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ジェイク・サリバン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェイク・サリバン
Jacob Sullivan
生年月日 (1976-11-28) 1976年11月28日(48歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 バーモント州バーリントン
出身校 イェール大学BA法務博士(専門職)
オックスフォード大学モードリン・カレッジ研究修士
所属政党 民主党
配偶者 マーガレット・グッドランダー
(2015年6月 - )
子女 無し

在任期間 2021年1月20日 - 現職
大統領 ジョー・バイデン

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
国家安全保障問題担当副大統領補佐官
在任期間 2013年2月26日 - 2014年8月1日
大統領
副大統領
バラク・オバマ
ジョー・バイデン

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
第26代政策企画本部長
在任期間 2011年2月4日 - 2013年2月15日
大統領 バラク・オバマ
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ジェイコブ・ジェレマイア・サリバン英語: Jacob Jeremiah Sullivan1976年11月28日 - )は、アメリカ合衆国の政治家、法律家、外交官。2020年11月の大統領選挙バイデンが当選した後、2021年1月より同国の第29代国家安全保障問題担当大統領補佐官に就任した。

経歴

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1976年11月28日にバーモント州バーリントンで誕生し、ミネソタ州ミネアポリスで育った[1][2]。父はスター・トリビューンで働き、ミネソタ大学スクール・オブ・ジャーナリズム&マス・コミュニケーション英語版の教授を務めていた。母は高校のガイダンスカウンセラーだった[1]

イェール大学で学んで政治学の学位を取得し[2]、その後イギリスオックスフォード大学マグダレン・カレッジで学んで国際関係学の修士号を取得した[2][3]。さらにイェール・ロー・スクールで学んで2003年法務博士号を取得した[2][3]

学業を終えた後はミネソタに戻って法律事務所のフェ―ガー&ベンソン英語版に勤務する弁護士となり[2]、またセント・トマス大学ロースクール英語版非常勤教授[4]として活動した[5]

エイミー・クロブシャー上院議員の顧問弁護士となり、彼女の紹介でヒラリー・クリントンの知遇を得た[2][1]

2008年1月に実施された民主党大統領選予備選挙に出馬したヒラリー・クリントンの外交安保顧問を務め、公職に足を踏み入れた[5]。2009年1月に発足したヒラリー・クリントン国務長官で国務長官副補佐官に就任し[6][3]2011年2月からは政策企画本部長に就任した。なおサリバンは同職に就任した当時は34歳で、最年少での就任となった[2]。ヒラリーと一緒に112か国を回り[7]、2012年7月にはヒラリーの指示で秘密裏にオマーンに派遣され、後にイラン核合意として結実するイランとの核交渉を開始した[1]

2013年2月にヒラリーが国務長官を退任した後はジョー・バイデン副大統領の国家安全保障担当副大統領補佐官英語版に就任した[8]

2014年6月20日にニューヨークタイムズは、サリバンがイェール大学ロースクールで教鞭を執る為、同年8月に政権を離れると報じた[7]

2016年11月の大統領選挙ではヒラリー陣営の上級政策顧問を務めた[9]。ヒラリーが当選した場合はサリバンが国家安全保障担当大統領補佐官に有力視されていた[5]

2020年11月の大統領選挙にバイデンが当選すると、2021年1月に発足予定のバイデン政権の国家安全保障担当大統領補佐官に指名された。この人事に上院の承認は不要である[10]。サリバンはバイデンから政治と「最も大事な人間性について」学んだとして彼のことを賞賛している[10]。トランプ政権が離脱させたイラン核合意への復帰に意欲を示している[11]

中国について

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左からアントニー・ブリンケン国務長官、カマラ・ハリス副大統領、ジョー・バイデン大統領、ナンシー・マクエルドワニー英語版国家安全保障問題担当副大統領補佐官、サリバン国家安全保障担当大統領補佐官(2021年2月4日・国務省にて)。

中国に対しては強硬姿勢を示しており、12月2日には中国の経済報復を受けるオーストラリアについて「オーストラリア国民は世界の民主主義と自由を守るために多大な犠牲を払っている」・「アメリカは去る数十年間そうしてきたように同盟国であるオーストラリアおよび民主主義国家と共にする」と述べた[12]。12月8日には香港問題について「香港の民主活動家の逮捕や投獄に対して深く懸念している」・「香港の自由に対する中国の攻撃に我々は同盟国と結束して立ち向かい、迫害された者が安全な避難先を見つられるよう支援する」とツイートした[13][12]。政治メディア「ポリティコ」のインタビューにおいても、バイデン政権の国家安全保障会議(NSC)の主要問題は、新型コロナウイルスの対応と並んで中国問題になるだろうと述べている[12]

2021年1月20日のジョー・バイデンの大統領就任と共に国家安全保障問題担当大統領補佐官に就任し、1月29日に「中国に対し、新疆ウイグル自治区や香港での振る舞いや台湾への敵意や脅迫への対価を払わせ、行動をとる準備をすべきだ。」と演説し、中国に厳然とした対応を取っていくことを強調した[14]。2月4日にドイツ駐留アメリカ軍を約1万2000人削減するとのトランプ前大統領の計画を中止することとサウジアラビア主導のイエメンでの軍事攻撃へのアメリカの支援を終了することを発表した。サリバンは「これがバイデン氏の選挙戦での公約で、バイデン氏が公約を守ることになる。」と説明した[15]

2月21日にCBS(アメリカ)のインタビューにおいて、世界保健機関(WHO)の国際調査団が進めている新型コロナウイルスの発生源などの調査について「中国が十分なデータを提供していない」・「このパンデミックで何が起きたかを知るには科学的な調査しかない。だが、中国政府からの情報には透明性が欠けている」と批判した上で「正確な発生源を突き止めるには、WHOがやるべきことがまだたくさんある」と調査を徹底するようWHOに要求した[16]

2024年8月に中国を訪問。王毅(共産党中央政治局委員・中央外事工作委員会弁公室主任)と会談し、新たな戦略的意思疎通の開始を歓迎された[17]一方、中国軍制服組トップである張又侠(中央軍事委員会副主席)と会談では、アメリカと台湾の関係について牽制を受けている[18]

家族

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2015年6月にマーガレット・グッドランダーと結婚した[19]。なお2人の間に子供はいない。

脚注

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  1. ^ a b c d Gihring, Tim (February 9, 2016). “'We just go to Jake': How a Southwest High grad became Hillary Clinton's go-to guy”. MinnPost. November 12, 2020時点のオリジナルよりアーカイブNovember 16, 2020閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Bertrand, Natasha (2020年11月27日). “The inexorable rise of Jake Sullivan” (英語). Politico. https://www.politico.com/news/2020/11/27/jake-sullivan-biden-national-security-440814 2020年11月28日閲覧。 
  3. ^ a b c “Jake Sullivan” (英語). ワシントンポスト. (July 23, 2012). https://web.archive.org/web/20121201142759/http://www.washingtonpost.com/politics/jake-sullivan/gIQAqUNqAP_topic.html 2020年12月20日閲覧。 
  4. ^ Henry, David (November 27, 2013). “Jake Sullivan: Minneapolis Native Among Those to Hatch Iranian Nuclear Deal”. MinnPost. オリジナルのDecember 25, 2013時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131225135953/http://www.minnpost.com/dc-dispatches/2013/11/jake-sullivan-minneapolis-native-among-those-hatch-iranian-nuclear-deal December 24, 2013閲覧。 
  5. ^ a b c “バイデン氏が政権担当時の米国務長官指名したブリンケン氏、「北朝鮮制裁解除は核廃棄が先決」主張” (日本語). 東亜日報. (2020年11月24日). https://www.donga.com/jp/Search/article/all/20201124/2250262/1/ 2020年12月19日閲覧。 
  6. ^ Nather, David (2015年4月14日). “Clinton names top 3 wonks for campaign” (英語). https://www.politico.com/story/2015/04/clinton-names-top-three-wonks-for-campaign-116975 2020年11月28日閲覧。 
  7. ^ a b Landler, Mark (June 20, 2014). “Biden Adviser Leaving Washington, but It May Not Be for Long”. The New York Times. オリジナルのAugust 16, 2018時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180816210449/https://www.nytimes.com/2014/06/21/us/for-departing-biden-aide-and-clinton-confidant-another-political-choice-looms.html?_r=1 December 11, 2016閲覧. "he was one of Hillary Rodham Clinton’s closest advisers, at her side in all 112 countries she visited as secretary of state." 
  8. ^ "Vice President Biden Announces Jake Sullivan as New National Security Advisor" (Press release). ホワイトハウス副大統領府英語版. 26 February 2013. 2013年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月24日閲覧
  9. ^ “バイデン氏、外交面の主要人事発表 国務長官にブリンケン氏” (日本語). ロイター. (2020年11月24日). https://jp.reuters.com/article/usa-election-idJPKBN2832MG 2020年12月19日閲覧。 
  10. ^ a b “バイデン氏 「アメリカは戻った」 閣僚ら主要6人事発表” (日本語). BBC. (2020年11月25日). https://www.bbc.com/japanese/55067896 2020年12月19日閲覧。 
  11. ^ “次期米大統領補佐官、イラン核合意復帰に意欲 国家安全保障問題担当のジェイク・サリバン氏” (日本語). ウォールストリートジャーナル. (2020年11月25日). https://jp.wsj.com/articles/SB11337479942064503444304587146133342001336 2020年12月19日閲覧。 
  12. ^ a b c “バイデン次期政権の国家安全保障補佐官、香港情勢に「深い懸念」” (日本語). 東亜日報. (2020年12月10日). https://www.donga.com/jp/article/all/20201210/2269303/1/ 2020年12月25日閲覧。 
  13. ^ “バイデン氏の国家安全保障補佐官、香港情勢に「深い懸念」” (日本語). ロイター. (2020年12月9日). https://jp.reuters.com/article/hongkong-security-arrests-sullivan-idJPKBN28I35N 2020年12月25日閲覧。 
  14. ^ “【バイデン新政権】サリバン補佐官、中国に「ウイグルや香港、台湾の対価を支払わせる」と強調” (日本語). 産経新聞. (2021年1月30日). https://www.sankei.com/article/20210130-KR6YV3B56JJ6LPJDQGZYP7NMGU/ 2021年1月30日閲覧。 
  15. ^ “バイデン氏、ドイツ駐留米軍削減計画を凍結へ 補佐官” (日本語). フランス通信. (2021年2月5日). https://www.afpbb.com/articles/-/3330180 2021年2月5日閲覧。 
  16. ^ “「中国が十分なデータ提供せず」米大統領補佐官、WHOにコロナ発生源調査の徹底要求” (日本語). 読売新聞. (2021年2月22日) 2021年2月28日閲覧。
  17. ^ 中米両国、北京で新たな戦略的意思疎通を開始”. AFP (2024年8月28日). 2024年8月29日閲覧。
  18. ^ 中国制服組トップ、米高官に警告「台湾との軍事的共謀やめよ」”. AFP (2024年8月29日). 2024年8月28日閲覧。
  19. ^ 妻のマーガレット・マギー・グッドランダー:国家安全保障担当補佐官に関する10の事実

外部リンク

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公職
先代
ロバート・オブライエン
アメリカ合衆国の旗 国家安全保障問題担当大統領補佐官
2021年1月20日 -
次代
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