ゲオルク・マルクグラーフ
ゲオルク・マルクグラーフ(Georg Marggraf 、オランダの書物ではGeorg Marcgrave 、またはMarcgraf、1610年9月20日 - 1644年1月)はドイツ生まれの博物学者である。オランダによるオランダ領ブラジルの探検に参加した。
略歴
[編集]ザクセン州のリープシュタットに生まれた。父親は校長でオルガニストであった。ストラスブルク大学などドイツ各地の大学で学び、最終的にオランダのライデン大学で学んだ。オランダ領ブラジルの総督ナッサウ=ジーゲン伯ヨハン・マウリッツのブラジル探検隊の隊員として、博物学者のウイレム・ピソ、画家のフランス・ポスト、アルベルト・エクハウトとともに選ばれた。
3年間にわたって、南緯5度から11度の海岸の海図を造り、グランデ川やサンフランシスコ川を遡り内陸への探検を行った。これらの探検の間に、天文学や植物学の研究を行い、気象の記録を残した。1640年11月3日には、南米大陸で日食の最初の科学的記録を残した。レシフェに動植物園を設けた。
1644年にアンゴラのルアンダで熱病で没した。
没後、マルクグラーフの残した科学的な記録はナッサウ=ジーゲン伯によってヨーロッパに持ち帰られ、一部の鳥類に関するの記録はマルクグラーフを隊員に推薦したデ・レート(Johannes de Laet)に渡り、"Historia Naturalis Brasiliae"(「ブラジルの自然史」)の5版で発表された。マルクグラーフの作成した地図は"Atlas Basiliensis" として出版された。マルクグラーフの標本は博物学者ヴォーム(Villum Worm)を通じて、コペンハーゲン植物研究所に収められた。リンネは1751年にその標本を高く評価した。
ツツジ目の植物の科の名前、マルクグラウィア科(Marcgraviaceae)、属名Marcgraviaはマルクグラーフに因んで命名された。
著作
[編集]- Willem Piso, Georg Marggraf: Historia Rerum Naturalis Brasiliae. Leiden und Amsterdam 1648.
- Georg Marggraf: Tractatus Topographicus & Meteorologicus Brasiliae, cum Eclipsi Solari; Quibus addit sunt Illius & Aliorum Commentarii De Brasiliensium & Chilensium Indole & Lingua. In: Willem Piso: De Indiae utriusque re Naturali et Medica. Amsterdam 1658 S. 1–39 (nach Buch IV Pisos).
- Georg Marggraf: História Natural do Brasil. 1648年の Historia Rerum Naruralium Brasiliaeのゲオルク・マルクグラーフの記述部分のポルトガル語版. Rio de Janeiro 1942.
参考文献
[編集]- Eugene Willis Gudger: George Marcgrave, the first student of American natural history. In: The Popular Science Monthly Nr. 81 (1912) S. 250–274.
- Gerd Hauswald: Forschungsreise nach Brasilien. Wiederentdeckung eines sächsischen Naturforschers. In: Sächsische Heimatblätter 5 (1961) S. 271–274.
- Elly Albertin: Fauna und Flora der „Neuen Welt“. Die Irrfahrt von Zeichnungen Eckhouts, Pisos und Markgrafs. In: Brasilien – Entdeckung und Selbstentdeckung 1992 S. 82–88.
- Egon Klemp: Georg Markgraf als Naturforscher, Landmesser und Kartograph in Brasilien (1638–1643). In: Cartographica Helvetica 8 (1993) S. 44–46 Volltext
- D. Bento José Pickel: Flora do Nordeste do Brasil segundo Piso e Marggrave no Século XVII. (Hrsg. Argus Vasconcelos de Alemida). Recife 2008.