サラリーマン川柳
サラリーマン川柳(サラリーマンせんりゅう)とは、第一生命保険の企画コンクール。また、ここで詠まれた川柳自体も指す。2023年度からは「サラっと一句!わたしの川柳コンクール」(サラっといっく わたしのせんりゅうコンクール)の名称で発表されている[1]。「サラ川」(サラせん)の略称でも表される。
概要
[編集]コンクールは1985年(昭和60年)に第一生命の社内報の企画として募集開始され、1986年(昭和61年)に最初に発表された[2]。その後1987年(昭和62年)(発表は1988年(昭和63年))から一般公募が始まり、以降毎年募集選考が行われている。
内容は、好不景気や流行語など、その年の流行や世相を反映しながら、サラリーマンの悲哀をユーモラスに詠んだものが多い。
日本漢字能力検定協会の今年の漢字、住友生命の創作四字熟語、東洋大学の現代学生百人一首、自由国民社の新語・流行語大賞と並んで、現代の世相を反映する一つの指標として使われることが多く、入選作が発表されると各メディアで取り上げられる。
働き方の多様化に加え、老若男女を問わずに幅広い人から募集したいとの第一生命の意向から、2023年(令和5年)度発表分から名称を「サラっと一句!わたしの川柳コンクール」に改称することを2022年(令和4年)5月に発表した[1][3]。改名前・後ともに、略称は「サラ川」のままとなる。
評価
[編集]よみうり時事川柳(読売新聞)の選者を務めた柏原幻四郎は、「近頃はやりの『サラリーマン川柳』に見られるような、底の浅いバカ笑い句、ゴロ合わせ川柳」を「わたし達は、この種の笑いを川柳と認めない。ほんとうのユーモアというのは、こんなものではない」と非難している[4]。
月刊川柳マガジンのサラリーマン川柳特集では、「サラリーマン川柳は、社会風刺やブラックユーモア、短絡的な韻やだじゃれに偏るあまり詩(ポエム)としての要素がおざなりになっている」とする。
選考方法
[編集]- まず応募作の中から第一生命が100首を選定。これは2月頃発表される。その後、一般投票によりベスト10首を選ぶ形式となっている。
- 優秀作品は、毎回第一生命のサイトで公開される他、書籍化も行われている。1991年から2010年までは講談社より、2011年から2022年まではNHK出版より出版されている。講談社版の選者は山藤章二、尾藤三柳、第一生命、NHK出版版の選者はやくみつる、やすみりえ(2013年までは島田駱舟)、第一生命。また毎日新聞の経済面で週1回連載される(募集・発表の都合で休載される時期あり)。
出典・脚注
[編集]- ^ a b 竹下由佳 (2022年5月27日). “『サラリーマン川柳』やめます。改名する理由は?”. ハフポスト. 2022年6月9日閲覧。
- ^ ビジネス特集 サラリーマン川柳 30年史 - NHK NEWS WEB(archive.is)
- ^ “「サラリーマン川柳」ベスト10を発表 コロナ禍による暮らしの変化をユーモアや皮肉たっぷりに…”. 日テレNEWS (2022年5月27日). 2022年6月9日閲覧。
- ^ 『震の年―日本史に残る「激動の年」平成七年を川柳で見る』葉文館出版、1996年、5頁。ISBN 4-916067-40-1。
関連項目
[編集]- 綾小路きみまろ(サラリーマン川柳の作品を、自分のネタとして流用していたことを指摘された)
- ペケ×ポン(フジテレビ) 川柳コーナーで入選作品が出題紹介されていた。
- 今年の漢字
- 創作四字熟語
- 東洋大学現代学生百人一首
- 落首
- 落書
- 風刺漫画
- 新語・流行語大賞
- ブラック企業大賞