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クリストファー・モンロー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Christopher Roy Monroe
クリストファー・モンロー
生誕 (1965-10-19) 1965年10月19日(59歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ミシガン州サウスフィールド
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
研究分野 物理学
量子情報科学
原子物理学
研究機関 ミシガン大学
メリーランド大学
アメリカ国立標準技術研究所
出身校 MIT
コロラド大学
主な業績 量子情報
イオントラップ
プロジェクト:人物伝
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クリストファー・ロイ・モンロー (Christopher Roy Monroe、1965年10月19日 - ) はアメリカ物理学者で原子・分子・光物理学及び量子情報科学の分野の実験物理学者イオントラップ量子光学の主要な研究努力の1つを指揮している。バイス・ゾーン教授とメリーランド大学の物理学ディスティングイッシュトプロフェッサーであり、ジョイント・クアンタム・インスティテュートのフェローである。

経歴

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1987年にMITで学士号を取得した後、レーザ冷却と原子トラップの黎明期にコロラド大学カール・ワイマンの研究グループに参加した。ワイマンとポスドク研究者のエリック・コーネルとともにボース=アインシュタイン凝縮相転移への原子気体の冷却経路へ貢献した。[1] 1992年にワイマンの下でPhDを取得した。(ワイマンとコーネルは1995年に実験に成功し、その業績で2001年にノーベル賞を受賞した)

1992年から2000年まで、モンローはコロラド州ボルダーのアメリカ国立標準技術研究所にあるデービッド・ワインランドのイオンストレージグループに勤務した。1992年から1994年まで国立研究評議会博士研究員奨学金を授与され、1994年から2000年に同グループに職員として雇われた。 ワインランドとともに、1995年に最初の量子論理ゲートを実証し、初めて複数量子ビットをもつれさせた[2][3][4]。トラップ原子イオンを量子制御及び量子情報科学の新たな分野への応用への使用を開発した(ワインランドはこの業績により2012年にノーベル賞を受賞した)。

2000年にミシガン大学で研究グループを発足させ、量子ビットメモリが量子ネットワークの単一光子とどのように関連付けられるかを示した[5]。 半導体チップに集積された最初のイオントラップも実証した[6]。 ワインランドとともに、複雑なイオントラップチップを介して原子イオンを往復させることに基づく拡張可能な量子コンピュータアーキテクチャを提案した[7]。 2006年には、ミシガン大学の超高速光学科学分野のNSF物理フロンティアセンターであるFOCUSセンターの所長に就任した。

2007年にメリーランド大学のバイスゾーン物理学教授とメリーランド大学とNISTの間のジョイント・クオンタム・インスティテュートのフェローになった。そこで、モンローのグループは広く離された2つの原子の間の量子もつれを作り出した[8]。これらは距離を隔てられた物質の間で量子情報を移動させる最初のものだった[9]。 彼らは数多くの量子通信プロトコル[10]と新しいハイブリッドメモリ/光子量子コンピュータアーキテクチャ[11]のためにこのリソースを開発した。近年は、量子シミュレータとしての個々の原子を利用やフラストレーションや磁気秩序などの複雑な多体量子現象を解くことができる特別な目的の量子コンピュータを開拓している[12]。彼の研究室は個々に相互作用する量子ビットの最大コレクションを制御し操作している。

2016年には米国科学アカデミーの会員に選出された[13]

主な受賞歴

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参考文献

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  1. ^ Monroe, C.; Swann, W.; Robinson, H.; Wieman, C. (Sep 1990). “Very cold trapped atoms in a vapor cell”. Phys. Rev. Lett. 65 (13): 1571–1574. doi:10.1103/PhysRevLett.65.1571. https://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevLett.65.1571. 
  2. ^ Monroe, C.; Meekhof, D. M.; King, B. E.; Itano, W. M.; Wineland, D. J. (Dec 1995). “Demonstration of a Fundamental Quantum Logic Gate”. Phys. Rev. Lett. 75 (25): 4714–4717. doi:10.1103/PhysRevLett.75.4714. https://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevLett.75.4714. 
  3. ^ Turchette, Q. A.; Wood, C. S.; King, B. E.; Myatt, C. J.; Leibfried, D.; Itano, W. M.; Monroe, C.; Wineland, D. J. (Oct 1998). “Deterministic Entanglement of Two Trapped Ions”. Phys. Rev. Lett. 81 (17): 3631–3634. doi:10.1103/PhysRevLett.81.3631. https://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevLett.81.3631. 
  4. ^ Sackett, C. A.; Kielpinski, D.; King, B. E.; Langer, C.; Meyer, V.; Myatt, C. J.; Rowe, M.; Turchette, Q. A. et al. (Mar 16 2000). “Experimental entanglement of four particles”. Nature 404 (6775): 256–259. doi:10.1038/35005011. ISSN 0028-0836. https://doi.org/10.1038/35005011. 
  5. ^ Blinov, B. B.; Moehring, D. L.; Duan, L.-M.; Monroe, C. (Mar 11 2004). “Observation of entanglement between a single trapped atom and a single photon”. Nature 428 (6979): 153–157. doi:10.1038/nature02377. ISSN 0028-0836. https://doi.org/10.1038/nature02377. 
  6. ^ Stick, D.; Hensinger, W. K.; Olmschenk, S.; Madsen, M. J.; Schwab, K.; Monroe, C. (Jan 2006). “Ion trap in a semiconductor chip”. Nat Phys 2 (1): 36–39. doi:10.1038/nphys171. ISSN 1745-2473. https://doi.org/10.1038/nphys171. 
  7. ^ Kielpinski, D.; Monroe, C.; Wineland, D. J. (Jun 13 2002). “Architecture for a large-scale ion-trap quantum computer”. Nature 417 (6890): 709–711. doi:10.1038/nature00784. ISSN 0028-0836. https://doi.org/10.1038/nature00784. 
  8. ^ Moehring, D. L.; Maunz, P.; Olmschenk, S.; Younge, K. C.; Matsukevich, D. N.; Duan, L.-M.; Monroe, C. (Sep 06 2007). “Entanglement of single-atom quantum bits at a distance”. Nature 449 (7158): 68–71. doi:10.1038/nature06118. ISSN 0028-0836. https://doi.org/10.1038/nature06118. 
  9. ^ Olmschenk, S.; Matsukevich, D. N.; Maunz, P.; Hayes, D.; Duan, L.-M.; Monroe, C. (2009). “Quantum Teleportation Between Distant Matter Qubits”. Science 323 (5913): 486–489. doi:10.1126/science.1167209. ISSN 0036-8075. http://science.sciencemag.org/content/323/5913/486. 
  10. ^ Pironio, S.; Acín, A.; Massar, S.; Giroday, A. Boyer; Matsukevich, D. N.; Maunz, P.; Olmschenk, S.; Hayes, D. et al. (2010年4月15日). “Random numbers certified by Bell’s theorem”. Nature 464 (7291): 1021–1024. doi:10.1038/nature09008. ISSN 0028-0836. https://doi.org/10.1038/nature09008. 
  11. ^ Monroe, C.; Raussendorf, R.; Ruthven, A.; Brown, K. R.; Maunz, P.; Duan, L.-M.; Kim, J. (Feb 2014). “Large-scale modular quantum-computer architecture with atomic memory and photonic interconnects”. Phys. Rev. A 89 (2): 022317. arXiv:1208.0391. doi:10.1103/PhysRevA.89.022317. https://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevA.89.022317. 
  12. ^ Islam, R.; Senko, C.; Campbell, W. C.; Korenblit, S.; Smith, J.; Lee, A.; Edwards, E. E.; Wang, C.-C. J. et al. (2013). “Emergence and Frustration of Magnetism with Variable-Range Interactions in a Quantum Simulator”. Science 340 (6132): 583–587. doi:10.1126/science.1232296. ISSN 0036-8075. http://science.sciencemag.org/content/340/6132/583. 
  13. ^ National Academy of Sciences Members and Foreign Associates Elected”. News from the National Academy of Sciences. National Academy of Sciences (May 3, 2016). 2016年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月2日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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