キンキーブーツ
キンキーブーツ | |
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Kinky Boots | |
監督 | ジュリアン・ジャロルド |
脚本 |
ジェフ・ディーン ティム・ファース |
製作 |
ニコラス・バートン ピーター・エテッドギー スザンヌ・マッキー |
出演者 |
ジョエル・エドガートン キウェテル・イジョフォー サラ=ジェーン・ポッツ ジェミマ・ルーパー リンダ・バセット ニック・フロスト ロバート・ピュー |
音楽 | エイドリアン・ジョンストン |
撮影 | アイジル・ブリルド |
編集 | エマ・E・ヒコックス |
製作会社 |
ミラマックス・フィルムズ BBCフィルムズ |
配給 |
ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ ブエナビスタ |
公開 |
2005年10月7日 2006年4月14日 2006年8月26日 |
上映時間 | 107分 |
製作国 |
イギリス アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 | $9,950,133[1] |
『キンキーブーツ』(Kinky Boots)は、2005年にイギリスとアメリカ合衆国の合作のコメディ映画。
脚本はジェフ・ディーンとティム・ファース、監督はジュリアン・ジャロルドが担当した。日本では2006年に公開された。実在の紳士靴メーカー 「W.J. Brookes Ltd」 がモデルになっている。
実話を基に、イギリスの倒産寸前の靴製造工場の若いお堅いオーナーであるチャーリーと、そりが合わなそうなドラァグ・クイーンのローラがそれまで製造してきた紳士靴ではなく、ドラァグ・クイーン向けの特注靴の製造を計画し、共に工場の経営を立て直す物語である。
ストーリー
[編集]桟橋の上にいる寒そうな少年がベルト付きの赤いハイヒールを履き、踊りだす。その様子を年配の男性が窓から見て注意する。一方、別の少年は家の靴製造工場を継ぐことよりもサッカーに興味がある。
時は流れ、チャーリー・プライスはイギリスの田舎町ノーサンプトンの伝統ある紳士靴メーカー 『プライス社』 の跡取りだったが、周囲の重圧に耐えかね、転勤を機にロンドンに移住することを計画していた。
しかしロンドンに到着したその日に父の訃報が届き、『プライス社』 を継ぐことになり、しかも社の財政状況が火の車だということを知る。在庫の処分のためロンドンへ出張中にやけ酒を食らった勢いで、酔っ払いのチンピラに絡まれている美女を助けようとしたが、逆に美女に誤って叩きのめされてしまう。目が覚めるとそこは不作法なドラァグ・クイーンのローラ、本名サイモンの楽屋であり、その人物は桟橋で踊っていた少年の成長した姿であった。ドラァグ・クイーンには専用の靴がないため仕方なく女性用の靴をはいているが、ハイヒールは男性の重く大きな体を支えきれずに簡単に壊れてしまうことにチャーリーは興味が湧く。
ノーサンプトンに戻ったチャーリーは人員整理をしている最中、クビにしようとした社員のローレンに「ニッチ市場を開拓しろ」と捨て台詞をはかれる。そこでチャーリーはローレンを顧問として再雇用し、ローラのためのハイヒールのブーツである『女物の紳士靴』 の開発に着手し、そこにローレンの言うニッチ市場を見出す。しかし最初のデザインは機能性を重視するあまりにオバサンくさいブーツに仕立ててしまい、ローラを怒らせ、チャーリーとローレンはローラをコンサルタントとして迎える。しかし道は険しく、男性従業員の多くはローラの登場と新商品製作を快く思わず、チャーリーも婚約者のニコラとの関係がぎくしゃくし始め、「工場を売ってしまえ」と責められる。
ローラの意見を取り入れ、『危険でセクシーな女物の紳士靴 (Kinky Boots)』 を作り上げたチャーリーは、ミラノの靴見本市に打って出る決意をするが、ローラを含む多くの従業員に重労働を強いたため彼らは出て行ってしまい、事態は悪化する。
チャーリーは工場を守るために家を抵当に入れるが、それを知ったニコラは激怒し、工場を売ることを主張する。しかしチャーリーは工場を維持し従業員を雇用し続けることを決心する。この口論はマイクを通じて工場全体に放送され、ローレンとローラと不仲のドンに聞かれる。以前にローラから恩を受けたドンは、偶然ではあるがチャーリーの考えを聞いて他の従業員たちを呼び戻し、靴の製造をチャーリーとローレンがミラノに出発するのに間に合わせる。
無事ミラノに到着したチャーリーとローラだったが仲違いをし、新作ブーツのモデルがいない状態になってしまう。そこでチャーリーは従業員への感謝の最大限のしるしとローラへの謝罪の気持ちを併せ、自らがモデルとしてステージに上がる。チャーリーが慣れないハイヒールで滑って転んだその時、ローラとドラァグ・クイーン仲間が登場してランウェイで見事なショーを行ない、事なきを得る。
後日、ローラは自身のショーでノーサンプトンの「キンキーブーツ工場」の栄誉をたたえて歌う。このショーには工場の従業員達が招待されており、その中には恋仲となったチャーリーとローレンの姿もあった。
キャスト
[編集]※括弧内は日本語吹替
- チャーリー・プライス - ジョエル・エドガートン(森川智之)
- ローラ - キウェテル・イジョフォー(三宅健太)
- ローレン - サラ=ジェーン・ポッツ(浅野まゆみ)
- ニコラ - ジェミマ・ルーパー(石塚理恵)
- ドン - ニック・フロスト(志村知幸)
- メル - リンダ・バセット(藤夏子)
- ハロルド・プライス - ロバート・ピュー(西村知道)
- ジョージ - ユアン・フーパー(塚田正昭)
- ビッグ・マイク - スティーブン・マーカス(島香裕)
- パット - モナ・ハモンド
- ジーニー - ケリー・ブライト
- トリシュ - ジョアンナ・スキャンラン
- リチャード・ベイリー - ジェフリー・ストレトフィールド(上田燿司)
- ハリー・サンプソン - レオ・ビル(坂口候一)
- 幼少期のチャーリー - セバスチャン・ハースト・パーマー
- 幼少期のローラ - コートニー・フィリップ
その他声の出演:秋元千賀子、多緒都、西宏子、石川ひろあき、斉木香、栗山浩一、高橋圭一
日本語版制作スタッフ 演出:小山悟 翻訳:村上美智子 制作:HALF H・P STUDIO
備考
[編集]モデルとなったブルックス社は110年の歴史を持つ老舗の靴製造会社である。工場をドラァグクイーン用のブーツやエロティックなファッションアクセサリーの工場に変え、経営を立ち直らせた。
背景
[編集]1999年2月24日放送のBBC Twoのドキュメンタリー『Trouble at the Top 』のエピソードで、ノーサンプトンシャーのアールズ・パートンにある閉鎖寸前の家族経営の靴工場であるW・J・ブルックス社のスティーヴ・ペイトマンに焦点を当て、再起をかけて紳士靴工場から「Divine 」というブランドで個性的な靴を製造する話から着想を得た[2][3][4][5]。
サウンドトラック
[編集]2006年4月11日、ハリウッド・レコード社より『Kinky Boots: Original Soundtrack』が出版された[6]。
- Whatever Lola Wants – キウェテル・イジョフォー (2:12)
- In These Shoes – カースティ・マコール (3:39)
- I Want to Be Evil – キウェテル・イジョフォー (2:34)
- Mr. Big Stuff – リン・コリンズ (4:00)
- It’s a Man’s Man’s Man’s World – ジェームス・ブラウン (3:17)
- I Put a Spell on You – ニーナ・シモン (2:36)
- The Prettiest Star – デヴィッド・ボウイ (3:09)
- Together We Are Beautiful – キウェテル・イジョフォー (4:10)
- Yes Sir I Can Boogie – キウェテル・イジョフォー (4:20)
- Wild Is the Wind – ニーナ・シモン (6:59)
- The Red Shoes – エイドリアン・ジョンストン (4:26)
- Steel Shank – エイドリアン・ジョンストン (3:39)
- Free to Walk – エイドリアン・ジョンストン (3:39)
以下の曲は映画では使用されたがアルバムには収録されていない:
- My Heart Belongs to Daddy – キウェテル・イジョフォー
- These Boots Are Made for Walkin’ – キウェテル・イジョフォー
- Summer Holiday – ジェマイマ・ルーパー
評判
[編集]公開当初、「イギリスのシットコムのお決まりのあらすじ」と批判されるなど賛否両論であった。ロッテン・トマトによると批評107件中57%のレートであった[7]。
興行収入としては、世界中で計9,941,428ドルをあげた[1]。
受賞歴
[編集]イジョフォーはゴールデングローブ賞主演男優賞ミュージカル・コメディ部門にノミネートされた。
ミュージカル化
[編集]2013年4月、この映画のミュージカル化作品である「キンキーブーツ」がシカゴのバンク・オブ・アメリカ・シアターでのトライアウトを経てブロードウェイ・シアターで上演された。シンディ・ローパーがこのミュージカルに向けた曲の作曲・作詞を行い、ハーヴェイ・ファイアスタインが脚本を担当した[8]。演出を務めたジェリー・ミッチェルは振り付けも担当した[9]。
チャーリー役はスターク・サンズが務め、ローラ役はビリー・ポーターが務めた[10]。
このミュージカルは2013年のトニー賞で13の部門にノミネートされ、うちオリジナル楽曲賞(ローパー、単独女性初の受賞者)、ミュージカル主演男優賞(ポーター)、ミュージカル作品賞を含む6部門を受賞した[11]。また、このミュージカル化にプロデューサーの一人として携わった川名康浩も日本人として初めてトニー賞を受賞した[12]。
関連事項
[編集]出典
[編集]- ^ a b Kinky Boots (2006) - Box Office Mojo
- ^ Dowd, Vincent (2013年6月18日). “BBC News - Kinky Boots inspiration comes out of the shadows”. Bbc.co.uk. 2013年11月30日閲覧。
- ^ “BBC Two - Trouble at the Top, Series 3, Kinky Boot Factory”. Bbc.co.uk (2008年6月22日). 2013年11月30日閲覧。
- ^ “Trouble at the Top: Season 3, Episode 1 : The Kinky Boot Factory (24 Feb. 1999)”. IMDb.com. 2013年11月30日閲覧。
- ^ “The real story behind those kinky boots - Northampton Chronicle and Echo”. Northamptonchron.co.uk (2005年10月6日). 2013年11月30日閲覧。
- ^ https://itunes.apple.com/us/album/kinky-boots-original-soundtrack/id137049706
- ^ “Kinky Boots Movie Reviews, Pictures”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2013年1月25日閲覧。
- ^ Jones, Kenneth. "Kinky Boots Musical Will Kick It Up in Chicago in October, Prior to Broadway". Playbill.com, February 22, 2012
- ^ Jones, Kenneth (2008年7月8日). “Kinky Boots, the Musical, Walking Toward Broadway”. Playbill 2008年7月10日閲覧。
- ^ Jones, Chris. "'Kinky Boots' announces full cast". ChicagoTribune.com, June 28, 2012
- ^ Purcell, Carey (2013-06-09). “Kinky Boots, Vanya and Sonia, Pippin and Virginia Woolf? Are Big Winners at 67th Annual Tony Awards”. Playbill 2013年6月13日閲覧。.
- ^ “日本人が初めてトニー賞に輝く 「キンキー・ブーツ」の川名康浩さん”. ハフィントンポスト (2013年6月10日). 2013年11月2日閲覧。