレースクを破り、準々決勝で第14シードのカロリナ・プリスコバに敗れたものの、WTAランキングでは初のトップ10入りを果たした。

2022年全米オープンでは、1回戦でエレーナ・オスタペンコを、2回戦でアナスタシア・ポタポワ英語版を破り、3回戦でジュール・ニーマイヤー英語版に敗れた。9月に日本で開催された東レ パン・パシフィック・オープンでは、2回戦で第1シードのパウラ・バドサを破り、決勝でリュドミラ・サムソノワ英語版に敗れたものの、初めてWTAツアー決勝に進出した中国の10代選手となった。また、9月26日にはWTAランキング28位となってトップ30入りを果たした[15]。2022年シーズン終了後の12月にはWTA年間最優秀新人選手賞を受賞した。

2023年

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2023年全豪オープンには第29シードとして出場し、2回戦でベルナルダ・ペラ英語版に敗れた。5月のイタリア国際では、1回戦でアリーゼ・コルネ、2回戦でアンナ・ボンダール英語版、4回戦で同胞のワン・シユ英語版を破り、クレーコート大会で初めてベスト8となった。WTAランキングでは19位となってトップ20入りし、トップ20入りした5人目の中国人選手となった[16][17]2023年全仏オープンには第19シードとして出場し、1回戦でタマラ・ジダンシェクを破ったが、2回戦でユリア・プチンツェワに敗れた。

7月のパレルモ国際には第2シードとして出場し、地元のサラ・エラーニをダブルベーグル(6-0、6-0)で破ると、準々決勝で第7シードのエマ・ナヴァッロ、準決勝で第3シードのマヤル・シェリフ英語版、決勝で第5シードのジャスミン・パオリーニを破り、WTAツアーで初優勝した[18]

2023年全米オープンには第23シードとして出場し、1回戦でナディア・ポドロスカ、2回戦でカイア・カネピ、3回戦でルシア・ブロンゼッティを破ると、4回戦では前回大会準優勝者で第5シードのオンス・ジャバーを破った。準々決勝では最終的に準優勝したアリーナ・サバレンカに敗れたが、グランドスラムで初めてベスト8となった[19]。9月のアジア競技大会女子シングルスでは金メダルを獲得した[20]

10月には母国開催の鄭州オープン英語版に出場し、決勝では第7シードのバルボラ・クレイチコバを破り、2度目のWTAツアー優勝を果たした[21][22]。10月末にはWTAエリート・トロフィーに出場し、準決勝では同胞の朱琳英語版を破ったが[23]、決勝でベアトリス・ハダッド・マイアに敗れて準優勝だった。2023年シーズン終了後の12月には WTA最も上達した選手賞を受賞した。

2024年

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2024年全豪オープンに第12シードとして出場すると、1回戦でアシュリン・クルーガー英語版、2回戦でケイティ・ボウルター英語版、3回戦で同胞の王雅繁英語版、4回戦でオセアン・ドディン英語版、準々決勝でアンナ・カリンスカヤ英語版、準決勝でダヤナ・ヤストレムスカを破り、鄭潔李娜彭帥に次いでグランドスラムの準決勝に進出した4人目の中国人選手となった[24][25]。なお、準決勝までに勝利した6人はいずれもノーシードの選手である。決勝では第2シードのアリーナ・サバレンカに敗れたが、大会後にはWTAランキングでトップ10入りし、李娜に次いでトップ10入りした2人目の中国人選手となった[26]

全仏オープンは3回戦、ウィンブルドン選手権は1回戦敗退。それでも、ウィンブルドン直後のパレルモ国際では、決勝でカロリナ・ムホバを降し優勝した。そして挑んだ2024年パリオリンピックでは、エマ・ナバーロとの3回戦をマッチポイントをしのいで逆転勝ちすると、準決勝では全仏覇者にして世界ランキング1位のイガ・シフィオンテクを破り、決勝進出。決勝はドナ・ベキッチと対戦し、6-2, 6-3で勝利を収め、シングルスでは中国勢初となる五輪金メダルを獲得した[27][28]

WTAツアー決勝進出結果

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シングルス: 10回 (5勝5敗)

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大会グレード
グランドスラム (0–1)
WTAファイナルズ (0–1)
WTA1000トーナメント (0–1)
オリンピック (1–0)
WTAエリート・トロフィー (0–1)
WTA500トーナメント (2–1)
WTA250トーナメント (2–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2022年9月25日 日本の旗 東京 ハード ロシアの旗 リュドミラ・サムソノワ 5-7, 5-7
優勝 1. 2023年7月24日 イタリアの旗 パレルモ クレー イタリアの旗 ジャスミン・パオリーニ 6-4, 1-6, 6-1
優勝 2. 2023年10月15日 中華人民共和国の旗 鄭州 ハード チェコの旗 バルボラ・クレイチコバ 2-6, 6-2, 6-4
準優勝 2. 2023年10月29日 中華人民共和国の旗 珠海 ハード ブラジルの旗 ベアトリス・ハダッド・マイア 6-7(11-13), 6-7(4-7)
準優勝 3. 2024年1月27日 オーストラリアの旗 全豪オープン ハード ベラルーシの旗 アリーナ・サバレンカ 3-6, 2-6
優勝 3. 2024年7月21日 イタリアの旗 パレルモ クレー チェコの旗 カロリナ・ムホバ 6-4, 4-6, 6-2
優勝 4. 2024年8月3日 フランスの旗 パリ五輪 クレー クロアチアの旗 ドナ・ベキッチ 6-2, 6-3
準優勝 4. 2024年10月13日 中華人民共和国の旗 武漢 ハード ベラルーシの旗 アリーナ・サバレンカ 3-6, 7-5, 3-6
優勝 5. 2024年10月27日 日本の旗 東京 ハード アメリカ合衆国の旗 ソフィア・ケニン 7-6(7-5), 6-3
準優勝 5. 2024年11月9日 サウジアラビアの旗 リヤド ハード (室内) アメリカ合衆国の旗 コリ・ガウフ 6-3, 4-6, 6-7(2-7)

4大大会成績

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略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

シングルス

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大会 2019 2020 2021 2022 2023 2024 通算成績
全豪オープン A A A 2R 2R F 8–3
全仏オープン A A A 4R 2R 3R 6–3
ウィンブルドン A NH A 3R 1R 1R 2–3
全米オープン A A A 3R QF QF 10–3

脚注

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  1. ^ a b c Futterman, Matthew (2023年9月5日). “Zheng Qinwen Is Coming Into Her Own”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2023/09/05/sports/tennis/us-open-zheng-qinwen-china.html 2024年1月25日閲覧。 
  2. ^ a b Fitzgerald, Matt (January 17, 2023). “Zheng Qinwen sprouts from a family's big sacrifice—and the little seed Li Na planted in her heart”. Tennis.com. January 25, 2023閲覧。
  3. ^ “Zheng Qinwen reuniting with coach Pere Riba for 2024”. WTA. (2023年12月3日). https://www.wtatennis.com/news/3805943/zheng-qinwen-reuniting-with-coach-pere-riba-for-2024 2024年1月25日閲覧。 
  4. ^ admin (19 July 2021). “18-y.o. Zheng Qinwen arrives on WTA Tour in style with Samsonova upset: Palermo Highlights”. WTA. 20 July 2021閲覧。
  5. ^ Melbourne 1: Zheng Qinwen beats Zvonareva in 3 sets for 1st WTA QF spot (video)”. WTA. 6 January 2022閲覧。
  6. ^ WTA Staff (8 January 2022). “Halep advances, injured Osaka withdraws at Melbourne 1”. WTA. 8 January 2022閲覧。
  7. ^ Baptiste, Zheng Qinwen, Bronzetti qualify for Australian Open”. WTA (January 14, 2022). January 19, 2022閲覧。
  8. ^ Introducing the 2022 Australian Open's Grand Slam debutantes”. 2024年5月30日閲覧。
  9. ^ Greg Garber (January 18, 2022). “Australian Open Day 3 order of play: Bencic, Anisimova to play; Barty in action”. WTA. January 19, 2022閲覧。
  10. ^ Osaka passes Brengle test at Australian Open; to face Anisimova next”. WTA (January 19, 2022). January 19, 2022閲覧。
  11. ^ Osaka's return to French Open ends in first round” (23 May 2022). 2024年5月30日閲覧。
  12. ^ Zheng Qinwen upends former champion Halep at French Open”. 2024年5月30日閲覧。
  13. ^ Menstrual cramps derail Chinese teen's French Open dream in loss to Swiatek”. CNN (31 May 2022). 2022年6月2日閲覧。
  14. ^ Tan prevails over Serena in three-hour Wimbledon opener”. WTA. 2024年5月30日閲覧。
  15. ^ Samsonova wins Tokyo, edges Zheng Qinwen for third title of 2022”. WTA. 2022年9月25日閲覧。
  16. ^ Ranking Reaction: Iga Swiatek kicks off 60th straight week at No. 1, Alcaraz returns to top spot”. 2024年5月30日閲覧。
  17. ^ Rankings Watch: Rybakina hits Top 5 for first time; Zheng makes Top 20 debut”. 2024年5月30日閲覧。
  18. ^ Zheng Qinwen beats Paolini in Palermo to capture first career title”. WTA. 25 January 2024閲覧。
  19. ^ Sabalenka sweeps into 4th Slam semi of 2023” (英語). ESPN.com (2023年9月6日). 2023年9月7日閲覧。
  20. ^ Kano, Shintaro (2023年9月29日). “Asian Games 2023: Zheng Qinwen wins women's tennis gold to secure Paris 2024 quota”. International Olympic Committee. https://olympics.com/en/news/asian-games-2023-tennis-women-singles 2024年1月25日閲覧。 
  21. ^ Zheng Qinwen triumphs on home soil to win Zhengzhou title”. Women's Tennis Association. 25 January 2024閲覧。
  22. ^ James Walker-Roberts (15 October 2023). “Zheng Qinwen says she 'wanted too much' after beating Barbora Krejcikova to win Zhengzhou Open”. eurosport.com. 25 January 2024閲覧。
  23. ^ Zheng Qinwen outlasts Zhu in Zhuhai; will face Haddad Maia in final”. WTA. 25 January 2024閲覧。
  24. ^ Comeback Queen: Zheng storms into semifinals”. ausopen.com. 24 January 2024閲覧。
  25. ^ Zheng Qinwen defeats Kalinskaya in three sets to make Australian Open semis”. WTA. 24 January 2024閲覧。
  26. ^ Rankings Watch: Zheng makes Top 10 debut; Mertens back to No.1 in doubles”. 2024年5月30日閲覧。
  27. ^ 鄭が中国勢初のシングルス金メダル獲得 パリ五輪テニス女子”. www.afpbb.com (2024年8月4日). 2024年8月24日閲覧。
  28. ^ “五輪=テニス女子で鄭欽文が金メダル、シングルスでは中国史上初”. Reuters. (2024年8月4日). https://jp.reuters.com/life/sports/C3D2SSJVMRPLXI2SWOPN2RNU2Q-2024-08-04/ 2024年8月24日閲覧。 

外部リンク

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