シンフォニック=レイン
シンフォニック=レイン symphonic rain | |
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ジャンル | ミュージックアクションゲーム |
ゲーム | |
対応機種 | Windows 98/98 SE/2000/Me/XP Windows 7/8/10,Nintendo Switch(HDリマスター版) |
開発元 | 工画堂スタジオ |
発売元 | 工画堂スタジオ 光譜資訊 韓国富士通 |
キャラクターデザイン | しろ |
メディア | DVD-ROM x1 CD-ROM x2(CD-ROM版) ダウンロード(HDリマスター版) |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2004年3月26日 2004年11月11日 2005年5月25日 2005年6月24日(愛蔵版) 2005年12月22日(愛蔵版) 2007年9月18日(愛蔵版,ダウンロード版) 2007年11月22日(普及版) 2017年6月15日(HDリマスター版) 2018年12月13日(HDリマスター Switch版) 2021年4月23日(新普及版) |
レイティング | 全年齢 |
キャラクター名設定 | 不可 |
エンディング数 | 9 |
セーブファイル数 | 99 |
コンティニュー | あり(ミュージックアクションパート) |
画面サイズ | 640×480, 1280×720(HDリマスター版) |
全画面表示モード | あり |
音楽フォーマット | リニアPCM OKI ADPCM(ミュージックアクションパート) |
キャラクターボイス | あり |
テンプレート - ノート |
『シンフォニック=レイン』(symphonic rain)は、2004年3月26日に工画堂スタジオくろねこさんちーむより発売された全年齢対象パソコンゲームである。かつて工画堂スタジオが開設していたモバイルサイト「エンジェリックタウン」(運営:オペラハウス/丸紅テレコム)でもプレイが可能であった。
概要
[編集]音楽を担当した岡崎律子の『Ma memoire』からプロデューサーの貝阿弥範明が着想を得て企画された。工画堂スタジオウェブサイト内愛蔵版の紹介ページではコアと表現されるなど岡崎の音楽から強い影響を受けている。また、発売直後に亡くなった岡崎にとって遺作ともいえる作品である。愛蔵版の特典CDの記述や時期的な観点から明らかだが、曲は闘病生活中に作られている。
架空の楽器「フォルテール」をキーボード上で演奏するミュージックアクションパートがあるため、『エンジェリック・コンサート』、『AS~エンジェリックセレナーデ』に続く工画堂スタジオミュージックアドベンチャーシリーズ第三弾とされる。しかしながら、ミュージックアクションパートは設定でスキップさせることも可能なので音楽ゲームとしての要素は薄い。 むしろ、丁寧に伏線が張られた西川真音によるシナリオ、落ち着いた色調のしろの手になる原画、キャラクターの心情を丁寧に表現した音楽、これらの要素の融合が特徴である。
歴史
[編集]- 2003年12月28日 -『シンフォニック=レイン Prelude Book&Disc』発売。
- 2004年2月5日 - 『シンフォニック=レイン』公式サイト公開。
- 2004年3月26日 - 『シンフォニック=レイン』(DVD初回版、DVD通常版、CD-ROM版)発売。
- 2004年5月26日 - キャラクターソングアルバム『RAINBOW』発売。
- 2004年8月26日 - 『シンフォニック=レイン デジタルピクチャーコレクション』発売。
- 2004年12月29日 - 音楽を手がけた岡崎律子のキャラクターソングセルフカバーアルバム『for RITZ』発売。
- 2005年6月24日 - 『シンフォニック=レイン愛蔵版』発売。
- 2007年11月22日 - 『シンフォニック=レイン普及版』発売。
- 2017年6月15日 - 『シンフォニック=レイン HDリマスター版』Steamにてダウンロード販売開始。
- 2018年12月13日 - 『シンフォニック=レイン』Nintendo Switchにてダウンロード販売開始。
- 2021年4月23日 - 『シンフォニック=レイン新普及版』発売。
ストーリー
[編集]一年中雨が降る街ピオーヴァ。フォルテニストになるべくそこの音楽学校に通う主人公は、卒業まで数ヶ月なのに卒業演奏のパートナーが決まっていなかった。主人公は無事にパートナーを探しだし卒業演奏を成功させることが出来るだろうか、それとも…
登場キャラクター
[編集]キャラクター名の多くはイタリア語からつけられた(ただし、ゲームを終えるまで辞書等で意味を調べるのは避けた方がよい)。また、この作品ではクリスマスをナターレと呼ぶなどイタリア語を使っていることが多い。
メインキャラクター
[編集]- クリス・ヴェルティン (Chris Velding)
- 17歳の男の子で主人公。フォルテニストになるために故郷を出て一人暮らしをしながらピオーヴァ音楽学院に通っている。人付き合いがあまり好きではなく、トルタとアーシノ以外の友人がいない。かなりマイペースな性格。卒業演奏に対してもあまり意欲を示していない。フォルテール科3年生。すばらしい才能の持ち主。
- アリエッタ・フィーネ (Arietta Fine)
- 愛称アル。17歳の女の子でクリスの恋人。クリスとは長距離恋愛中で手紙のやりとりをしている。トルタの双子の姉。
- トルティニタ・フィーネ (Tortinita Fine)
- 愛称トルタ。ピオーヴァ音楽学院声楽科に在籍する17歳(3年生)の女の子。アルの双子の妹。クリスのパートナー探しを手伝う。
- フォーニ (Phorni)
- 音の妖精。クリスの住むアパートで暮らしている。身長約14センチ。なぜかクリス以外の人には姿が見えない。歌うことが大好きで、ことあるごとにクリスにアンサンブルをせがむ。
- ファルシータ・フォーセット (Falsita Fawcett)
- 愛称ファル。元生徒会会長で音楽学院声楽科に在籍する17歳(3年生)の女の子。おしとやかで誰にでも優しい優等生。
- リセルシア・チェザリーニ (Liselsia Cesarini)
- 愛称リセ。フォルテール科に在籍する15歳(1年生)の女の子。非常に寡黙で、周りから避けられることが多く、普段は人のいない旧校舎にいることが多い。
サブキャラクター
[編集]- コーデル・ベルドナーシェ (Cordell Berdonashe)
- ピオーヴァ音楽学院のフォルテール科の教師。クリスとアーシノを教えている。
- アーシノ・アルティエーレ (Asino Altiele)
- 唯一のクリスの男友人。フォルテール科の同級生。
- ニンナ・フィーネ (Ninna Fine)
- フィーネ姉妹の祖母。とても心優しい人。ピオーヴァに暮らす。目がほとんど見えず、足も悪い。トルタと同居している。トルタの数少ない理解者である。
- グラーヴェ・チェザリーニ (Grave Cesarini)
- リセの父親。高名な音楽家でフォルテール奏者。嫌な意味で貴族らしい性格。音楽に対してとても厳しく、彼の講義を受けることの出来る生徒を自ら選ぶが毎年、ほとんどの人間が受けられない。
サイドストーリー
[編集]オリジナルノベルが様々な媒体で多数発表されている。それぞれ本編を補完する内容であり、物語の核心に触れるものも含まれている。そのため「プレリュード」など一部を除き、公式サイトやマニュアル上では全てのエンディングを迎えてから読む事が勧められている[1]。
- プレリュード
- 本編のプロローグ。『Arietta』『Tortinita』『Falsita』『Liselsia』『Phorni』の全五話。
- Prelude Book&Disc、公式サイトにて公開。
- 雨の始まり
- アリエッタ視点での本編の前日譚。
- デジタルピクチャーコレクション、「愛蔵版」、新旧「普及版」に収録。
- いかさまコイン
- リセルシア、ファルシータ視点でのメインシナリオの後日談。
- デジタルピクチャーコレクション、「愛蔵版」、新旧「普及版」に収録。
- 妖精の本
- ピオーヴァに移る以前のクリス、アリエッタ、トルティニタの過去にまつわる物語。
- デジタルピクチャーコレクション、「愛蔵版」、新旧「普及版」に収録。
- こんな空の下で
- リセルシアシナリオの後日談。
- 同名同人誌、新旧「普及版」に収録。
- 愚かな詩人
- アーシノ視点での本編の前日譚。
- 「愛蔵版」、新旧「普及版」に収録。
- 飛べない妖精
- アリエッタが愛読した小説。
- 「愛蔵版」同梱絵本『妖精の本』に収録。
- 三人目のマリア
- アーシノを中心としたメインシナリオ中の出来事。
- エンジェルアソート3、新旧「普及版」に収録。
- 猫と妖精と、時々雨
- フォーニを中心としたメインシナリオ中の出来事。
- 同名同人誌、新旧「普及版」に収録。
- To Coda
- サイドストーリーを含めたメインシナリオの後日談。
- 同人誌『雨の終わりに』に収録。
- Encore
- メインシナリオから15年後の物語。
- 「HDリマスター版」のDLカード版付属冊子に収録。
反響
[編集]2024年のインタビューで、発売直後は売れ行きも反響もあまり良いものではなかったが、最後までプレイした人からの評価は高い。反響が広まり、工画堂スタジオ内でトップクラスの売り上げへと伸びたと述べられている。[2]
関連商品
[編集]PCソフト
[編集]- シンフォニック=レイン Prelude Book&Disc(2003年12月28日、KGDP045)
- シンフォニック=レイン デジタルピクチャーコレクション(2004年8月13日、KGDP056)
- 『エンジェルアソート』シリーズ
- Vol.1(2003年12月28日、KGDP044)
- Vol.2(2004年12月29日、KGDP059)
- Vol.3(2005年12月29日、KGDP73)
- Vol.4(2006年12月29日、KGD-067722)
- Vol.5(2007年12月29日、KGD-078728)
- 工画堂スタジオ作品のファンディスク。ミュージックアクションパートで使用可能な追加楽曲プラグイン、PC用壁紙などを収録。Vol.3のみ短編サイドストーリー『三人目のマリア』を収録。
CD
[編集]- シンフォニック=レイン ボーカルアルバム『RAINBOW』(2004年5月26日、KICA-642)
- 岡崎律子オリジナルアルバム『for RITZ』(2004年12月29日、KICS-1089)
- 収録曲についてはfor RITZ#収録曲を参照
- オープニングテーマ、『RAINBOW』収録楽曲のセルフカバーなどを収録。
公式同人誌
[編集]- こんな空の下で(whitepaper発行、2004年4月29日初版)
- 猫と妖精と、時々雨(工画堂スタジオ発行、2007年8月17日初版)
- 『雨の終わりに』Symphonic Rain Comic Anthology (工画堂スタジオ発行、2007年12月29日初版)
スタッフ
[編集]関連作品
[編集]カラーフェード
[編集]カラーフェード(COLORS FADE)は、工画堂スタジオにより2009年に発売されたオリジナルノベルである。テキスト:西川真音、イラスト:しろ、2009年12月29日初版。
概要
[編集]シンフォニック=レインのシナリオライター、イラストレーターコンビの再結成作として告知、執筆された。同コンビの作品はこれ以前にもビジュアルノベルのオリジナル作品が存在したが、前作が独立した作品として扱われているのに対して、今作はシンフォニック=レイン関連作としてカテゴライズされている[3](本編とストーリーの繋がりはない)。2009年12月に開催されたイベント「コミックマーケット77」で初めて販売された。ジャケットイラストテレカを同梱したセット版、書籍単品版の2形態で提供されている。
脚注
[編集]- ^ シンフォニック=レイン 普及版 工画堂スタジオ 2018年03月20日閲覧
- ^ 竹中プレジデント (2024年9月17日). “発売当初は売上最悪だったギャルゲー『シンフォニック=レイン』は、なぜ発売から20年経っても愛され続けているのか。「当時の流行りではない絵柄を採用」「裏表のあるヒロインで暗いテーマを描く」──20年の時を超えて制作陣が明かす“作品誕生の舞台裏””. 電ファミニコゲーマー – ゲームの面白い記事読んでみない?. 2024年9月22日閲覧。
- ^ カラーフェード オムニショップ 2018年03月20日閲覧
外部リンク
[編集]関連項目
[編集]- 羊の方舟 - 本作と同じシナリオライター、原画家による作品。