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ケプラー36

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケプラー36
Kepler-36
星座 はくちょう座
見かけの等級 (mv) 11.94[1]
分類 恒星
準巨星
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  19h 25m 00.0430855076s[1]
赤緯 (Dec, δ) +49° 13′ 54.631289830″[1]
赤方偏移 0.000031[1]
視線速度 (Rv) 9.39 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 0.970 ミリ秒/[1]
赤緯: -8.073 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 1.8654 ± 0.0215ミリ秒[1]
(誤差1.2%)
距離 1750 ± 20 光年[注 1]
(536 ± 6 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 3.3[注 2]
物理的性質
半径 1.626 ± 0.019 R[2]
質量 1.071 ± 0.043 M[2]
平均密度 0.3511+0.0053
−0.0052
g/cm3[2]
表面重力 4.045 ± 0.009 (log g)[2]
自転速度 4.9 ± 1.0 km/s[2]
光度 2.9 L[2]
表面温度 5,911 ± 66 K[2]
金属量 -0.20 ± 0.06 [m/H][2]
年齢 68 ± 10 億年[2]
他のカタログでの名称
Gaia DR2 2129931456691176576[1]
KOI-277[1]
KIC 11401755[1]
2MASS J19250004+4913545[1]
Template (ノート 解説) ■Project

ケプラー36英語: Kepler-36)とは、はくちょう座の方向に1,750光年離れた位置にある恒星である。

特徴

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大きさの比較
太陽 ケプラー36
太陽 Exoplanet

ケプラー36は質量よりも半径のほうが値が大きい為、表面の重力密度の値は太陽より小さくなる。このことから恒星は主系列星の段階を終え、間もなく赤色巨星になる、準巨星の段階にあるとされている[2]

2012年に、ケプラー宇宙望遠鏡の観測により2つの太陽系外惑星が発見された[2]。この2つの惑星は、互いの軌道が非常に接近している[3][4]

2つの惑星は似たような軌道半径を持つにもかかわらず、平均密度には一桁近い差がある。内側の惑星b(平均密度7.2g/cm3)はほぼ岩石のみで構成される地球型惑星であるのに対し、外側の惑星c(平均密度0.82g/cm3)は水素・ヘリウムの外層を持つガス惑星だと考えられている。このような極端な組成の違いは惑星大気の光蒸発によって説明づけられた[5]

ケプラー36の惑星[2]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b 4.45+0.33
−0.27
 M
0.1153±0.0015 13.83989+0.00082
−0.00060
<0.039 90.01+0.69
−0.71
°
1.486±0.035 R
c 8.08+0.60
−0.46
 M
0.1283±0.0016 16.23385+0.0038
−0.00054
<0.033 89.98+0.54
−0.53
°
3.679±0.054 R

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m Result for KOI-277”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2018年10月6日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l Carter, J. A.; Agol, E.; Chaplin, W. J. et al. (2012). “Kepler-36: A Pair of Planets with Neighboring Orbits and Dissimilar Densities”. Science 337 (6094): 556–559. arXiv:1206.4718. Bibcode2012Sci...337..556C. doi:10.1126/science.1223269. 
  3. ^ Planetrise: Alien World Looms Large in its Neighbor's Sky”. Harvard Smithsonian Center for Astrophysics (2012年6月21日). 2018年10月6日閲覧。
  4. ^ 惑星間の距離が最も近い惑星系を発見”. AstroArts (2012年6月29日). 2018年10月6日閲覧。
  5. ^ Lopez & Fortney (2013), アストロフィジカルジャーナル 776: 2, Bibcode2013ApJ...776....2L 

関連項目

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外部リンク

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