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シャロヴィプテリクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シャロヴィプテリクス Sharovipteryx
化石
保全状況評価
絶滅(化石
地質時代
三畳紀後期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
下綱 : 主竜形類 Archosauromorpha
: プロラケルタ類 Prolacertiformes
: Sharovipterygidae科 Sharovipterygidae
: Sharovipteryx
学名
Sharovipteryx mirabilis
Sharov, 1971
シノニム

Podopteryx mirabilis
Sharov, 1971

シャロヴィプテリクスSharovypteryx:「シャロフ[注 1]の翼」の意)は、三畳紀中期-後期に現れた爬虫類で、後足に張られた飛膜で滑空ができた。滑空する爬虫類としては最も初期のものの一つ。ロンギスクアマと同じくキルギスにあるMadygen 累層中期から後期三畳紀)より産出した化石からのみ知られる。

概要

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シャロヴィプテリクスの骨格復元図

かつては別名のポドプテリクスPodopteryx:「脚の翼」の意)として知られていた。全長は約20センチメートルで、極めて長い尾を持っていた。翼竜とは違い、その主たる飛膜は前脚(ごく短い)ではなく長い後脚に張られていた。

2006年、ダイク(Dyke)らの論文[1]が発表され、シャロヴィプテリクスがどのように滑空していたかの研究結果が示された。著者たちの見解よると、飛膜は長い後脚と尾の間に張られ、シャロヴィプテリクスはデルタ翼の飛行機のように滑空していた。もし小さな前脚にも飛膜があったならばそれは先尾翼のように働き、ピッチ方向の安定性を高めるのに効果的であった。先尾翼が無かった場合、制御された滑空は極めて困難であっただろうと著者たちは述べている(既知の化石において前脚の付近は状態が悪く、飛膜の痕跡は発見されていない)。

分類

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オジメク

シャロヴィプテリクスは一般的に初期の主竜様類、プロラケルタ形類(Prolacertiformes)もしくはProtorosauriaというグループに含まれ、Sharovipterygidae科には他に2016年に記載されたオジメクOzimek volans)が含まれる[2][3]。また、2019年の系統分析では、タニストロフェウスなどを含むTanystropheidae科に含まれるという可能性も指摘された[4]

古美術家であるデイビッド・ピーターズDavid Peters (paleoartist))はシャロヴィプテリクスと翼竜との関連性を主張したが[5]、古生物学者ダレン・ナイシュにより彼の研究内容は全般的に不正確である可能性が高いと反論されている[6][7]

脚注

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  1. ^ アレクサンドル・シャロフ(Aleksandr Grigorevich Sharov) - ロシアの古生物学者。

出典・脚注

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  1. ^ Dyke, G.J., Nudds, R.L. and Rayner, J.M.V. (2006). "Flight of Sharovipteryx mirabilis: the world's first delta-winged glider." Journal of Evolutionary Biology.
  2. ^ Unwin, D.M.; Alifanov, V.R.; Benton, M.J. (2000). “Enigmatic small reptiles from the Middle–Late Triassic of Kyrgyzstan”. In Benton, M.J.; Shishkin, M.A.; Unwin, D.M. et al.. The Age of Dinosaurs in Russia and Mongolia. Cambridge: Cambridge University Press. pp. 177–186. http://www.cambridge.org/us/academic/subjects/earth-and-environmental-science/palaeontology-and-life-history/age-dinosaurs-russia-and-mongolia?format=PB&isbn=9780521545822 
  3. ^ Dzik, J.; Sulej, Tomasz (2016). “An early Late Triassic long-necked reptile with a bony pectoral shield and gracile appendages”. Acta Palaeontologica Polonica 64 (4): 805–823. https://www.app.pan.pl/archive/published/app61/app002762016.pdf. 
  4. ^ Pritchard, Adam C.; Sues, Hans-Dieter (2019-10-18). “Postcranial remains of Teraterpeton hrynewichorum (Reptilia: Archosauromorpha) and the mosaic evolution of the saurian postcranial skeleton”. Journal of Systematic Palaeontology 17 (20): 1745–1765. doi:10.1080/14772019.2018.1551249. ISSN 1477-2019. https://doi.org/10.1080/14772019.2018.1551249. 
  5. ^ Peters, D. (2006). "The Front Half of Sharovipteryx" Prehistoric Times 76: 10-11.
  6. ^ Naish, D. (3 July 2012). “Why the world has to ignore ReptileEvolution.com”. Tetrapod Zoology. 28 March 2021閲覧。
  7. ^ Naish, D. (23 July 2020). “Why the world has to ignore David Peters and ReptileEvolution.com”. Tetrapod Zoology. 28 March 2021閲覧。

関連項目

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外部リンク

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