コミュニティフリッジひまわり
コミュニティフリッジひまわり(Community Fridge Himawari)は、福島県にある公共冷蔵庫(Community Fridge:コミュニティフリッジ)であり、「お互いさま」精神をテーマに運営されている[1]。運営団体は、NPO法人チームふくしま。
設立背景
[編集]コミュニティフリッジひまわりは、福島県内で食料支援の取り組みとして設立された。元々、公共冷蔵庫は欧米を中心に普及していたが、日本においても、コロナ禍における経済情勢の悪化や、昨今の価格高騰により、普及し始めた。
日本では、岡山県で最初の公共冷蔵庫が設立され[2]、以降様々な地域で開設されている。
沿革
[編集]2022年2月3日 福島市のアパートの一室に、コミュニティフリッジひまわり開設[3]。
その後、地元スーパーの協力の下、市内の別の町に移転。
2022年9月 利用者数は約60世帯に[4]。
2022年10月 利用者数は約80世帯に[5]。
2023年5月 利用者数は約100世帯に。
近年の物価上昇の下、フリッジの食品の減りは早いため、食料の安定供給の確保が当面の課題であると認識されている[5]。
システム
[編集]コミュニティフリッジひまわりは、食料や日用品といった生活必需品の提供を目的とした公共冷蔵庫である。利用者は事前登録制になっており、登録されるとフリッジを利用できるようになる。
フリッジ内には冷蔵庫、冷凍庫、棚などが備えられており、寄付された食料・日用品が並んでいる。
利用者はスマートフォンを利用してドアの開閉ができるため、無人での利用が可能となっている。これにより、人目を気にせずフリッジを利用することができる。
部屋には、食料品以外にも、就職支援情報や、その他有益な情報が提供されており、食料にとどまらない支援が行われている。
また、メッセージボードが設置されており、利用者からのメッセージが多々寄せられる。このメッセージは公式Facebookにて紹介されている。
公共冷蔵庫のアパートタイプという形式に限定すれば、日本初の試みである[6]。
登録制度
[編集]利用者は事前登録が必要。
対象者は、福島県在住で、児童扶養手当や就学援助を受給する親子、または福島県在住で奨学金を受給する学生。
協力団体と支援活動
[編集]コミュニティフリッジひまわりは、「フードプレゼンター」と呼ばれる地元住民からの食料・日用品の寄付と、企業からの寄付、そしてオンラインの「スマートサプライ」を活用して、利用者へ食料や日用品を提供している。
プロジェクトの拠点となっているアパートは、地元のスーパーマーケットから本プロジェクトのために提供されたもの。さらに、地元の福祉作業所が協力し、フリッジ内の整理整頓と清掃活動を行い、プロジェクトの運営を支援している。この協力体制により、コミュニティフリッジひまわりは食料等の支援を行い、地域社会に貢献している。
脚注
[編集]- ^ “【東日本初】みんなの公共冷蔵庫「コミュニティフリッジ」 福島県福島市に2月3日(木)より開所”. 2022年12月19日閲覧。
- ^ 「困った時 公共冷蔵庫…コロナ下 困窮家庭支える」『読売新聞』2021年9月16日。
- ^ 「困ったら来て、公共冷蔵庫 福島のNPO、きょうオープン」『朝日新聞』2022年2月3日、朝刊21ページ 福島全県。
- ^ 「食料支援協力を」『福島民報』2022年9月20日。
- ^ a b 「冷蔵庫を本格運用、困窮者へ広がる支援 福島のNPO、企業の寮の一室で」『朝日新聞』2022年10月3日、朝刊21ページ 福島全県。
- ^ 「無人倉庫:「公共冷蔵庫」福島に寄付の食品など無料でどうぞ アパートで日本初子育て家庭ら支援」『毎日新聞』2022年2月7日、地方版/福島 25ページ。