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ザ・ハイ・エンド・オブ・ロウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ザ・ハイ・エンド・オブ・ロウ』
マリリン・マンソンスタジオ・アルバム
リリース
録音 ハリウッド Sage & Sound
ジャンル インダストリアル・ロック
時間
レーベル インタースコープ・レコード
プロデュース マリリン・マンソントゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、ショーン・ビーヴァン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 4位(アメリカ[3]
  • 6位(オーストリア[4]、スイス[5]
  • 8位(ニュージーランド[6]
  • 9位(スペイン[7]、日本[8]、フィンランド[9]、フランス[10]
  • 11位(ドイツ[11]
  • 12位(オーストラリア[12]
  • 15位(スウェーデン[13]
  • 16位(ベルギー・ワロン地域[14]
  • 18位(イタリア[15]
  • 19位(イギリス[16]
  • 22位(ポルトガル[17]
  • 26位(ノルウェー[18]
  • 32位(デンマーク[19]
  • 38位(ベルギー・フランデレン地域[20]
  • 73位(オランダ[21]
  • マリリン・マンソン アルバム 年表
    イート・ミー、ドリンク・ミー
    (2007年)
    ザ・ハイ・エンド・オブ・ロウ
    (2009年)
    ボーン・ヴィラン
    (2012年)
    テンプレートを表示

    ザ・ハイ・エンド・オブ・ロウ』(The High End of Low)は、アメリカ合衆国ロックバンドマリリン・マンソン2009年に発表した7作目のスタジオ・アルバム。日本で先行発売された[1]。バンドは本作を最後に、インタースコープ・レコードとの契約を解除した[22]

    背景

    [編集]

    2008年1月、トゥイギー・ラミレズのバンド復帰に伴いティム・スコルドが脱退[23]。また、ロブ・ホリデイはスコルドの脱退を受けてベースからギターにパート・チェンジしたが、間もなく脱退し、ホリデイの後任として加入したウェス・ボーランドリンプ・ビズキット)も短期間で脱退した[23]。なお、ボーランドは2009年、『ケラング!』誌のインタビューにおいて「俺はマンソンのレコードのために9曲を用意したのに、全く採用されなかった」と語っている[24]

    最終的にはマリリン・マンソン、トゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、ジンジャー・フィッシュというラインナップで2008年11月より本作の制作に入り、ショーン・ビーヴァンも共同プロデューサーとして貢献した[23]。アルバムのクレジットでは、クリス・ヴレンナがプログラミングを担当したのと、「イントゥ・ザ・ファイア」でジンジャー・フィッシュがピアノを弾いたと記載されているのを除けば、各メンバーの担当パートは明記されていない。

    ジャケットに記載されたタイトル・ロゴは、黒澤明の監督映画『天国と地獄』(英語圏でのタイトルは『High and Low』)のロゴが元になっている[23]

    リリース

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    本作のリリースに先行して、バンドは2009年3月27日より公式サイトを通じて「ウィアー・フロム・アメリカ」の無料配信を開始した[25]。続いて、「アルマ・ガッデム・マザーファッキン・ゲドン」が本作からの第1弾シングルに選ばれるが[26]、歌詞の問題からラジオやテレビでは放送できず、放送禁止用語を削除した「クリーン・ヴァージョン」も制作されたが、このヴァージョンも結果的には、削除された部分が多すぎたため放送が自粛された[1]

    本作は、CD1枚の通常盤に加えて、ボーナス・ディスクが付属したデラックス・エディション盤も発売された。アメリカ盤(B0012977-72)のボーナス・ディスクは6曲入りだが[27]、日本盤(UICS-9107/8)のボーナス・ディスクは「イントゥ・ザ・ファイア」のオルタネイト・ヴァージョンが追加されて7曲入りとなった[28]

    反響

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    バンドの母国アメリカでは、発売初週に約4万9千枚を売り上げ、総合アルバム・チャートのBillboard 200で初登場4位となった[22]。また、『ビルボード』のハード・ロック・アルバム・チャートでは、2009年6月13日付のチャートで1位を獲得した[29]

    ドイツのアルバム・チャートでは最高11位に終わり、『ザ・ゴールデン・エイジ・オブ・グロテスク』(2003年)以降のアルバムとしては初めてトップ5入りを逃す結果となった[11]

    評価

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    フィル・フリーマンはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「マンソンは『ザ・ハイ・エンド・オブ・ロウ』において、暗闇の王としての地位を取り戻そうとしたが、率直に言って、それはうまくいかなかった」と評している[30]。トム・シンクレアは『エンターテインメント・ウィークリー』誌のレビューでC+を付け「音楽的には、ナイン・インチ・ネイルズの焼き直しと無難な1970年代メタルの折衷で、そこそこ満足できる場面もある。しかし、感受性の極めて強い15歳でもない限り、ミルクの如く人畜無害なマンソンのドゥームメタルは、浅い傷すら残さないように思える」と評している[31]。また、ラナ・クーパーはPopMattersのレビューで10点満点中7点を付け「スコルド在籍時も、マンソンのダークで破壊的な歌詞は常にそこにあったが、トゥイギーの風変わりな音楽的センスは不在だった。この無形の要素が復活したことにより、音楽は再び活気を取り戻し、マンソンは世界の破壊を楽しむ上での共犯者を得た」と評している[2]

    収録曲

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    全作詞: マリリン・マンソン、全作曲: 「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作。
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「デヴォウア - Devour」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    2.「プリティ・アズ・ア($) - Pretty as a Swastika」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    3.「リーヴ・ア・スカー - Leave a Scar」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    4.「フォー・ラスティッド・ホーセズ - Four Rusted Horses」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    5.「アルマ・ガッデム・マザーファッキン・ゲドン- Arma-goddamn-motherfuckin-geddon」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    6.「ブランク・アンド・ホワイト - Blank and White」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    7.「ランニング・トゥ・ジ・エッジ・オブ・ザ・ワールド - Running to the Edge of the World」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    8.「アイ・ウォント・トゥ・キル・ユー・ライク・ゼイ・ドゥ・イン・ザ・ムーヴィーズ - I Want to Kill You Like They Do in the Movies」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    9.「WOW - WOW」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    10.「ワイト・スパイダー - Wight Spider」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    11.「アンキラブル・モンスター - Unkillable Monster」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    12.「ウィアー・フロム・アメリカ - We're from America」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    13.「アイ・ハフ・トゥ・ルック・アップ・ジャスト・トゥ・シー・ヘル - I Have to Look Up Just to See Hell」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    14.「イントゥ・ザ・ファイア - Into the Fire」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    15.「15 - 15」マリリン・マンソン「ワイト・スパイダー」はトゥイギー・ラミレズ、クリス・ヴレンナ、マリリン・マンソンの共作で、その他の曲はトゥイギー・ラミレズとクリス・ヴレンナの共作
    合計時間:
    デラックス・エディション盤ボーナス・ディスク
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「アルマ・ガッデム・マザーファッキン・ゲドン- Arma-goddamn-motherfuckin-geddon」(Teddybears Remix)  
    2.「リーヴ・ア・スカー - Leave a Scar」(Alternate Version)  
    3.「ランニング・トゥ・ジ・エッジ・オブ・ザ・ワールド - Running to the Edge of the World」(Alternate Version)  
    4.「ワイト・スパイダー - Wight Spider」(Alternate Version)  
    5.「フォー・ラスティッド・ホーセズ - Four Rusted Horses」(Opening Titles Version)  
    6.「アイ・ハフ・トゥ・ルック・アップ・ジャスト・トゥ・シー・ヘル - I Have to Look Up Just to See Hell」(Alternate Version)  
    7.「イントゥ・ザ・ファイア - Into the Fire」(Alternate Version)  
    合計時間:

    脚注・出典

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    1. ^ a b c マリリン・マンソン新作『ザ・ハイ・エンド・オブ・ロウ』発売! 放送禁止用語を連発!”. CDJournal. 音楽出版社 (2009年5月20日). 2018年7月11日閲覧。
    2. ^ a b c Cooper, Lana (2009年5月28日). “Marilyn Manson: The High End of Low”. PopMatters. 2018年7月11日閲覧。
    3. ^ Marilyn Manson The High End Of Low Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2018年7月11日閲覧。
    4. ^ Marilyn Manson - The High End Of Low - austriancharts.at
    5. ^ Marilyn Manson - The High End Of Low - hitparade.ch
    6. ^ charts.org.nz - Marilyn Manson - The High End Of Low
    7. ^ spanishcharts.com - Marilyn Manson - The High End Of Low
    8. ^ ORICON NEWS
    9. ^ finnishcharts.com - Marilyn Manson - The High End Of Low
    10. ^ lescharts.com - Marilyn Manson - The High End Of Low
    11. ^ a b Marilyn Manson | Longplay-Chartverfolgung - musicline.de
    12. ^ australian-charts.com - Marilyn Manson - The High End Of Low
    13. ^ swedishcharts.com - Marilyn Manson - The High End Of Low
    14. ^ ultratop.be - Marilyn Manson - The High End Of Low
    15. ^ italiancharts.com - Marilyn Manson - The High End Of Low
    16. ^ MARILYN MANSON | full Official Charts History | Official Charts Company -「Albums」をクリックすれば表示される。
    17. ^ portuguesecharts.com - Marilyn Manson - The High End Of Low
    18. ^ norwegiancharts.com - Marilyn Manson - The High End Of Low
    19. ^ danishcharts.com - Marilyn Manson - The High End Of Low
    20. ^ ultratop.be - Marilyn Manson - The High End Of Low
    21. ^ Marilyn Manson - The High End Of Low - dutchcharts.nl
    22. ^ a b Marilyn Manson Splits With Interscope”. Blabbermouth.net (2009年12月3日). 2018年7月11日閲覧。
    23. ^ a b c d 有島博志 (2012年12月16日). “MARILYN MANSONのあの日、あの時19”. HMV&BOOKS online NEWS. ローソンエンタテインメント. 2018年7月11日閲覧。
    24. ^ Marilyn Manson Vs. Limp Bizkit's Wes Borland”. Blabbermouth.net (2009年5月13日). 2018年7月11日閲覧。
    25. ^ Kreps, Daniel (2009年3月24日). “Marilyn Manson Offers Free Song As New Album "The High End of Low" Lurks”. Rolling Stone. 2018年7月11日閲覧。
    26. ^ Marilyn Manson: 'Arma-Goddamn-Motherf**kin'-Geddon' Video Released”. Blabbermouth.net (2009年5月14日). 2018年7月11日閲覧。
    27. ^ Marilyn Manson - The High End Of Low (CD, Album) at Discogs - デラックス・エディション盤(アメリカ)の情報。
    28. ^ Marilyn Manson - The High End Of Low (CD, Album) at Discogs - デラックス・エディション盤(日本)の情報。
    29. ^ Marilyn Manson The High End Of Low Chart History - Hard Rock Albums”. Billboard. 2018年7月11日閲覧。
    30. ^ Freeman, Phil. “The High End of Low - Marilyn Manson”. AllMusic. 2018年7月11日閲覧。
    31. ^ Sinclair, Tom (2009年5月20日). “The High End Of Low”. Entertainment Weekly. Meredith Corporation. 2018年7月11日閲覧。

    外部リンク

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