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ザ・リアル・シング (フェイス・ノー・モアのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ザ・リアル・シング』
フェイス・ノー・モアスタジオ・アルバム
リリース
録音 1988年12月 サウサリート スタジオD[2]
ジャンル オルタナティヴ・メタルファンク・メタル
時間
レーベル スラッシュ・レコード
プロデュース マット・ウォレス、フェイス・ノー・モア
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 2位(オーストラリア[3]
  • 3位(ニュージーランド[4]
  • 11位(アメリカ[5]
  • 30位(イギリス[6]
  • 37位(ドイツ[7]
  • 38位(スウェーデン[8]
  • 56位(オランダ[9]
  • フェイス・ノー・モア アルバム 年表
    イントロデュース・ユアセルフ
    (1987年)
    ザ・リアル・シング
    (1989年)
    ライヴ・アット・ザ・ブリクストン・アカデミー
    (1990年)
    テンプレートを表示

    ザ・リアル・シング』(The Real Thing)は、アメリカ合衆国オルタナティヴ・メタルバンドフェイス・ノー・モア1989年に発表した3作目のスタジオ・アルバム。LPは9曲入りだが[2]、同時期に発売されたCDは、「ウォー・ピッグス」と「エッジ・オブ・ザ・ワールド」が追加されて11曲入りとなった[10]

    背景

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    1988年、バンドはデビュー当時からのボーカリストであったチャック・モズレーを解雇し、本作のレコーディング中にマイク・パットンを後任として迎えた[11]。バンドのデビュー当時から共同作業をしてきたプロデューサーのマット・ウォレスは、2015年のインタビューで当時の状況に関して「彼(モズレー)は技術的に優れたシンガーではなかったけど、本当に良いフロントマンで、彼は良い仕事をしていたと思うし、彼を含むバンドが好きだった」「私は彼らがシンガー不在だった時に、最終的には『ザ・リアル・シング』として結実する新曲の作業を彼らと共に進めて、それからパットンを迎えるという一大転機に至った」と説明している[12]

    「ウォー・ピッグス」はブラック・サバスのカヴァーで、オリジナル・ヴァージョンにおいてボーカルを担当したオジー・オズボーンも、このカヴァーに感銘を受け、後にマイク・ボーディンを自分のバンドに迎え入れた[13]

    反響

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    バンドは本作で初めて、アメリカの総合アルバム・チャートBillboard 200入りを果たし、1990年10月13日付のチャートで最高11位を記録した[5]。Billboard 200による1990年の年間アルバム・チャートでは、41位となった[14]。また、Billboard Hot 100では、本作からのシングル「エピック」が9位、「フォーリング・トゥ・ピーシズ」が92位に達した[15]

    イギリスでは1990年2月17日付の全英アルバムチャートで初登場を果たし、合計35週トップ100入りして最高30位を記録した[6]。オーストラリアでは1990年7月8日付のアルバム・チャートで初登場33位となり、22週連続でトップ50入り(うち9週にわたりトップ10入り)して、最高2位を記録した[3]

    なお、レッド・ホット・チリ・ペッパーズアンソニー・キーディスは、「エピック」のミュージック・ビデオを見て「俺達のコピー」と不快感を抱いており、書籍『By the Way: The Biography』によれば、キーディスは「奴(パットン)が飛び跳ねてラップをがなり立てているのを見た時は、まるで鏡を見ているように感じた」という[16]

    評価

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    本作は第32回グラミー賞英語版において最優秀メタル・パフォーマンス賞にノミネートされた[17]。また、第33回グラミー賞では、本作からのシングル「エピック」が最優秀ハード・ロック・パフォーマンス賞にノミネートされた[17]

    Ned Raggettはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「彼(マイク・パットン)の非常識なまでに幅広い音楽への興味が、バンドにしっかり溶け込むのは、次のアルバムを待たねばならなかったが、バンドは本作で既に、十分魅力的なコンビネーションを成し遂げてみせた」と評している[18]。また、Eduardo Rivadaviaは2014年、「『ザ・リアル・シング』は、ジェーンズ・アディクションの『ナッシングス・ショッキング』等、当時の冒険的なハードロック・アルバムと並び、一種の前兆と言える作品だった。オルタナティヴの革命は間近に迫っていた」と位置付けている[1]

    収録曲

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    特記なき楽曲はフェイス・ノー・モア作。

    1. フロム・アウト・オブ・ノーホエア - "From Out of Nowhere" - 3:22
    2. エピック - "Epic" - 4:53
    3. フォーリング・トゥ・ピーシズ - "Falling to Pieces" - 5:16
    4. サプライズ! ユー・アー・デッド! - "Surprise! You're Dead!" - 2:27
    5. ゾンビ・イーターズ - "Zombie Eaters" - 6:00
    6. ザ・リアル・シング - "The Real Thing" - 8:13
    7. アンダーウォーター・ラヴ - "Underwater Love" - 3:51
    8. ザ・モーニング・アフター - "The Morning After" - 3:43
    9. ウッドペッカー・フロム・マーズ - "Woodpecker from Mars" - 5:40
    10. ウォー・ピッグス - "War Pigs" (Ozzy Osbourne, Tony Iommi, Geezer Butler, Bill Ward) - 7:44
    11. エッジ・オブ・ザ・ワールド - "Edge of the World" - 4:10

    2015年デラックス・エディション盤ボーナス・ディスク

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    1. "Sweet Emotion" - 4:52
    2. "Epic (Radio Remix Edit)" - 4:00
    3. "Falling to Pieces (Matt Wallace Remix)" - 4:31
    4. "Cowboy Song" - 5:14
    5. "The Grade" - 2:05
    6. "From Out of Nowhere (Extended Remix)" - 4:17
    7. "War Pigs (Live in Berlin 1989)" (O. Osbourne, T. Iommi, G. Butler, B. Ward) - 7:59
    8. "Surprise! You’re Dead! (Live in Sheffield 1990)" - 2:52
    9. "Chinese Arithmetic (Live in Sheffield 1990)" - 4:16
    10. "Underwater Love (Live at Brixton Academy 1990)" - 3:33
    11. "As the Worms Turns (Live at Brixton Academy 1990)" - 2:45

    参加ミュージシャン

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    脚注

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    1. ^ a b Rivadavia, Eduardo (2014年6月20日). “26 Years Ago: Faith No More Releases 'The Real Thing'”. Ultimate Classic Rock. Loudwire Network. 2018年11月9日閲覧。
    2. ^ a b Faith No More - The Real Thing (Vinyl, US, 1989) | Discogs
    3. ^ a b australian-charts.com - Faith No More - The Real Thing
    4. ^ charts.org.nz - Faith No More - The Real Thing
    5. ^ a b Faith No More Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2018年11月9日閲覧。
    6. ^ a b FAITH NO MORE | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
    7. ^ Offizielle Deutsche Charts
    8. ^ swedishcharts.com - Faith No More - The Real Thing
    9. ^ Faith No More - The Real Thing - dutchcharts.nl
    10. ^ Faith No More - The Real Thing (CD, US, 1989) | Discogs
    11. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Faith No More - Biography & History”. AllMusic. 2018年11月9日閲覧。
    12. ^ Steffen, Chris (2015年8月17日). “Faith No More Producer Matt Wallace Tells the Story Behind the Albums”. AllMusic. 2018年11月9日閲覧。
    13. ^ Burke, Chris (2015年5月29日). “Classic albums featuring Mike Bordin”. MusicRadar. Future plc. 2018年11月9日閲覧。
    14. ^ Billboard 200 Albums - Year-End 1990”. Billboard. 2018年11月9日閲覧。
    15. ^ Faith No More Chart History - Hot 100”. Billboard. 2018年11月9日閲覧。
    16. ^ Kangas, Chaz (2015年4月21日). “Do Faith No More and Red Hot Chili Peppers Still Hate Each Other?”. LA Weekly. 2018年11月9日閲覧。
    17. ^ a b Faith No More - Artist”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2018年11月9日閲覧。
    18. ^ Raggett, Ned. “The Real Thing - Faith No More”. AllMusic. 2018年11月9日閲覧。

    外部リンク

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