ギミ・サム・ネック
『ギミ・サム・ネック』 | ||||
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ロン・ウッド の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | コロムビア・レコード | |||
プロデュース | ロイ・トーマス・ベイカー | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ロン・ウッド アルバム 年表 | ||||
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『ギミ・サム・ネック』(Gimme Some Neck)は、イングランドのロック・ミュージシャン、ロン・ウッドが1979年に発表した、ソロ名義では3作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]ローリング・ストーンズのアルバム『女たち』(1978年)のレコーディングと同時進行で制作が進められ、ベーシック・トラックはウッド、チャーリー・ワッツ、ポップス・ポップウェル(ロバート・ポップウェル)によって10日間で録音された[1]。ミック・ジャガーとキース・リチャーズもレコーディングに参加しており、クレジットには明記されていないが、ジャガーは「インフェクション」の作詞にも貢献している[1]。ジャケットやLP内袋の絵は、ウッド自身が描いた[3]。
「セブン・デイズ」はボブ・ディランが提供した曲である。ウッドとディランは、エリック・クラプトンのアルバム『ノー・リーズン・トゥ・クライ』(1976年)のレコーディング・セッションに参加しており、その時にディランからこの曲を贈られた[4]。なお、作者ディランによるスタジオ・レコーディングは残されていないが、ディランのコンピレーション・アルバム『ブートレッグ・シリーズ第1〜3集』(1991年)には、「セブン・デイズ」の未発表ライヴ音源が収録された。
「F.U.C.ハー」は猥褻な歌詞が問題視され、本作の発売元のコロムビア・レコードはラジオ局に「"F.U.C. Her"という曲は、歌詞の中に露骨な性的欲求が含まれており、大衆の一部に不快感を与える可能性もあるため、放送前に局の上層部のオーディションを要する」と書かれた注意書きを配布した[3]。
反響・評価
[編集]アメリカのBillboard 200では45位に達し、自身初の全米トップ100入りを果たした[2]。イギリスでは「セブン・デイズ」がシングル・カットされたが、アルバム/シングル共に全英チャート入りは果たせなかった[3]。
William Ruhlmannはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け、本作の聴き所として「セブン・デイズ」を挙げて「ウッドの粗い声が、不思議なぐらいミスターD(ディラン)本人のように聴こえる」と評している[5]。
ツアー
[編集]ウッドは本作のリリースに伴い、キース・リチャーズ、スタンリー・クラーク、イアン・マクレガン、ボビー・キーズ、それにミーターズのジョー“ジガブー”モデリストと共にニュー・バーバリアンズを結成してツアーを行った[6]。当時のセットリストは、本作からの曲に加えて、ローリング・ストーンズの曲やウッドの旧作からの曲も含まれていた[6]。2006年には、1979年5月5日にメリーランド州で行われた公演のライヴ音源を収録したアルバム『Buried Alive: Live in Maryland』が公式発売されている[7]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はロン・ウッド作。3.はインストゥルメンタル。
- ウォリー・ノウ・モア - "Worry No More" (Jerry Lynn Williams) - 2:34
- ブレイキン・マイ・ハート - "Breakin' My Heart" - 4:17
- デリア - "Delia" (Traditional) - 0:42
- ベリッド・アライヴ - "Buried Alive" - 3:37
- カム・トゥ・リアライズ - "Come to Realise" - 3:52
- インフェクション - "Infekshun" - 4:03
- セブン・デイズ - "Seven Days" (Bob Dylan) - 4:10
- ウィ・オール・ゲット・オールド - "We All Get Old" - 4:09
- F.U.C.ハー - "F.U.C. Her" - 3:15
- ロスト・アンド・ロンリー - "Lost and Lonely" - 4:14
- ドント・ウォリー - "Don't Worry" - 3:29
参加ミュージシャン
[編集]- ロン・ウッド - ボーカル、ギター、ドブロ・ギター、ペダル・スティール・ギター、ハーモニカ
- キース・リチャーズ - ギター(on 4.)、バッキング・ボーカル(on 4. 5. 7. 8.)
- デイヴ・メイソン - アコースティック・ギター(on 9.)
- ミック・ジャガー - バッキング・ボーカル(on 2. 4.)
- ジェリー・ウィリアムス - ピアノ(on 1.)、バッキング・ボーカル(on 1.)
- ハリー・フィリップス - ピアノ(on 6. 9.)
- イアン・マクレガン - オルガン(on 5. 7. 8. 10.)
- ロバート・ポップウェル - ベース(on 1. 2. 4. 5. 6. 8. 9. 10. 11.)
- チャーリー・ワッツ - ドラムス(on 1. 2. 4. 5. 6. 8. 9. 10. 11.)
- ミック・フリートウッド - ドラムス(on 7.)
- ジム・ケルトナー - パーカッション(on 4. 10.)
- ボビー・キーズ - サクソフォーン(on 11.)
- ジョン・リンド - バッキング・ボーカル(on 5. 8.)
脚注
[編集]- ^ a b c Gimme Some Neck - Ron Wood - Ronnie Wood - 2015年1月4日閲覧
- ^ a b “Ron Wood - Awards”. AllMusic. 2016年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月8日閲覧。
- ^ a b c 越谷政義『ローリング・ストーンズ大百科』CBS・ソニー出版、1986年、203-205頁。ISBN 4-7897-0261-8。
- ^ Interview with Ronnie Wood of the Rolling Stones | Arts & Entertainment | Atlantic City Weekly - 2019年8月8日閲覧
- ^ Gimme Some Neck - Ron Wood | AllMusic - Review by William Ruhlmann
- ^ a b 35 Years Ago: Ronnie Wood Releases 'Gimme Some Neck' - ultimateclassicrock.com - article by Chris Epting - 2015年1月4日閲覧
- ^ Buried Alive: Live in Maryland - New Barbarians | AllMusic - Review by Stephen Thomas Erlewine