クレジット・サポート・アネックス
クレジット・サポート・アネックス(Credit Support Annex、CSA)は金融派生商品(デリバティブ)取引に伴う担保契約である。
当事者間で結ぶ担保差入に関する契約であり、ISDAマスター契約の一部もしくは付随する担保契約書である(ISDA Credit Support Annex)。
現在では、OISへの対応等を考慮し、ISDAにおいてCSAを標準化する取り組みが進んでいる(SCSA:Standard Credit Support Annex)。
CSAの条項
[編集]必要担保額は、エクスポージャー、独立担保額及び信用極度額により計算される。
エクスポージャー(Exposure)
[編集]デリバティブ取引の時価評価額(MTM、未実現損益)の合計額のこと。
相手(カウンターパーティー)に対してエクスポージャー(時価評価額)が正(プラス)の状態は、いわば”勝っている状態”であり、債権者として相手の信用リスクを負っていることとなる(相手がデフォルトした場合、こちらの勝ち分を受け取れない)。
逆にエクスポージャーが負(マイナス)の場合は、いわば”負けている状態”であり、相手に債務を負っている。この場合、自身は相手に対して信用リスクは持たないが、相手は自身の信用リスクを負っていることとなる。
独立担保額(Independent Amount)
[編集]エクスポージャーや担保価値の変動リスクのために、当事者の双方それぞれに設定される担保の金額である。
当事者の信用(格付)、取引量(想定元本)、取引の種類(ボラティリティの高さ)によって設定される。
信用極度額(Threshold)
[編集]相手先と無担保で取引ができる信用枠の金額のことである。
相手の格付けが高いほど信用極度額は大きく、格付けが低いほど信用極度額は小さくなる。
必要担保額(Credit Support Amount)
[編集]CSAに基づき、相手から差し入れられるべき担保の金額のことである。以下のように加算と減算により計算される。
- 加算
- 相手に対するエクスポージャー
- 相手の独立担保額
- 減算
- 自身の独立担保額
- 相手の信用限度額
外部リンク
[編集]- CSA(しーえすえー) - 野村證券 証券用語解説集