コルモラン (ミサイル)
種類 | 空対艦ミサイル |
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製造国 | 西ドイツ |
性能諸元 | |
ミサイル直径 | 34.4 cm |
ミサイル全長 | 4.4 m |
ミサイル全幅 | 100 cm |
ミサイル重量 |
1型: 600 kg 2型: 630 kg |
弾頭 | 160 kg (HE 55 kg) |
射程 |
1型: 30 km以上 2型: 55 km以上 |
推進方式 | 固体燃料ロケット |
誘導方式 |
中間航程: INS 終末航程: ARH |
飛翔速度 | マッハ0.9 |
コルモラン(ドイツ語: Kormoran)は、西ドイツで開発された空対艦ミサイル[1]。形式番号はAS.34[2]。
来歴
[編集]1962年より、メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム(MBB)社において研究開発が着手され、その後フランスのノール・アビアシオン(後のアエロスパシアル)社も参画した。最初の試射は1967年に行われ、1974年に実戦配備が承認された。最初の量産弾は、1977年12月にドイツ連邦海軍に引き渡された[2]。
また1983年には、射程延伸や弾頭大型化などを図った発展型としてコルモラン2の開発が開始され、1991年1月には配備可能と宣言、1996年より就役した[2]。
設計
[編集]ミサイルの誘導方式は、中間航程では慣性誘導、終末航程ではアクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)方式とされている。射撃モードは、ミサイルのシーカーにより目標を捕捉・追尾する「レーダー追尾」(lock-on)、母機のレーダーによって目標を捕捉・追尾する「レーダー捕捉」(acquisition)、および「目視」の3つがある[2]。レーダーは優れた電子防護性を備えている[1]。
弾頭重量は160キログラム、炸薬量は55キログラムである。ペイロードは16個の底浅な自己鍛造弾(P-charges)から構成されており、それぞれ70〜90ミリメートルの装甲を貫徹できた[1]。またコルモラン2では、弾頭重量は99.8 kgに強化されている[2]。
本ミサイルは、低空飛行中の攻撃機であっても、短時間ポップ・アップするだけで発射可能なように設計されていた[2]。攻撃中にマッハ0.6から0.95を維持できて、目標を探知するレーダーと自動航法装置を備える攻撃機であれば搭載可能とされているが、運用のためにはPHI(position and homing indicator)および発射機構を備える必要があった[1]。
配備
[編集]本ミサイルは、洋上航空阻止任務におけるトーネード IDSの主兵装として、ドイツ海軍航空隊やイタリア空軍で運用されていた[2]。またドイツ海軍航空隊では、F-104Gにも搭載された[1]。運用は2012年までに終了した。
出典
[編集]参考文献
[編集]- Friedman, Norman (1997), The Naval Institute Guide to World Naval Weapon Systems 1997-1998, Naval Institute Press, ISBN 9781557502681
- Taylor, John W. (1982), Jane's All the World's Aircraft 1982-83, Jane's Publishing Company Limited, ISBN 978-0710607805