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サンダース・ロー ロンドン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

サンダース・ロー ロンドン

背部燃料増加タンクを装備したロンドン II。イギリス空軍第204スコードロン。

背部燃料増加タンクを装備したロンドン II。イギリス空軍第204スコードロン。

サンダース・ロー A.27 ロンドン(Saunders Roe A.27 London)はイギリスの軍用複葉飛行艇。製造はサンダース・ロー社で、31機の製造に終わったが、サンダース・ロー社にとっては、最も多数生産された機種である。1936年からイギリス空軍での運用が開始された。第二次世界大戦の勃発前には退役予定であったが、後継機種であるサンダース・ロー ラーウィックが失敗作となったため、一部は現役を続けた。

開発

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A.27 ロンドンは空軍省の仕様 R24/31(汎用の外用パトロール用飛行艇)に従って開発が開始され[1][2]、サンダース サヴァーン(Saunders Severn)を基とした。ロンドン及び同時期に開発されたスーパーマリン ストランラー(Supermarine Stranraer)が、イギリス空軍の複葉・複数エンジンの飛行艇としては最後のものとなった[1][2]。試作1号機は、ブリストル ペガサス II(Pegasus II空冷エンジンを2機を、海水の飛沫を避けるために主翼上面に搭載し、1934年に初飛行した。この1号機は、1934年から1936年にかけて、第209スコードロン(フェリクストウ)および第210スコードロン(ジブラルタル)に配備された。

量産機はエンジンをペガサス IIIとし、1936年から配備が開始された。第11号機からはエンジンをペガサス Xに交し、ロンドン Mk.IIの名称が与えられた。初期生産分も、後にエンジンをペガサス Xに交換し、やはりMk.IIと呼ばれた。このモデルは、スーパーマリン サザンプトン(Southampton)の代替として、イギリス空軍第201スコードロン(Calshot)に配備された。1936年10月には、やはりサザンプトンの代替として第204スコードロン(Mount Batten)に配備された。同スコードロンは、翌年にもブラックバーン パース(Perth)の代替としてロンドンが支給された。マルタ島の第202スコードロン(Supermarine Scapaの代替)、第228スコードロン(Pembroke Dock)にも配備された。

1937年から1938年にかけて、第204スコードロンには5機のロンドンが配備されており、シドニー植民地設立150周年記念のためのオーストラリアへの長距離訓練飛行のため、外部燃料タンクが装備されていた。外部タンク使用の場合の航続距離は4180kmであった。

運用歴

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1939年9月、第二次世界大戦が勃発したが、ロンドンは依然としてシェトランド諸島サロム・ヴォウ( Sullom Voe)の第201スコードロン、ジブラルタルの第202スコードロンに配備されていた。インヴァゴードン( Invergordon)の第240スコードロンにも、1939年7月にロンドンが再配備された。これらに配備されたロンドンは、北海地中海のパトロールに従事した。何機かは背部に燃料増加タンクを装備して、航続距離を延ばした。下翼に2000ポンド(907kg)までの爆弾、爆雷または機雷を搭載することができた。ロンドンのパトロール任務は、徐々にロッキード ハドソンのような新型機に代替され、また飛行艇としては、ショート サンダーランドが配備された。何機かはカナダ空軍に移管された[1][2]

バリエション

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試作機
1機
ロンドン Mk.I
10機製造。820馬力のペガサス III エンジン2基を搭載し、プロペラは2枚ブレードであった。後にM.IIに改造された。
ロンドン Mk.II
20機製造。915馬力のペガサス X エンジン4基を搭載し、プロペラは4枚ブレード。

使用者

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カナダの旗 カナダ
イギリスの旗 イギリス
  • イギリス空軍[3]
    • 第201スコードロン(1936年4月 – 1940年4月)
    • 第202スコードロン(1937年9月 – 1941年6月)
    • 第204スコードロン(1936年10月 – 1939年7月)
    • 第209スコードロン(1934年10月 – 1936年2月)
    • 第210スコードロン(1935年10月 – 1935年11月)
    • 第228スコードロン(1937年2月 – 1938年9月)
    • 第240スコードロン(1939年7月 – 1940年7月)

仕様・性能(ロンドン Mk.II)

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出典: War Planes of the Second World War: Volume Five Flying Boats [4]

諸元

  • 乗員: 6名
  • 全長: 17.23 m (56 ft 6 in)
  • 全高: 5.72 m (18 ft 9 in)
  • 翼幅: 24.39 m(80 ft 0 in)
  • 翼面積: 132.4 m² (1,425 ft²)
  • 空虚重量: 5,045 kg (11,100 lb)
  • 運用時重量: 8,364 kg (18,400 lb)
  • 最大離陸重量: 10,000 kg (22,000 lb)
  • 動力: ブルストル ペガサス X 空冷星型、 915馬力 × 2

性能

  • 最大速度: 250 km/h(135ノット) (高度2,000 m)
  • 巡航速度: 206 km/h(111ノット) (高度6,000 m)
  • フェリー飛行時航続距離: 2,800 km(1,510海里)
  • 航続距離: 1,770 km(956海里)
  • 実用上昇限度: 6,067 m (19,900 ft)
  • 上昇率: 6.0 m/s (1,180 ft/min)

武装

  • 爆弾: 爆弾、爆雷、または機雷最大902 kg (2000 lb)
お知らせ。 使用されている単位の解説はウィキプロジェクト 航空/物理単位をご覧ください。

脚注

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  1. ^ a b c March 1998, p. 191.
  2. ^ a b c Mondey 2002, p. 180.
  3. ^ Jefford 2001, pp. 70-73, 76, 78 and 175.
  4. ^ Green 1968, pp. 82-83.

参考資料

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  • Green, William. War Planes of the Second World War, Volume Five: Flying Boats. London: Macdonald & Co. (Publishers) Ltd., 1962 (Fifth impression 1972). ISBN 0-356-01449-5.
  • Jefford, Wing Commander C.G., MBE, BA, RAF(Retd.). RAF Squadrons, a Comprehensive record of the Movement and Equipment of all RAF Squadrons and their Antecedents since 1912. Shrewsbury, Shropshire, UK: Airlife Publishing, 1988 (second edition 2001). ISBN 1-85310-053-6.
  • London, Peter. Saunders and Saro Aircraft Since 1917. London: Putnam (Conway Maritime Press), London, 1988. ISBN 0-85177-814-3.
  • March, Daniel J. British Warplanes of World War II: Combat Aircraft of the RAF and Fleet AIr Arm, 1939-1945. Hoo, near Rochester, Kent, UK: Aerospace Publishing Ltd., 1998. ISBN 1-84013-391-0.
  • Mondey, David. The Hamlyn Concise Guide to British Aircraft of World War II. Hamlyn,1982 (republished 1994 by Chancellor Press, reprinted 2002). ISBN 1-85152-668-4.

関連項目

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外部リンク

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