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グリーン水素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

グリーン水素(グリーンすいそ、英語: green hydrogen)とは、水の電気分解によって生産される、生成過程でCO2を排出しない水素である[1]

他の水素の分類として、化石燃料から抽出されるグレー水素wikidata英語: grey hydrogen)や、化石燃料から抽出する際にCO2を分離回収し地中貯留などを行いCO2の大気中への放出を防いだブルー水素英語: blue hydrogen)などがある[2]

製造方法

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製造方法は主に、アルカリ水電解、PEM(高分子電解質膜英語版)、高温水蒸気電解の3方式がある[3]

アルカリ水電解

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水酸化カリウム溶液の電気分解により酸素と水素を製造する[4]

NEDO実証では設備コスト5.2万円/kWを目指している[5]

PEM(固体高分子膜)

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純水の電気分解によって酸素と水素を製造する[4]

NEDO実証では設備コスト6.5万円/kWを目指している[5]

AEM(アニオン交換膜)

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アルカリ水電解型とPEM型を組み合わせ、触媒などに貴金属を使用しないのが、AEM型である。製造コストはPEM型に比べて約二割下がる。[6]

高温水蒸気電解

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900℃近い高温の水蒸気を電気分解することで、酸素と水素を製造する。

電気分解に必要なエネルギーの一部を熱で補うため、効率が高い[7]

高温の水蒸気での水素精製技術としては、電気分解を用いず、ヨウ素(I)と硫黄(S)を用いて水を分解するISプロセスも研究されている[8]。集光型太陽熱などで実現可能な温度である650℃での反応の成功事例がある[9]

脚注

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  1. ^ グリーン、ブルーにターコイズ…7色で表す水素は何が違う? 【政経電論】”. 政経電論 (2021年9月25日). 2023年1月24日閲覧。
  2. ^ 新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ- | 一般財団法人 新エネルギー財団”. www.nef.or.jp. 2023年1月24日閲覧。
  3. ^ 水素も脱炭素も任せろ 東レの世界最高レベルのすごい膜 | EnergyShift”. EnergyShift(エナジーシフト) (2021年9月15日). 2023年1月24日閲覧。
  4. ^ a b 次世代エネルギー「水素」、そもそもどうやってつくる?”. 経済産業省 資源エネルギー庁. 2023年1月24日閲覧。
  5. ^ a b 再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造”. NEDO グリーンイノベーション基金. 2023年1月24日閲覧。
  6. ^ 日経クロステック(xTECH) (2021年12月6日). “水電解技術のダークホース「AEM形」 安価な鉄が高性能触媒に”. 日経クロステック(xTECH). 2024年4月10日閲覧。
  7. ^ 高温水蒸気電解法 - ATOMICA -”. atomica.jaea.go.jp. 2023年1月24日閲覧。
  8. ^ 高温ガス炉による水素製造が実用化へ大きく前進 ―実用工業材料で製作した水素製造試験装置を用いた熱化学法ISプロセスによる150時間の連続水素製造に成功―|日本原子力研究開発機構:プレス発表”. www.jaea.go.jp. 2023年1月24日閲覧。
  9. ^ 太陽熱で効率40%の水素製造を実現へ、製造プロセスの大幅な省エネに成功”. スマートジャパン. 2023年1月24日閲覧。

外部リンク

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