グンロズ
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北欧神話において、グンロズ、グンレズ[2]、もしくはグンレッド(古ノルド語: Gunnlöð、英語: Gunnlod)は、巨人のスットゥングの娘である。彼女は、父が詩の蜜酒を保管した山、フニットビョルグの中の穴に見張りとして居させられた。スノッリ・ストゥルルソンが『詩語法』において伝えるところによると、彼女のもとにオーディンが来て、彼女を口説き、3夜を共にした。彼によってすっかり魅惑させられたグンロズは、とうとう蜜酒の3口分をオーディンが飲むことを許した。ところがオーディンは彼女を騙し、蜜酒全てを飲み込むとその場を逃げ去った[3][1]。
しかし『古エッダ』の『高き者の言葉』第105 - 108節は、少し異なる物語を語っている[4]。
- グンロズは黄金の椅子に儂を座らせ、
- 儂に貴重な蜜酒をついだ。
- それに対し儂からの悪い報いを彼女は得た。
- 彼女の素晴らしくて情熱的な愛情に対し、
- 彼女の思い悩むような不吉な気持ちに対し。
- (略)
- 決して儂は生きて帰って来られなかった、
- 残忍なトロールの庭から。
- 善良な女性、グンロズの助けがなければ、
- その腕で儂を包んだ女性の。
物語のこの改作から、グンロズが進んでオーディンを助け、そのためオーディンがお返しに彼女の幸福を考えていたようである。
脚注
[編集]関連項目
[編集]- 詩の蜜酒
- グンレード (小惑星) - 名称はグンロズに由来。
参考文献
[編集]- V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
- 「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」谷口幸男訳、『広島大学文学部紀要』第43巻No.特輯号3、1983年。