コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

シベ族

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シベ族
シベ族の軍人(1882年の絵画)
総人口
188824人(2010年)[1]
居住地域
中華人民共和国の旗 中国  新疆ウイグル自治区 · 遼寧省 · 吉林省
言語
シベ語
宗教
仏教多神教シャーマニズム
関連する民族
満洲民族テュルク系民族モンゴル系民族

シベ族(シベぞく[1]シベ語ᠰᡞᠪᡝ 転写:Sibe、中文表記: 锡伯族拼音: Xībó zú英文表記: The Xibe,The Sibe)は、中華人民共和国に居住するツングース系少数民族

ヌルハチがその支配する土地を満洲と名乗った当時の、女真族の一支族であるシベ(錫伯)部[2]を起源とする人々。シボ族(シボぞく[3][4][5])というカナ表記も広く用いられている。

概要

[編集]
1809年のイリ地区の地図。南を上に描かれている。
満洲砦の恵連城からイリ川を隔てた南側に「錫伯八旗(シベ八旗)」が確認できる。現在は、そこにチャプチャル・シベ自治県が置かれている。

もともと内モンゴル自治区北部のフルンボイル市ハイラルにある室韋山を原住地とする女真族の一種である。近代では鮮卑の一支族という主張もあるが、根拠は全くない。

遼寧省瀋陽開原義県北鎮新民鳳城などの他、新疆ウイグル自治区イリ・ハザク自治州チャプチャル・シベ自治県、及びイリ川流域の霍城県トックズタラ県にも集中し、その他吉林省扶余市前ゴルロス・モンゴル族自治県北京などにも散在する。

自治県

[編集]

民族鎮

[編集]

民族郷

[編集]
  • 扶余市
    • 三駿満族モンゴル族シベ族郷

人口

[編集]

2000年の人口調査ではシベ族人口は188,824人で、中華人民共和国政府が公認する56の民族の中では31番目に多い。

言語

[編集]

満洲に住むシベ族は漢文とモンゴル文を使うが、新疆に住むシベ族はアルタイ語族満洲語に属するシベ語を話し、満洲文字を改良したシベ文字を使用する。

歴史

[編集]
1947年のシベ・ダウール会議[注釈 1]

シベ族は女真族の一種であり、満洲に住んでいた。1593年シベ族はヌルハチの満洲軍に征服され、モンゴル八旗や満洲八旗に編入された。 その後、軍の中国人征服に従軍し、中国各地に駐屯するようになった。とくに1764年乾隆帝の時代には1016人のシベ族兵士が新疆辺境守備を命じられ、満洲から移住しており、これに家族や親戚数千人も同行した[6]。これが新疆のシベ族の起源である。満洲民族が満洲語を喪失した現在、新疆のシベ族は満洲語を話し、満洲文字を読む数少ない民族となっている。

遺伝子

[編集]

シベ族のY染色体ハプログループC2が26.8%、O2が26.8%、Nが17.1%である[7]

著名人

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ ダウール族内モンゴルや満洲に住むモンゴル系民族。清代には新疆に駐屯兵が派遣された。

出典

[編集]
  1. ^ 承志『ダイチン・グルンとその時代:帝国の形成と八旗社会』p.6(名古屋大学出版会,2009,2, ISBN 978-4-8158-0608-8
  2. ^ 祁美琴 強光美(2015)『満州語『満洲実録』訳編(中国語、満州語)・巻一』
  3. ^ 「シボ族・西遷節」 サーチナニュース 2007年6月5日
  4. ^ シボ族 xibo zu Xibe ethnic minority group 中国网 JAPANESE.CHINA.ORG.CN
  5. ^ 石田耕一郎「消えゆく満州語」2・3,2013年12月10日・12月11日,『朝日新聞』(大阪本社夕刊)
  6. ^ 中国の歴史 12 清朝二百余年 p3-7 陳舜臣 平凡社 1982年12月刊
  7. ^ Yali Xue et al 2006, Male demography in East Asia: a north-south contrast in human population expansion times Archived September 6, 2008, at the Wayback Machine.

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]