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ジェイムズ・オーレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェイムズ・オーレン
James Ohlen
職業 ゲームデザイナー
Arcanum Worlds創設者
著名な実績
公式サイト www.arcanumworlds.com
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ジェイムズ・オーレンは、コンピュータゲームゲームデザイナー。2018年にパブリッシング会社Arcanum Worldsを立ち上げる前は、22年間勤めたバイオウェアのシニア・クリエイティブ・ディレクターだった。2019年、オーレンはウィザーズ・オブ・ザ・コースト傘下の新たな社内開発スタジオArchetype Entertainmentのリーダーとなり、同社の新たな知的財産とコンピュータゲームを開発することになった。

経歴

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オーレンは少年時代からTRPGダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)に親しんでおり、ダンジョンマスター(DM)[注 1]もこなしていた[注 2]、後にコミックショップの経営者となるが、同時にD&Dのキャンペーンをいくつも行った[3]。彼のキャンペーンは大人気で、キャンセル待ちができるほどだった[3]。バイオウェアの創業者レイ・ミュジカとグレッグ・ゼスチャックは、オーレンのD&Dのスキルを買って同社にスカウトした[4][注 3]。バイオウェアの初期の仕事には『Shattered Steel』のテストがあり、その後バイオウェアの名を知らしめたRPG『Baldur's Gate』(『BG1』)のリード・デザイナーとなった[3]。『BG1』の成功の結果、オーレンは同社のデザイン・ディレクターとなった。その後も『Baldur's Gate II: Shadows of Amn』(『BG2』)や『Neverwinter Nights』など、バイオウェアのD&D作品のリード・デザイナーを務めた。その後、『Star Wars: Knights of the Old Republic』(『SW:KotOR』)と『Dragon Age: Origins』でもデザインを担当した[5]

『BG1』の発売後のある日、オーレンはInterplayのプロデューサー、ダーモット・クラークから「バルダーズ・ゲートのキャラは、『FF7』のキャラほど深みがない」と言われ、実際『FF7』をプレイすると「なんてことだ、これに比べれば自分のキャラなどダンボールの切り抜きのようだ」と感じた。この体験が、『BG2』のキャラ造形により深みを持たせる事につながったという。オーレンはスクウェアのRPG手法は嫌っていたが、『クロノ・クロス』にインスパイアされた『SW:KotOR』など、その後も影響は受け続けていた[1]

2006年、オーレンはテキサス州オースティンに移り、ゴードン・ウォルトンとリッチ・ヴォーゲルと共にバイオウェアの新スタジオを設立した。そのスタジオはMMORPGゲーム『Star Wars: The Old Republic』の制作を担当した[6]

2018年、オーレンは22年間勤めたバイオウェアを退職し、自身の出版社であるArcanum Worldsを立ち上げた[7]。同社が最初に制作したのは『Odyssey of the Dragonlords』である[8]

ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(WotC)は、新しい知的財産(IP)を開発するため、2019年4月にオースティンを拠点とする新スタジオを設立すると発表し、そのリーダーにオーレンを抜擢した。オーレンは「このオファーは見逃すには惜しいものであり、これは90年代や00年代初期の古き良き時代のように、私にとって個人的なプロジェクトに取り組む機会に他ならない。」と語っている[9]。2020年1月までに、WotCはスタジオの名称を「Archetype Entertainment」とし、同じく元バイオウェアのチャド・ロバートソンが副社長兼ゼネラルマネージャーに就任したことを明らかにした[10]。その一月後、同じくバイオウェアの元メンバーであるドリュー・カーピシンが、リード・ライターとして同社に加わった[11]。Arcanum Worldsについては、同社で開発したIPは使用しないとしながらも、会社自体は継続された[12]

関係作品

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リード・デザイナー/クリエイティヴ・ディレクター

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その他

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脚注

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注釈

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  1. ^ TRPGで、シナリオセッティングやゲームを取り仕切るゲームマスターという存在がいるが、作品によって独自の名称であることも多く、D&Dにおいては「ダンジョンマスター」と呼ばれる。
  2. ^ 『BG1』に登場する「ミンスク」とハムスター「ブー」の人気コンビや、厄介なメイジの「エドウィン」、『BG2』の敵役「ジョン・イレニカス」などのキャラは、かつてオーレンが友人達と行っていたD&Dのセッションから生まれたものを流用した[1][2]
  3. ^ 当時バイオウェアは、D&Dのライセンスを取得してそのルールに沿ったゲームを作ろうとしていたが、バイオウェアにD&Dに明るい人物がほぼいなかったため、DMとして名の知れたオーレンに白羽の矢が立った形。

出典

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  1. ^ a b If Anthem is the "anti-BioWare game", then James Ohlen is correcting the balance”. Rock, Paper, Shotgun (2023年10月9日). 2024年2月7日閲覧。
  2. ^ 'Baldur's Gate' 20 Years Later: Beamdog Describe Classic RPG's Journey, From High School to Nintendo Switch”. Newsweek (2019年10月16日). 2024年2月7日閲覧。
  3. ^ a b c d Bertz, Matt (12 July 2018). “Longtime BioWare Vet James Ohlen Retires From Games Industry”. GameInformer. https://www.gameinformer.com/2018/07/12/longtime-bioware-vet-james-ohlen-retires-from-games-industry 
  4. ^ “BioWare Bets Big With The Old Republic”. Fast Company. (19 November 2011). https://www.fastcompany.com/1793534/bioware-bets-big-old-republic 
  5. ^ (November 4, 2008). "New 'Star Wars' online game is 4-millennium rewind", Chicago Tribune, p. 32.
  6. ^ “Bioware Opens Austin MMORPG Studio”. IGN. (13 March 2006). https://www.ign.com/articles/2006/03/13/bioware-opens-austin-mmorpg-studio 
  7. ^ Moon, Mariella (13 July 2018). “'Baldur's Gate' designer James Ohlen leaves BioWare after 22 years”. Engadget. https://www.engadget.com/2018/07/13/baldurs-gate-james-ohlen-bioware-departure/ 
  8. ^ Lanier, Liz (13 July 2018). “James Ohlen Retires From BioWare, Working on Dungeons and Dragons Book”. Variety. https://variety.com/2018/gaming/news/james-ohlen-retires-bioware-new-dungeons-and-dragons-book-1202872662/ 
  9. ^ Sinclair, Brendan (April 24, 2019). “James Ohlen joins Wizards of the Coast”. GamesIndustry.biz. February 13, 2020閲覧。
  10. ^ Wales, Matt (January 31, 2020). “Ex-BioWare vets working on story-driven sci-fi game at new Wizards of the Coast studio”. Eurogamer. February 13, 2020閲覧。
  11. ^ Wales, Matt (February 12, 2020). “Mass Effect lead writer Drew Karpyshyn joins ex-BioWare vets' new Wizards of the Coast studio”. Eurogamer. February 12, 2020閲覧。
  12. ^ Wilson, Jason (April 24, 2019). “Wizards of the Coast taps Baldur's Gate, Star Wars: Knights of the Old Republic designer James Ohlen for new studio”. Venture Beat. February 13, 2020閲覧。
  13. ^ a b c d e Purchese, Robert (13 July 2018). “Decorated designer James Ohlen retires from BioWare after 22 years”. Eurogamer. https://www.eurogamer.net/articles/2018-07-13-decorated-designer-james-ohlen-retires-from-bioware-after-22-years 
  14. ^ Dammes, Matthias (4 November 2017). “Report: Ist Bioware wirklich noch Bioware?” (ドイツ語). PC Games. http://www.pcgames.de/Bioware-Firma-15280/Specials/Report-Ist-Bioware-wirklich-noch-Bioware-1225127/ 
  15. ^ “New 'Star Wars The Old Republic' Expansion: Free Trial Of Prequel Story Live”. Inquisitr. (17 July 2016). https://www.inquisitr.com/3316865/new-star-wars-the-old-republic-expansion-free-trial-of-prequel-story-live/ 
  16. ^ a b “BioWare's James Ohlen Talks Game Design”. Game Banshee. (23 May 2017). http://www.gamebanshee.com/news/118971-bioware-s-james-ohlen-talks-game-design.html 
  17. ^ Donnelly, Joe (24 July 2018). “If Anthem doesn't succeed, it won't be the end of BioWare, thinks ex-studio designer”. PC Gamer. https://www.pcgamer.com/if-anthem-doesnt-succeed-it-wont-be-the-end-of-bioware-thinks-ex-studio-designer/ 
  18. ^ An Important Update on Shadow Realms”. February 10, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。February 10, 2015閲覧。

外部リンク

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