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コヴイ人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

コヴイ人[1](コヴイじん、ロシア語: Ковуи)はキエフ・ルーシ期のテュルク系の、民族[2](あるいは部族[3])である。

コヴイ人は11 - 12世紀に黒海沿岸のステップポロヴェツ族が占有した後にルーシ領域内に集団移住し、12 - 13世紀にはドニエプル川左岸の森林ステップ地帯(ru)[注 1]に住み、チェルニゴフ公に従属した。

イパーチー年代記』には、1185年ノヴゴロド・セヴェルスキー公イーゴリのポロヴェツ族への遠征に、チェルニゴフ公国ヴォエヴォダ・オリスチン揮下の一軍として参加したことが言及されている[1]。なお、この遠征を題材とした『イーゴリ遠征物語』には、チェルニゴフ公ヤロスラフに属するモグトタトラン、シェルビル、トプチャク、オルベルという集団が言及されている[5]。これらもヤロスラフに従属するテュルク系部族名、あるいは族長名と考えられる[3]

脚注

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注釈

  1. ^ 「森林ステップ地帯」はロシア語: Лесостепьの直訳による。森林・草原の中間地帯[4]

出典

  1. ^ a b 木村彰一 「付録 イーゴリの遠征にかんする『イパーチイ年代記』の記事」 // 『イーゴリ遠征物語』p126
  2. ^ ковуи // Этимологический словарь русского языка Макса Фасмера
  3. ^ a b 木村彰一『イーゴリ遠征物語』p174
  4. ^ 井桁貞義『コンサイス露和辞典』p416
  5. ^ 木村彰一『イーゴリ遠征物語』p72

参考文献

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  • 木村彰一 訳註 『イーゴリ遠征物語』 岩波書店、1983年
  • 井桁貞義編 『コンサイス露和辞典』 三省堂、2009年