サン=テティエンヌ-アンドレジュー鉄道
サン=テティエンヌ-アンドレジュー鉄道はフランスのサン=テティエンヌとアンドレジュー(現アンドレジュー=ブテオン(Andrézieux-Bouthéon))港を結んでいた鉄道である。1827年にフランス最初の鉄道として開業した。当初は馬車鉄道であったが、1844年に貨物列車が、1845年に旅客列車が蒸気機関車に切り替えられた。
概要
[編集]この路線はフォレ盆地の石炭をロアール川の河港であるアンドレジュー港まで運ぶことを目的として敷設された。延長18kmで開業当初は貨物輸送のみの馬車鉄道であったが、1834年より旅客輸送も行った。この路線の最大の問題点はロアール川をアンドレジューまで遡行できる期間が年に数週間程度であって、下流へ荷物を運んだramberteと呼ばれる小型船の多くが遡行せずに下流で安価に売却されていたことであり、このことが石炭価格に悪影響を与えていた。この問題の解決策として、サン=テティエンヌ-リヨン鉄道が1831年に、また、アンドレジュー-ル・コトー鉄道が1833年にいずれも当初より蒸気機関車で開業した。これを受けてサン=テティエンヌ-アンドレジュー鉄道も 1844年に貨物輸送を蒸気機関車による運行に変更し 翌1845年には旅客輸送を蒸気機関車による運行に変更した。サン=テティエンヌ-アンドレジュー鉄道を運営する Compagnie du chemin de fer de Saint-Étienne à la Loire 、サン=テティエンヌ-リヨン鉄道を運営する Compagnie du chemin de fer de Saint-Étienne à Lyon 、アンドレジュー-ル・コトー鉄道を運営する Compagnie du chemin de fer de la Loire の3社は1853年に合併して Compagnie des chemins de fer de jonction du Rhône à la Loire となり、その後の合併を経てフランス国鉄となった。現在、3社の路線は新線に切り替えられた区間も併せて、Ligne de Moret - Veneux-les-Sablons à Lyon-PerracheとLigne de Clermont-Ferrand à Saint-Just-sur-Loireの一部になっている。
参考文献
[編集]- A. Cerclet, Code des chemins de fer: ou Recueil complet des lois, ordonnances, ..., 1re partie, Paris, Mathias, 1845, pages 1-14.
- Pierre Dauzet, Le siècle des chemins de fer en France, 1821-1938, Fontenay-aux-Roses, Bellenand, 1948.
- Jean-Claude Faure et Gérard Vachez, La Loire berceau du rail Français, Éditions ARF, 2000.
- François et Maguy Palau, Le rail en France, les 80 premières lignes, 1828-1851, 1995.