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ケーシング法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ケーシング法は、歯科の骨造成において、従来では不可能であった垂直的骨造成を可能にする方法である。東京医科歯科大学の小木曽誠・峯野誠司らのグループにより開発され特許にもなっている。

概要

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従来のGBR法などでは、柔らかい膜を使用するため、水平的な骨造成は可能であっても、垂直的骨造成は難しいものであった。チタンメッシュなどのフレームが入っている膜を使用する方法もあるが、操作性が難しく確実な垂直的骨造成は難しい。

このケーシング法では既存骨の上に、作りたい骨の形状などをCTなどで事前に予測し、それに合わせたケースを作製する。そのケースを既存骨上に設置し、ケース内にリン酸カルシウム系の人工骨を入れることで、垂直的骨造成が可能となっている。人工骨としては、ハイドロキシアパタイト、βーTCPなどを入れる。

リン酸カルシウム系人工骨には、結晶構造により骨誘導能をもつものがある。従ってケーシング法などの骨造成にはどのような人工骨を使うかが、非常に重要なものとなっている。

ケーシング法では、口腔粘膜を縫合する際、減張切開をして縫合するが、骨造成の範囲が大きい場合いかに減張切開を行うかが今後の課題となっている。

歯槽骨増強に関する多くの研究が報告されているがオンレー骨増強のために,好ましい新しい骨を得ることは困難である。骨増強の成功のために,高い骨形成活性と創傷安定化を有する移植片材料の使用が必要である。ポリエチレンテレフタレート(PET)症例(Casing法)を用い,イヌの下顎歯槽骨の頬面での骨増強を行った。

本研究の目的は,外部の骨増強のためのCasing法の実現可能性を組織学的に調べることであった。ビーグル犬を本研究のために選択した。抜歯後12週間で,PET症例を下顎歯槽骨の頬表面に置き,ヒドロキシアパタイトとβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)粒子(体積比1:1)の混合物で充填し,血漿に懸濁した粉砕した自家骨(超微細骨粉)を含浸した。

骨移植の4,8および16週後に,非石灰化切片を組織学的に検討した。4週間で,粒子表面上の新しい骨形成がPET症例の元の骨側で観察された。16週で,骨形成は,症例内のほとんど全ての領域で観察できた。増強領域の割合(新しい骨で囲まれた新しい骨と粒子を含む)は,4週(10.5%±4.8%)または8週(69.6%±15.6%)より16週(85.7%±6.0%)で有意に大きかった。この研究の結果は,Casing法を用いたオンレー骨増強が,組織学的に好ましい新しい骨形成を生じる相当な可能性を有することを示す。[1]


参考文献

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論文掲載:イヌ顎骨顎堤部におけるケーシング法を用いた大幅な顎骨増殖に関する基礎的検討

提唱者:丸山起一 (東京医歯大 大学院医歯学総合研究科 歯周病学分野) ,  小木曽誠 (東京医歯大 大学院医歯学総合研究科 歯周病学分野) ,  小野彌 (東京医歯大 大学院医歯学総合研究科 歯周病学分野) ,  峯野誠司 (進盛会) ,  和泉雄一 (東京医歯大 大学院医歯学総合研究科 歯周病学分野)

脚注

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出典

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  1. ^ Maruyama Kiichi (Department of Periodontology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University, 1-5-45 Yushima Bunkyo-ku, Tokyo, Japan) , Ogiso Makoto (Department of Periodontology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University, 1-5-45 Yushima Bunkyo-ku, Tokyo, Japan) , Ogiso Makoto (Shinseikai Medical Corporation, 4-8-11 Kohinata Bunkyo-ku, Tokyo, Japan) , Mineno Seiji (Shinseikai Medical Corporation, 4-8-11 Kohinata Bunkyo-ku, Tokyo, Japan) , Ono Wataru (Department of Periodontology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University, 1-5-45 Yushima Bunkyo-ku, Tokyo, Japan) , Izumi Yuichi (Department of Periodontology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University, 1-5-45 Yushima Bunkyo-ku, Tokyo, Japan). “ケーシング法を用いたオンレー増強後の歯槽骨の組織学的変化【JST・京大機械翻訳】”. 2024年9月10日閲覧。