カヤホガ川
カヤホガ川 | |
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クリーブランド市ダウンタウン | |
延長 | 136.6 km |
平均流量 | -- m3/s |
流域面積 | 2,100 km2 |
水源の標高 | 333.1 m |
河口・合流先 | エリー湖 |
流域 | アメリカ合衆国オハイオ州 |
カヤホガ川(カヤホガがわ、Cuyahoga river [ˌkaɪəˈhɒɡə, ˌkaɪəˈhoʊɡə])は、アメリカ合衆国オハイオ州北東部を流れエリー湖に注ぐ河川である。河口にはクリーブランドがある。ジアーガ郡・ポーテージ郡・サミット郡・カヤホガ郡を流域とする。
語源は原住民の言葉の「曲がりくねった」にする。蛇行が顕著で、直線距離30km流れるのに160kmを費やす。高低差はあまりなく、歴史的には、カヌーでの往来があった。
20世紀初頭には、川に沿ってオハイオーエリー運河が設けられ、地域の発展に貢献した。
環境
[編集]下流部は流れが穏やかなこともあり船舶の航行が可能であるため沿川には工業が発達し、多くの工場が設立した。廃棄物を産生する施設は「産業発展」の象徴とされた。
火災の歴史
[編集]1868年に最初の火災がカヤホガ川で発生し、それ以降、1969年までに少なくとも13回、火災が発生している[1][2]。1952年の火災では、100万ドル以上の損失となった[1]。川の水が燃えるはずが無く、工場から排出された廃油などが何かのきっかけで発火したものである。
1969年の火災
[編集]政治的には1969年6月22日に起きた火災が重要であり[2]、この火災が契機となって、環境保護を求める政治活動が活発化した。火災そのものは、消防士が24分間で消火した[2]。
例えば、タイム誌は、カヤホガ川は米国で最も水質が汚染されていると紹介するとともに、「ここで溺れることはない、融けてなくなってしまう」という地元住民の冗談が紹介された[3]。
環境保護庁設立
[編集]窮した連邦政府は、その後、日本の環境省に相当する政府機関であるアメリカ合衆国環境保護庁(EPA)を設立し、従来、全くかえりみられなかった環境保全を推進することになった。
アメリカ合衆国環境保護庁設立前の規制は、「船舶の通航の妨げになる障害物」についてのみであったことから、水質は想像を絶するものであり、流域ではヒルなど最も汚染に抵抗性のある生物すら棲息が確認されなかった[3]。その後は水質の回復を見るものの、現在でも生息する魚類などには異常が続き、汚染のため食用には適さないとの勧告が続いている。
脚注
[編集]- ^ a b “The Myth of the Cuyahoga River Fire” (英語). Science History Institute (2019年5月28日). 2023年4月13日閲覧。
- ^ a b c wsiler (2020年8月28日). “51 Years Later, the Cuyahoga River Burns Again” (英語). Outside Online. 2023年4月13日閲覧。
- ^ a b “America's Sewage System and the Price of Optimism” (英語). Time. (1969年8月1日). ISSN 0040-781X 2023年4月13日閲覧。