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ジープ・グランドチェロキー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グランドチェロキーから転送)

グランドチェロキーGrand Cherokee)は、ジープブランドで販売されるクライスラーSUVである。

米国ミシガン州のジェファーソンノース工場で製造されているが(後述のグランドチェロキーLはマックスアベニュー完成車工場)、ヨーロッパ向けの車両はオーストリアマグナ・シュタイア(グラーツ工場)によって製造される。

Jeep GrandCherokee SRT

歴代モデル

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初代 ZJ(本国モデル)・ZG(輸出モデル)(1993年-1998年)

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ジープ・グランドチェロキー(初代)
ZJ・ZG
前期型(1993年-1995年)
後期型(1996年-1998年)
概要
販売期間 1993年 - 1998年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 FR/4WD
パワートレイン
エンジン 直6 4L AMC
直6 4L AMC パワーテック
V8 5.2L マグナム
V8 5.9L マグナム
直4 2.5L 425 OHV
変速機 4AT/5MT
車両寸法
ホイールベース 2,690mm
全長 4,488mm(前期型)
4,500mm(後期型)
全幅 1,758 - 1,795mm
全高 1,648mm
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1992年北米国際オートショーで発表され、翌1993年に販売開始。当初は1980年代後半に発売される予定であったが、クライスラーのCEOリー・アイアコッカにより試作車の再設計が命じられたため、1993年にフォード・エクスプローラーの対抗車種として発売された。

エンジンは、AMCの直列6気筒4Lエンジンが搭載され、さらに1996年からはAMCのパワーテックエンジンに変更された。さらにV型8気筒エンジンは5.2Lマグナムエンジンが搭載され、1998年には4.9Lマグナムエンジン搭載モデルも用意された。また欧州仕様車には、VMモトリ製直列4気筒2.5Lの425 OHVディーゼルエンジンも搭載された。

駆動方式は四輪駆動後輪駆動が用意され、4WDシステムはセレック・トラック4WDと、クォドラ・トラックフルタイム4WDが採用され、1996年まではコマンド・トラックパートタイム4WDも採用された。

1993年モデルには、V8 5.2Lエンジンを搭載したグランドチェロキーの上級モデルを、ジープ・グランドワゴニアとして台数限定で販売した。

1996年、マイナーチェンジ。外観については、フロントグリルやバンパーなどが変更され、フォグランプが装備された。新たにデュアルエアバッグが装備され、フェンダー部の車名書体がAMCのものからクライスラーのものに変更された。また、AMCの直列6気筒4Lエンジンも改良された。

2代目 WJ(本国モデル)・WG(輸出モデル)(1999年-2004年)

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ジープ・グランドチェロキー(2代目)
WJ・WG
前期型(1999年-2003年)
概要
販売期間 1999年 - 2004年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 FR/4WD
パワートレイン
エンジン 直6 4.0L パワーテック
V8 4.7L パワーテック
V8 4.7 L H.O. パワーテック
直5 2.7L OM647
直5 3.1L 531 OHV
変速機 4AT/5AT
コイルリジッド
コイルリジッド
車両寸法
ホイールベース 2,690mm
全長 4,605 - 4,613mm
全幅 1,836 - 1,844mm
全高 1,763 - 1,786mm
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1999年発売。ダイムラー・クライスラーが発足してからのモデルだが、初代モデルから127種類の部品が流用された。

ポルシェのエンジニアリングによって、軽量化と堅牢化が施された。またスペアタイヤの位置が、荷室のサイドから床下に変更された。

直6は、初代に続きAMCの4.0Lのパワーテックエンジンだが、インテークマニホールド及びエキゾーストマニホールドが改良され若干パワーアップされたものが搭載された。V8エンジンは2種類とも設計の新しいパワーテックエンジンに変更された。トランスミッションは、自社製の42REおよび45RFE 4速ATと、545RFE 5速ATが組み合わせられ、MTは廃止された。四輪駆動システムでは、新たにクォドラ・ドライブIIがオプションで設定された。

内装も全面的に刷新され、リアドアが大型化されるなど後部座席の乗員スペースが拡大された。

同年、VMモトーリとデトロイトディーゼルによって共同開発された直列5気筒 3.1Lディーゼルターボエンジンが、欧州およびオーストラリア市場向け車両に搭載された。

2002年メルセデス・ベンツの直列5気筒 2.7L OM647型ディーゼルエンジンを、欧州向け車両に搭載。

2004年モデルではフェイスリフトが行われ、フロントグリルの形状などが変更されたが、同年にフルモデルチェンジが行われた。また、2004年には、このモデルの生産終了にあたり、生産設備が中国の北京ジープ(北京吉普汽車)に売却され、2006年から中国で販売が開始された。なお、中国仕様車には、直6 4.0Lおよび、V8 4.7Lエンジンが搭載される。

3代目 WK(本国モデル)WH(輸出モデル)(2005年-2010年)

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ジープ・グランドチェロキー(3代目)
WH
前期型(2005年-2007年)
後期型(2008年-)
概要
販売期間 2004年-2010年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 FR/4WD
パワートレイン
エンジン V6 3.7L パワーテック
V8 4.7L パワーテック
V8 5.7L HEMI
V8 6.1L HEMI SRT-8
V6 3L OM642
変速機 5AT
車両寸法
ホイールベース 2,781mm
全長 4742 - 4953mm
全幅 1,862mm
全高 1,694 - 1,745mm
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2004年に2005年モデルとして発売。四輪駆動システムは、クォドラ・ドライブIIを採用し、リアシート用DVDプレーヤーも設定された。

NVHが改善され、さらに、ジープでは初めてオンロード性能が謳われたモデルでもある。これは、ジープの購入層の増加を狙ったものであるが、オフロード性能は一部後退した。

エンジンは、V型6気筒 3.7 Lパワーテックエンジンと、V型8気筒 4.7 Lパワーテックエンジンが搭載され、V型8気筒 5.7 L ヘミエンジンがオプションで設定された。また、2006年モデルからは、V型8気筒 6.1 Lヘミエンジンも搭載された。さらに、欧州、南アメリカ、オーストラリアでは、メルセデス・ベンツの、V型6気筒 3.0 L OM642型コモンレールターボディーゼルエンジンが搭載され、北米でも2007年から搭載された。

2007年には、フランスアルデシュ県で開かれたユーロ・キャンプ・ジープにおいて、ヨーロッパデビューを果たした。

また、日本では2005年7月9日に発売された。

2008年モデルでは、フェイスリフトが行われ、ヘッドランプの下部も円状になった。また、2009年モデルでは、5.7 Lヘミエンジンが改良された。

4代目 WK2(2010年-2021年)

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ジープ・グランドチェロキー(4代目)
WK2
フロント
リア
概要
販売期間 2010年-
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 FR/4WD
パワートレイン
エンジン V6 3.6L
V8 5.7L HEMI
V8 6.1L HEMI SRT-8
変速機 5AT
車両寸法
ホイールベース 2,916mm
全長 4.821mm
全幅 1,938mm
全高 1,760mm
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2009年4月のニューヨーク国際オートショーにて、4代目が発表され、翌2010年に2011モデルとして発売が開始された。

ダイムラー・クライスラー時代に開発がスタートした関係で、プラットフォームなどのハードウェアの約30%をメルセデス・ベンツ・Mクラス(3代目、W166型)と共用。同時に、ダイムラーから技術関与を受ける最後の車両でもある。従来同様、仕向け地により左右ハンドルの両仕様が用意され、グローバルに展開される。それによってSUVからクロスオーバーSUVとなった。

新設計の4WDシステム「クォドラトラックII」や「セレクテレインシステム」の採用などに加え、ジープ初のエアサスペンションとリヤにマルチリンクを備えた4輪独立懸架式サスペンションを採用したことで、オンロードでの性能も大幅に向上した。

エンジンはV8/5.7L・HEMIや6.4L・HEMIの設定もあるが、販売の主力となるモデルは可変バルブ機構を備えた3.6LのV6・DOHCに換装された。最高出力286PS、最大トルク35.4kg-mを発生するこのユニットは、従来の4.7L・V8をパワーで55PS上回る一方、約10%の燃費向上を果たしている。トランスミッションは5ATを継承。

インテリアは各パーツの精度を向上させるとともに、カーゴルームの拡大やフロントやリアドアの開口角度を拡大。いずれも既存ユーザーの意見を形にした。リアシートリクライニング機能の採用については日本のユーザーの意見を反映させたものである[1]

なお、このモデルは廃止となったコマンダーの客層を補完する役割も担っている。

2011年2月23日 日本仕様が発表された(発売開始は3月12日)。

マイナーチェンジ(2014)

  • 2014年モデル(日本では2013年11月23日発売開始)より、インテリア、エクステリア、エンジン等、大幅なマイナーチェンジが行われる。
jeep GrandCherokee 2014

マイナーチェンジ(2017)

  • ジープ伝統の「セブンスロットグリル」の高さを短くするなどフロントマスクを新しくしたほか、先進安全装備や快適装備などの充実を図った。現行型グランドチェロキーのマイナーチェンジは、2011年の国内導入以来、2度目となる。

トラックホーク(2018)

  • FCAジャパンは、ジープのフラッグシップSUV『グランドチェロキー』に高性能モデル「トラックホーク」を設定し、1月25日に受注を開始した。オフロード性能だけでなく、レーシングトラックとしての走行性能も追求したジープ史上最強の高性能モデルである。パワートレーンは最高出力707psを発生する6.2 L V8スーパーチャージャーエンジンと8速ATの組み合わせ。0-60マイル(96km)加速3.5秒、最高速度は約290km/hに達する。

5代目 WL(2021年- )

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ジープ・グランドチェロキー/グランドチェロキーL(5代目)
WL
グランドチェロキーL フロント
概要
販売期間 2021年-
ボディ
乗車定員 5人(グランドチェロキー)
6/7人(グランドチェロキーL)
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 FR/4WD
パワートレイン
エンジン V6 3.6L
V8 5.7L HEMI
L4 2.0L ターボ
L4 2.0L ターボ PHEV
変速機 8AT
車両寸法
ホイールベース 2,965mm(グランドチェロキー)
3,090mm(グランドチェロキーL)
(以下、数値は日本仕様)
全長 4,900mm(グランドチェロキー)
5,200mm(グランドチェロキーL)
全幅 1,980mm
全高 1,815mm
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2021年1月、アメリカ国内にて公開された。新型は標準仕様の「グランドチェロキー」とロングホイールベース版の「グランドチェロキーL」の2本立てとなり、前者はミシガン州デトロイトジェファーソンノース工場、後者は同州にあるマックスアベニューエンジン工場の敷地内に新設されたマックスアベニュー完成車工場にて生産される。

エクステリアは初代SJ型ワゴニアがモチーフになっており、ワゴニアから優雅なプロポーションや広々としたキャビン、ならびに特徴的な逆スラントノーズを継承[2]するとともに、ジープブランドのアイデンティティである7スロットグリルと台形のホイールアーチも採用する。

インテリアにはジーププブランド初となるダイヤル式のシフトノブ「ロータリーシフト」が全車に採用され、ZF製の8速ATが組み合わされる。

プラットフォームは一新され、アルファロメオ・ジュリアや同ステルヴィオに採用される「ジョルジオ プラットフォーム」をストレッチさせたものをジープブランドで初めて採用。駆動方式はジープの伝統に従った2種の4輪駆動(クアドラトラック、クアドラトラックII)と後輪駆動の3種である。

パワートレインはV6・3.6L、V8・5.7L HEMIに加え、グランドチェロキー初となるプラグインハイブリッド仕様も用意される。

グランドチェロキーLを例にとると、アメリカ本国におけるグレードは「Laredo」「Limited」「Overland」「Summit Reserve」の4種が用意される。

2021年12月13日には日本仕様の「グランドチェロキーL」が発表され、7人乗りの「Limited」と6人乗りの「Summit Reserve」の2種が用意される(全車V6・3.6L+8AT+クアドラトラックIIの組み合わせ)。後者には計19個のスピーカーを備えたマッキントッシュプレミアムサウンドシステム、マッサージ機能付きフロント16WAYパワーシート、ハンズフリーパワーゲート、デジタルリヤビュールームミラー等を備える。

2022年10月24日、日本向け「グランドチェロキー」を追加。全長とホイールベースが大幅に短縮された上で全車5人乗りとなり、全車4気筒ターボエンジンを採用するが、グランドチェロキー初となるプラグインハイブリッド仕様である「4xe」も設定された。 グレードはターボが「Limited」、4xeが「Limited」と「Summit Reserve」の2種(この追加を機に、Lのグレード名が「L Limited」と「L Summit Reserve」に改称された)。

脚注

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外部リンク

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関連項目

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