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シロイワヤギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シロイワヤギ
シロイワヤギ
シロイワヤギ Oreamnos americanus
保全状況評価[a 1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウシ目 Artiodactyla
亜目 : ウシ亜目 Ruminantia
: ウシ科 Bovidae
亜科 : ヤギ亜科 Caprinae
: シロイワヤギ属 Oreamnos
Rafinesque, 1817
: シロイワヤギ O. americanus
学名
Oreamnos americanus
(Blainville, 1816)
和名
シロイワヤギ
英名
Mountain goat
Rocky Mountain goat
White goat

シロイワヤギOreamnos americanus、白岩山羊[1])は、哺乳綱ウシ目(偶蹄目)ウシ科シロイワヤギ属に分類される偶蹄類。別名シロカモシカマウンテンゴート。本種のみでシロイワヤギ属を構成する。

分布

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アメリカ合衆国カナダロッキー山脈周辺[2][3]

  • O. a. americanus カスケードシロイワヤギ

アメリカ合衆国(オレゴン州ワシントン州[3]

  • O. a. columbinae コロンビアシロイワヤギ

カナダ(ブリティッシュコロンビア州北部)[3]

  • O. a. kennedyi アラスカシロイワヤギ

アメリカ合衆国(アラスカ州南東部)[3]

  • O. a. missoulae モンタナシロイワヤギ

アメリカ合衆国(アイダホ州モンタナ州[3]

種小名americanusは「アメリカの」の意。

形態

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体長オス140-190センチメートル[3]。肩高オス90-114センチメートル[3]体重オス65-135キログラム[3]。下顎や頸部、肩、腰、臀部、前肢基部の体毛は伸長する[2][3]。全身の毛衣は黄白色[2][3]

は雌雄共に細く基部からわずかに後方へ向かい、先端が後方へ湾曲する[3]。角の断面は円形[3]。耳介は長く、先端が尖る[3]眼窩はあまり突出しない[3]。吻端の体毛で被われない板状の皮膚(鼻鏡)は小型[3]。四肢は頑丈[2][3]中手骨中足骨は短く幅広い[3]。角の後部に臭腺(後角腺)がある[3]

オスは角先端の湾曲が顕著[3]。乳頭の数は4個[3]

分類

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ヤギ亜科内では原始的な種で[2]シャモア属に近縁と考えられている[3]

  • Oreamnos americanus americanus(Blainville, 1816) カスケードシロイワヤギ
  • Oreamnos americanus columbinae コロンビアシロイワヤギ
  • Oreamnos americanus kennedyi アラスカシロイワヤギ
  • Oreamnos americanus missoulae モンタナシロイワヤギ

生態

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山地に生息し[3]、寒冷地では海岸にも生息する[2]。夏季になると標高の高い場所へ移動する[3]昼行性[3]。ペアもしくは小規模な群れを形成し生活する[3]。争うことは少ないが、冬季になると少ない食物をめぐり激しく争うこともある[2]。天敵にはハイイログマなどがいる[4]。捕食者に対しては鋭い角を使って抵抗し、ヨーホー国立公園では捕食を試みたとみられるハイイログマをシロイワヤギが返り討ちにして殺したとみられる事例がある。ハイイログマは体重70kgのやや小型の個体で、死んだ状態で見つかった。検視の結果、首や脇腹にシロイワヤギの角で刺されたとみられる傷が見つかった。傷の大きさや形がシロイワヤギの角に対応していたこととに加え、傷の位置関係がハイイログマの襲撃に対してシロイワヤギが反撃したときに生じるものと一致していたことから、このハイイログマはシロイワヤギを襲おうとして角で突き返されて死んだ可能性が高いと推定されている[4]

切り立ったを含めて山岳地帯を巧みに移動し、1日に標高差で数百メートル昇り降りする。の底は登山靴のようになっていての表面をしっかり捉えるほか、3メートルほど跳躍できる[5]

食性は植物食で、木のコケ植物地衣類などを食べる[3]塩分などミネラルを摂るため岩の表面を舐めることもある[5]

繁殖形態は胎生妊娠期間は178-180日[2][3]。1回に1-2頭(主に1頭)の幼獣を産む[3]

天敵として ピューマカナダオオヤマネコオオカミクマクズリがいる。

参考文献

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  1. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説”. コトバンク. 2018年3月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 今泉吉典監修、D.W.マクドナルド編『動物大百科4 大型草食獣』(平凡社1986年)145-146、148頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 今泉吉典監修『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』(東京動物園協会1988年)92-93頁。
  4. ^ a b Dvorsky, George「カナダの国立公園でシロイワヤギに殺されたハイイログマが発見される」『ギズモード』2021年9月27日。2023年1月20日閲覧。
  5. ^ a b ナショナルジオグラフィック】クリフ・ハンガー アメリカ『日本経済新聞』朝刊2020年4月5日(24面)

関連項目

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外部リンク

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  1. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • Festa-Bianchet, M. 2008. Oreamnos americanus. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1.