クロホシマンジュウダイ科
クロホシマンジュウダイ科 | |||||||||||||||||||||
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クロホシマンジュウダイ Scatophagus argus
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Scatophagidae Gill, 1883[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム[1] | |||||||||||||||||||||
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英名 | |||||||||||||||||||||
scats |
クロホシマンジュウダイ科 (Scatophagidae) は、スズキ目の下位分類群の1つ。インド太平洋に分布するが、1種は大西洋に移入されている。3または4種が知られる。
分類と名称
[編集]1883年にアメリカの魚類学者であるセオドア・ギルによって正式に科として記載された[1]。『Fishes of the world』第5版では、スズキ亜目に分類されている[2]。ニザダイ目のニザダイ科に分類したり[3]、ユーペルカ系のIncertae sedisとする見解もある[4]。学名はタイプ属のクロホシマンジュウダイ属の属名に由来し、「skatos(糞)」と「phaga(食べる)」の合成語である。糞を食べる種がいることに由来するといわれるが、この行動は実際には観察されていない[5]。
下位分類
[編集]現生種は2属3または4種[6]。またいくつかの化石種が知られる。
- クロホシマンジュウダイ属 Scatophagus Cuvier, 1831
- Selenotoca Myers, 1936
- Selenotoca multifasciata (Richardson, 1846)
- Selenotoca papuensis[注 1] Fraser-Brunner, 1938
化石種
[編集]- Eoscatophagus Tyler & Sorbini, 1999
- Eoscatophagus frontalis (Agassiz 1835)
- Oligoscatophagus Tyler & Sorbini, 1999
- Oligoscatophagus capellinii (Bassani 1889)
形態
[編集]体は側扁した長方形で、体形はチョウチョウウオ科やイシダイ科に似る。頭部背側の輪郭は急で、吻は丸い。口は水平で小さく、顎には小さな毛のような歯が数列ある。口蓋には歯が無い。背鰭は11 - 12棘と16 - 18軟条から成り、棘条は平らに横たわっており、棘条部と軟条部の間には深い切り込みがある。臀鰭は4棘と13 - 16軟条から成り、胸鰭は小さく、16 - 17条から成る。尾鰭は截形か、弱く湾入し、幼魚では丸い。頭と体は小さな鱗で覆われており、背鰭と臀鰭の軟条部分に達する。鰓蓋骨には棘や鋸歯は無い。体色は銀色または緑がかった色で、暗色の斑点や帯が入る.[7]。最大種はS. multifasciata で全長40 cmに達し、最小種はS. papuensis で、全長9 cm程度である[3]。
分布と生態
[編集]東アフリカから西太平洋までのインド太平洋に分布する[3]。クロホシマンジュウダイはマルタに導入され定着しており、フロリダ州からも記録されている[8]。港、汽水域、河川の下流域に生息する[7]。群れで生活し、昼行性で、底生無脊椎動物、デトリタス、藻類など様々なものを食べる雑食性[7]。
人との関わり
[編集]刺網などで捕獲されるが、商業的に流通することは少ない[7]。観賞用に飼育される[9]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ FishBaseやWorld Register of Marine Speciesでは有効種とされるが、Catalog of FishesではS. multifasciataのシノニムとされる。
出典
[編集]- ^ a b c Richard van der Laan; William N. Eschmeyer & Ronald Fricke (2014). “Family-group names of Recent fishes”. Zootaxa 3882 (2): 001–230 24 April 2024閲覧。.
- ^ J. S. Nelson; T. C. Grande; M. V. H. Wilson (2016). Fishes of the World (5th ed.). Wiley. pp. 462–463. ISBN 978-1-118-34233-6
- ^ a b c Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2024). "Acanthuriformes" in FishBase. April 2024 version.
- ^ Betancur-R, R.; Wiley, E.O.; Arratia, G. et al. (2017). “Phylogenetic classification of bony fishes”. BMC Evolutionary Biology 17 (162): 162. doi:10.1186/s12862-017-0958-3. PMC 5501477. PMID 28683774 .
- ^ “Order Acanthuriformes (part 2): Families Ephippidae, Leiognathidae, Scatophagidae, Antigoniidae, Siganidae, Caproidae, Luvaridae, Zanclidae and Acanthuridae”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf and Kenneth J. Lazara (12 January 2021). 21 April 2024閲覧。
- ^ Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2024). "Scatophagidae" in FishBase. April 2024 version.
- ^ a b c d “Scatophagidae”. FAO Species Identification Sheets. FAO. 21 April 2024閲覧。
- ^ Schofield, P.J. (2021年). “Scatophagus argus (Linnaeus, 1766)”. Nonindigenous Aquatic Species Database, Gainesville, FL. U.S. Geological Survey. 21 April 2024閲覧。
- ^ “Scatophagus argus”. Tropical Fish Hobbyist Magazine (April 2004). 21 April 2024閲覧。