コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

サーク島の旗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サーク島の旗
Flag of Sark
比率3:5
採用1938年(領主旗として)
2020年(サーク島旗として)
デザインArgent, a Cross Gules, in the Canton two Lions passant guardant Or
店の窓に飾られたサーク島の旗(ハーバート・ピットのデザイン)

サーク島の旗英語: flag of Sark)は白地に赤の聖ゲオルギウス十字が入り、赤地のカントンにノルマンディーの旗英語版と共通するライオン(紋章学の「レオパルド英語版」)が入ったものである。2020年サーク島の旗として公認された[1][2]

ハーバート・ピット(Herbert Pitt)によって1938年にデザインされ、同年領主英語版旗として採用された旗が1987年以降非公式に島の旗として用いられてきた[3]。チャンネル諸島は歴史的にノルマンディーの一部を成しており、実際にカントンのデザインはノルマンディーの紋章と類似している。伝統的なホワイト・エンサインとは異なり、初代の旗にあったライオンはカントンからはみ出て赤十字にかぶさっていた[4][5]

1565年に島が領主に授与されたことを記念して旗はロンドンの司法省に毎年8月6日に掲揚される。司法省はイギリス政府と王室属領の関係を司っている[6][7]

歴史

[編集]

サーク島はチャンネル諸島を構成し、ガーンジー代官区に属している。元来ノルマンディー公国の一部であり、ノルマンディー公ギヨームイングランドを征服し、玉座を手にした1066年以降イングランド君主の支配が続いている。中世後期までに、サーク島は海賊など犯罪行為の拠点と化していた[8]。海賊に対処するため、1565年8月6日にエリザベス1世エリエ・ド・カルトレ英語版サーク島の領主英語版に任命した[8]。役職は世襲され、領主は島の支配権と引き換えにイングランド(後にイギリス)君主に毎年£1.79の支払いが義務付けられていた[9]民主化英語版の前日2008年12月9日の時点でサーク島は西洋世界最後の封建制が保たれていた[10]

領主の旗

サーク島の旗は1938年、領主シビル・ハサウェイ英語版の依頼によってハーバート・ピットによって領主旗としてデザインされた[11][12]。旗はしばしば領主の旗(英語: Seigneur's flag)と呼ばれた[13]。彼女が旗協会英語版に語った「旗が200年以上にわたって」使われてきたという話は疑わしい[14]

第二次世界大戦ドイツ軍による占領の後も旗は使われ続けた。1960年代、シビルはブレクー島土地保有権英語版をレオナード・マッチャン(Leonard Matchan)に売却した。マッチャンはサーク島の旗を元に、カントン部に自らの紋章を配した旗をブレクー島の旗と定めた[15]。1993年、ブレクー島の土地保有権を購入したバークレー兄弟英語版も同様にサーク島旗に自らの紋章を組み合わせた旗を定めた[16]

1987年、サーク島がアイランドゲームズ英語版に招待された際[17]、島を代表する旗が無いと明らかになった。そのため、領主ジョン・マイケル・ボーモント英語版は領主旗の使用を許可した[11]。旗は2020年6月4日、エリザベス2世によって公式にサーク島へ授与された。これは彼女の生前最後の紋章学的授与となった[18]

関連項目

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ Recent Grants of Arms”. College of Arms. Official registers of coats of arms and pedigrees. 11 May 2023閲覧。
  2. ^ “January 2023 Newsletter (no. 70) - College of Arms” (英語). https://www.college-of-arms.gov.uk/news-grants/newsletter/item/209-january-2023-newsletter-no-70 2023年4月3日閲覧。 
  3. ^ Bailiwick of Guernsey, Channel Islands”. 15 April 2008閲覧。
  4. ^ The Flag of Sark”. BBC News Guernsey (2008年4月3日). 17 January 2022閲覧。
  5. ^ Flag of Sark”. Flag Institute. 17 January 2022閲覧。
  6. ^ Ministry of Justice raises Sark flag for Fief dayMinistry of Justice raises Sark flag for Fief day”. Guernsey Press (2022年8月6日). 9 May 2023閲覧。
  7. ^ Sark flag flown on Ministry of Justice building in London for Liberation Day”. Guernsey Press. ITV (2020年5月10日). 9 May 2023閲覧。
  8. ^ a b "Sark". Encyclopedia Britannica. 2021年6月25日閲覧
  9. ^ Reilly, Lucas (2018年11月6日). “How the World's Only Feudal Lord Outclassed the Nazis to Save Her People”. Mental Floss. 2021年6月25日閲覧。
  10. ^ Lost world: the last days of feudal Sark”. The Independent (22 September 2011). 2021年6月25日閲覧。
  11. ^ a b The Flag of Sark”. BBC (2004年7月22日). 2021年6月25日閲覧。
  12. ^ Bollini, Cristina (2019). “Sark” (Italian). Le bandiere - tutti i colori del mondo. Youcanprint. ISBN 9788831602709. https://books.google.com/books?id=E0KIDwAAQBAJ&q=herbert+pitt+sark&pg=PT38 
  13. ^ Clark, Leonard (1956). Sark Discovered. Dent. p. 8. ISBN 9780234773369 
  14. ^ Sark, Channel Islands”. Crwflags.com. 2021年6月25日閲覧。
  15. ^ Johnson, Henry. “Sark and Brecqhou”. Shima Journal. p. 22. 2021年6月25日閲覧。
  16. ^ “On Island of Sark, Twin British Brothers Joust with Feudalism”. Wall Street Journal. (11 October 2005). https://www.wsj.com/articles/SB112898955858065034 2021年6月25日閲覧。 
  17. ^ Second Island Games Guernsey 1987”. Island Games Association. 2021年6月26日閲覧。
  18. ^ “January 2023 Newsletter (no. 70) - College of Arms” (英語). https://www.college-of-arms.gov.uk/news-grants/newsletter/item/209-january-2023-newsletter-no-70 2023年4月3日閲覧。