シリアル・コンピュータ
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シリアル・コンピュータ(英: serial computer)はビット=シリアル・アーキテクチャに代表されるコンピュータである – つまり、内部でクロック・サイクルごとに1つのビットまたは桁を処理する。音響もしくは磁歪遅延線、回転磁気装置などのシリアル主記憶装置を備えたマシンは通常、シリアル・コンピュータであった。またその加算器は直列加算器であった。
シリアル・コンピュータ(直列計算機)は、並列計算機に対して必要なハードウェアがはるかに少なかったが[1]、はるかに遅かった。(しかしながら) CPUのサイズが主な制約となるニッチな用途に対応できるソフト・マイクロプロセッサ[2]として利用されるシリアル・コンピュータの現代版もあるにはある。
シリアルではない最初のコンピュータ (最初の並列コンピュータ) は、1951年のWhirlwindであった。
シリアル・コンピュータはシリアル・コンピュータ形態のサブセットである、1ビット・アーキテクチャのコンピュータと同じである必要はない。シリアル・コンピュータはN-ビットのデータ幅で動作する一方、1ビット・コンピュータ命令は単一ビットから成るデータを処理するが、しかし一度に1ビットずつ実行する。
シリアル・マシン
[編集]- EDVAC (1949)
- BINAC (1949)
- SEAC (1950)
- UNIVAC I (1951)
- エリオット・ブラザーズ Elliott 152[要出典] (1954)
- Bendix G-15 (1956)
- LGP-30 (1956)[3]
- エリオット・ブラザーズ Elliott 803 (1958)
- ZEBRA (コンピュータ)[要出典] (1958)
- D-17B誘導コンピュータ (1962)
- PDP-8/S[4] (1966)
- ゼネラル・エレクトリック GE-PAC 4040プロセス制御コンピュータ
- F14 CADC (1970) – 全データはシリアル転送されたが、しかし内部では並列で多ビットを用いて処理していた[5]
- Kenbak-1 (1971)
- Datapoint 2200 (1971)[6]
- HP-35 (1972)
超並列マシン
[編集]初期の超並列マシンのほとんどは、次のような個々のシリアル・プロセッサから構築されていた:
- ICL分散アレイ・プロセッサ (1979)
- グッドイヤーMPP (1983)
- コネクションマシン
- CM-1 (1985)
- CM-2 (1987)
- MasPar MP-1 (1990) – 32ビットアーキテクチャ、内部では一度に4ビット処理[7]
- VIRAM1 コンピュテーショナルRAM (2003)
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ Automatic digital computers. Methuen Publishing Ltd / John Wiley & Sons, Inc.. (1956) 2012年6月6日閲覧。
- ^ “Bit-Serial: A bit-serial CPU written in VHDL, with a simulator written in C.”. Github Project: A Bit Serial CPU (2020年). 2022年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月28日閲覧。
- ^ Switching Theory – Volume 1: Combinational Circuits. 1 (Second printing, March 1966, of 1st ed.). John Wiley & Sons, Inc.. (1965). pp. 44–47. LCCN 65--14249
- ^ Nineteen Fifty-Seven to the Present (6 ed.). Maynard, Massachusetts, USA: Digital Equipment Corporation. (1978). p. 7. オリジナルの2022-03-02時点におけるアーカイブ。 2021年2月6日閲覧。 (1+viii+87+3 pages)
- ^ This paper describes the architecture of the CPU and Memory for the Central Air Data Computer (CADC) System used in the Grumman/Navy F14A carrier-based fighter aircraft.. (1971). pp. 5, 7. AP1-26-97. オリジナルの2017-11-04時点におけるアーカイブ。 2017年11月4日閲覧. "[…] the processor was designed to transfer data serially throughout the entire system. […] The Parallel Multiplier Unit […] by means of a parallel algorithm […]" (26 pages)
- ^ “The Texas Instruments TMX 1795: the (almost) first, forgotten microprocessor” (May 2015). 2022年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月29日閲覧。 “Even operating one bit at a time as a serial computer, the Datapoint 2200 performed considerably faster than the 8008 chip.”
- ^ “MasPar: Massively Parallel Computers – 32 cores on a chip” (2014年9月5日). 2022年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月15日閲覧。
参考文献
[編集]- Digit-Serial Computation. The Kluwer International Series in Engineering and Computer Science (1 ed.). Norwell, Massachusetts, USA: Kluwer Academic Publishers. (1995). ISBN 0-7923-9573-5. SECS316 (xiv+306 pages)
- Parhi, Keshab K., "A Systematic Approach for Design of Digit-Serial Signal Processing Architectures," IEEE Trans. on Circuits and Systems, Vol. 38, No. 4, April 1991, pp. 358-375, https://doi.org/10.1109/31.75394