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シクロペンチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シクロペンチン
識別情報
CAS登録番号 1120-58-7
PubChem 14093813
特性
化学式 C5H6
モル質量 66.1 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

シクロペンチン(Cyclopentyne)は、環に5つの炭素原子を含むシクロアルキンである。アルキンの各原子の理想的な結合角は180°であるが、結合が環を構成する必要があるため、かなり歪んだ構造となり、三重結合は非常に反応性が高い。三重結合は[2+2]環化付加反応と[4+2]環化付加反応を容易に起こす[1]。反応相手の立体化学を失う[2+2]環化付加反応を行うベンザインとは異なり、シクロペンチンは反応相手の立体幾何を維持したままアルケンと反応する[2]。これは、反応性の高い構造であっても軌道対称性が重要であることを示す例となっている[3]。この構造は、リチウムカチオンとΠ錯体を形成することができ、これが環化付加反応の反応性に影響する[1]との強い相互作用により、新しい種類のメタラサイクルを形成することさえできる[4]

出典

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  1. ^ a b Gilbert, John C.; Hou, Duen-Ren (2003). “Competitive Intermolecular Pericyclic Reactions of Free and Complexed Cyclopentyne”. J. Org. Chem. 68: 10067–10072. doi:10.1021/jo0352880. 
  2. ^ Ozkan, Ilker; Kinal, Armagan (2004). “Competing Pathways in the [2+2] Cycloadditions of Cyclopentyne and Benzyne. A DFT and ab Initio Study”. J. Org. Chem. 69 (16): 5390–5394. doi:10.1021/jo049542f. 
  3. ^ Gilbert, John C.; Hou, Duen-Ren (2004). “Stereochemistry of the [2+4] cycloaddition of cyclopentyne”. Tetrahedron 60 (2): 469–474. doi:10.1016/j.tet.2003.11.003. 
  4. ^ Arslancan, Serra; Lamsabhi, Al Mokhtar; Mó, Otilia; Yáñez, Manuel (2017). “Complexes between cyclopentene and cyclopentyne derivatives with HCu and FCu. The importance of cyclization effects”. International Journal of Quantum Chemistry. doi:10.1002/qua.25489.