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シルベスターの行列式恒等式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

シルベスターの行列式恒等式(ーのぎょうれつしきこうとうしき、Sylvester's determinant identity)は、特定の種類の行列式を評価するのに役立つ恒等式である。

この恒等式は、1851年に証明なしにこの恒等式を述べたジェームズ・ジョセフ・シルベスターにちなんで名付けられた[1]

解説

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nn列の行列が与えられた場合、はその行列式を表し、次のようにペアを選択する。

m要素の順序付き部分集合(ただし、mn)の( nm )行( nm )列の部分行列を表す。行を削除することで得られ、補助mm列行列を定義するその要素は、次の行列式に等しい

このとき、のm−1個の要素の部分集合を表す。そして要素を削除することによって得られるのがである。

このとき、シルベスターの行列式の恒等式は次のように示される (Sylvester, 1851)。

m  = 2の場合、これはDesnanot-Jacobi 恒等式 (Jacobi、1851) となる。

脚注

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  1. ^ Sylvester, James Joseph (1851). “On the relation between the minor determinants of linearly equivalent quadratic functions”. Philosophical Magazine 1: 295–305. 

    Cited in Akritas, A. G.; Akritas, E. K.; Malaschonok, G. I. (1996). “Various proofs of Sylvester's (determinant) identity”. Mathematics and Computers in Simulation 42 (4–6): 585. doi:10.1016/S0378-4754(96)00035-3.