ギョボク
ギョボク | ||||||||||||||||||||||||
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ギョボクの花
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Crateva formosensis (Jacobs) B.S.Sun | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
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和名 | ||||||||||||||||||||||||
ギョボク(魚木) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
temple plant |
ギョボク(魚木、学名:Crateva formosensis)はフウチョウボク科ギョボク属の落葉小高木。旧フウチョウソウ科。
特徴
[編集]樹高3–12 mほどで幹は直立し分枝するする。樹皮は平滑で裂けない。葉は3出複葉で薄く、互生する。小葉は長さ5–12 cmほどの披針形~卵形で先は尖り、葉縁は全縁。葉柄は長く、葉脈とともに紫色を帯びることが多い。開花期は5–7月頃で、枝先に花茎を出し、径4 cmほどの白い花を多数つけ、総状花序となる。花色は次第に黄色へ変化する。花弁は4枚、雄しべは多数で花弁より長く目立つ。果実は卵形~楕円形の液果で長さ5 cmほど、長い果柄をもち、垂れ下がる。果実は冬に黄色く熟し、中に数個の種子を有する[1][2][3][4][5][6][7][8]。
分類と分布
[編集]以前は学名C.falcataまたはC. religiosaとする文献もあったが、POWOでは本種C. formosensis[9]が南西諸島、台湾、中国、ベトナムに分布するとし、C.falcata[10]は中国大陸~東南アジアに分布する別種、C. religiosa[11]は中国、東南アジア、インド、オーストラリア北西部に分布する別種としてそれぞれ扱っている。YListでもギョボクの学名をC. formosensis[12]としていることから、本項における学名の表記はこれらに従った。
図鑑等における本種の分布域の表記は、学名C. formosensis[6][8]やC. falcata[2][4]とする文献では九州南部(宮崎、鹿児島)、南西諸島(種子島~先島諸島)~東南アジア、学名C. religiosa[3][7]とする文献では九州南部、南西諸島、東南アジア~オーストラリア、アフリカの熱帯~亜熱帯域に広く分布するとしている。
生育環境
[編集]石灰岩地の林や山地の谷沿いに生育する[1][4][5][8]。
利用
[編集]材が柔らかく加工が容易で、細工物などに利用される。比重も軽いため、ルアー(釣りの疑似餌)に利用されたことが和名「魚木」の由来[1][2][3][4][7][8]。樹皮を和紙の原料に、葉を家畜の飼料に用いた[5]。アルカリ土壌でよく生育する。植栽場所は風当たりが弱く、半日陰で肥沃な場所がよい。剪定は混み合った枝を除去する程度でよい。繁殖は実生や挿し木による[4]。花が美しく、ツマベニチョウ幼虫の食草であることから、沖縄各地の学校や公園、庭園などへ多く植栽された時期がある[4][6][8]。
ギョボク属
[編集]ギョボク属は熱帯を中心に分布する落葉高木または低木で約10種からなるとされる[3]。POWOへは21種が記載[13]されている(2024年現在)。
脚注
[編集]- ^ a b c (池原 1979, p. 55)
- ^ a b c (天野 1982, pp. 39–40)
- ^ a b c d (大場 1997, p. 168)
- ^ a b c d e f (海洋博記念公園管理財団 1997, p. 161)
- ^ a b c (新里 & 嵩原 2002, p. 31)
- ^ a b c (大川 & 林 2016, p. 281)
- ^ a b c (沖田原 2021, p. 289)
- ^ a b c d e (林 & 名嘉 2022, p. 300)
- ^ “Crateva formosensis (Jacobs) B.S.Sun | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2024年11月16日閲覧。
- ^ “Crateva falcata (Lour.) DC. | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2024年11月16日閲覧。
- ^ “Crateva religiosa G.Forst. | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2024年11月16日閲覧。
- ^ “ギョボク Crateva formosensis”. YList 植物和名-学名インデックス. ylist.info. 2024年11月16日閲覧。
- ^ “Crateva L. | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2024年11月16日閲覧。
参考文献
[編集]- 池原直樹「ギョボク」『沖縄植物野外活用図鑑 第6巻 山地の植物』新星図書出版、1979年。 ※ 学名C. falcataとしている
- 天野鉄夫「ギョボク」『琉球列島有用樹木誌』琉球列島有用樹木誌刊行会、1982年。 ※ 学名C. falcataとしている
- 大場秀章 著「ギョボク」、岩槻邦男ら監修 編『朝日百科 植物の世界』 6巻、朝日新聞社、東京、1997年、168頁。ISBN 9784023800106。 ※ 学名C. religiosaとしている
- 海洋博記念公園管理財団「ギョボク」『沖縄の都市緑化植物図鑑』新星出版、那覇市、1997年。ISBN 9784902193732。 ※ 学名C. falcataとしている
- 新里孝和; 嵩原建二「ギョボク」『伊江島の植物図鑑』伊江村教育委員会、2002年。 ※ 学名C. falcataとしている
- 大川智史; 林将之「ギョボク」『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024。
- 沖田原耕作「ギョボク」『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。ISBN 9784909366832。 ※ 学名C. religiosaとしている
- 林将之; 名嘉初美「ギョボク」『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350。
外部リンク
[編集]- ギョボク フラワーパークかごしま
- ギョボク 林野庁 西表森林生態系保全センター
- ギョボク GKZ植物事典
- ギョボク 安城産業文化公園デンパーク
- ギョボク 沖縄蝶類食草図鑑
- 地味な新設展示! 食草展示とギョボク 多摩動物公園 2021/07/23 東京ズーネット (公財)東京動物園協会
- 薩摩半島におけるギョボクの植栽とツマベニチョウの分布 鹿児島県立博物館研究報告第3号 1–16頁 1984年
- ギョボク ノパの庭