サール6型コルベット
マゲン級コルベット | |
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基本情報 | |
種別 | コルベット |
運用者 | イスラエル海軍 |
就役期間 | 2020年 - 現在 |
前級 | エイラート級 (サールV型) |
要目 | |
満載排水量 | 1,900トン[1] |
全長 | 90 m[1] |
主機 | ディーゼルエンジン[1] |
速力 | 26ノット[1] |
兵装 |
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搭載機 | SH-60Fヘリコプター×1機 |
レーダー |
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マゲン級コルベット(英語: Magen-class corvette)は、イスラエル海軍のコルベットの艦級[1]。形式名はサール6型[注 1](ヘブライ語: 6 סער, 英: Sa'ar 6 class)。
来歴
[編集]ヒズボラは、イスラエルのガス田がレバノン領海にあると主張し、天然ガス・プラットフォームをテロ攻撃の標的にすると脅している[2]。報道によると、クウェートからアラブ首長国連邦に向かっていたイスラエル人が所有する船が、UAE近海で繰り返しミサイル攻撃を受けた[3] [4]。
本型は、イスラエルの排他的経済水域(EEZ)において海上(海運)を保護し、脅威を阻止するために採用された。イスラエル向け物資の90%以上が通る地中海航路の防衛にも使用され[5]、地中海の天然ガス・プラットフォームを海上からの攻撃やロケット弾の脅威から守る対テロ作戦も任務である[6]。
設計
[編集]設計はおおむねドイツの ブラウンシュヴァイク級コルベットに基づいているが、バラク8 [7]や海軍仕様のアイアンドームといったイスラエル製のセンサやミサイルに対応するために変更が加えられている。 エルビット・システムズが電子戦(EW)装置の設計及び製造を受注した[要出典]。
62口径76mm単装砲を1門、タイフーンを2基、バラク8を32セル、C-Domeを20セル、艦対艦ミサイルを16基(ガブリエルMK.5と推定)[8] [9]、 EL/M-2248 MF-STAR(AESAレーダー)、及び324 mm (12.8 in)魚雷発射管を2基搭載している。また、SH-60を運用可能な格納庫を備えている[10]。
同型艦
[編集]一覧表
[編集]艦名 | 造船所 | 起工 | 進水 | 就役 | 状態 |
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マゲン מגן |
ドイツ海軍造船所 および ティッセンクルップ |
2018年2月7日 | 2019年5月12日 | 2020年11月11日 | 就役中 |
オズ עוז |
2018年2月[11] | 2019年8月24日 | 2021年5月4日 | ||
アツマウート עצמאות |
2018年 | 2019 [12] | 2021年9月[13] | 海上公試又は艤装中 | |
ニツァホン[注 2] ניצחון |
2018年 | 2019 [12] | 2021年11月[13] |
運用史
[編集]4隻全てが、ドイツ海軍造船所(英語版)とティッセンクルップ・マリン・システムズによる共同計画でドイツで建造される。当初、1番艦は2020年に引き渡される予定だった[14]。建造費は、18億新シェケル(NIS)または約4億3000万ユーロ(4億8000万ドル)と見積もられた。 [6] ドルフィン級潜水艦と同様に、建造費の3分の2をイスラエルが支払い、3分の1をドイツが負担する[15]。
イスラエルは、2020年12月11日に1番艦マゲンを受領し[16]、ティッセンクルップ・マリン・システムズは、2021年5月4日に2番艦オズを引き渡した[17]。2021年7月27日には、3番艦アツマウートと4番艦ニツァホンもイスラエル海軍に引き渡された。4隻はイスラエル到着後、海軍によってレーダーや兵装を装備される[12]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 現代ヘブライ語での発音は「サアル・シェシュ」。「嵐」を意味する“סער”のア音はニクード(母音)表記上も長母音のカマツではなく短母音のパタフであり伸ばさない「参考音声(1分15秒地点)」。
- ^ 「ニツァホン」の「ホ」は喉音のため、日本語では「ホ」と「コ」の中間の発音となる。
出典
[編集]- ^ a b c d e 海人社 2021.
- ^ Kubovich (4 January 2018). “Israel Assesses Hezbollah Can Now Strike Its Offshore Gas Platforms”. Haaretz. 27 January 2021閲覧。
- ^ Fassihi, Farnaz; Schmitt, Eric; Bergman, Ronen (2021年4月6日). “Israel-Iran Sea Skirmishes Escalate as Mine Damages Iranian Military Ship” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 2021年7月26日閲覧。
- ^ staff. “Israeli-owned ship said attacked off UAE coast amid sky-high tensions with Iran” (英語). www.timesofisrael.com. 2021年7月26日閲覧。
- ^ GDC (2021年7月9日). “Israel Adopts Sa’ar 6 As Maritime Anti-ship Doctrine” (英語). Global Defense Corp. 2021年7月26日閲覧。
- ^ a b “Israel to arm warships with Iron Dome system to protect gas reserves at sea”. i24news (13 December 2015). 1 May 2016閲覧。
- ^ Opall-Rome (4 August 2016). “Israeli Navy Marks Milestones at German Shipyards”. defensenews.com. 27 January 2021閲覧。
- ^ Dombe (29 September 2020). “Sea-to-sea missile test conducted”. israeldefense.co.il. 27 January 2021閲覧。
- ^ Adamcyzk (25 September 2020). “Israel tests new sea-to-sea missile”. UPI. 27 January 2021閲覧。
- ^ “Design of Future TKMS Built Saar 6 MEKO A100 Corvettes for Israeli Navy Unveiled”, navyrecognition.com, (23 August 2015) 27 January 2021閲覧。
- ^ “TKMS Hand Over Second SA’AR 6 Corvette To The Israeli Navy”. Naval News (4 May 2021). 13 July 2021閲覧。
- ^ a b c https://seawaves.com/?p=13463
- ^ a b Newdick (12 November 2020). “Israel Has Taken Delivery Of Its Most Capable Warship Ever”. Thedrive.com. 13 July 2021閲覧。
- ^ Azulai, Yuval (11 May 2015). “Israel signs €430m deal for German patrol vessels”. Globes 14 May 2015閲覧。
- ^ Zitun, Yoav (11 May 2015). “Major deal: Israel to purchase four patrol ships from Germany to defend gas rigs”. ynet 14 May 2015閲覧。
- ^ Kanig (12 November 2020). “Korvette „Magen“ kurz vor der Abreise nach Israel” (ドイツ語). ESUT - Europäische Sicherheit & Technik. 9 December 2020閲覧。
- ^ Archus. “TKMS hands over 2nd Sa'ar 6 corvette to the Israeli Navy”. Naval Post. 4 May 2021閲覧。
参考文献
[編集]- LAPPIN, Yaakov (26 May 2016). “How navy engineers made the next missile ship stealthy”. Jerusalem Post 5 July 2016閲覧。
- 海人社(編)「イスラエル新造コルベット「オズ」就役!」『世界の艦船』第953号、海人社、2021年8月、81頁。
外部リンク
[編集]- ウィキメディア・コモンズには、サール6型コルベットに関するカテゴリがあります。