きらきら星
本作の武鹿悦子・村野四郎・堀野真一・薮田義雄・高田三九三・篠崎もとみによる日本語詞は著作権の保護期間中のため、日本国著作権法第32条および米国著作権法第107条によりフェアユースと認められる形式の引用を除き、ウィキペディアへの掲載は著作権侵害となります。また、演奏などの著作隣接権についても注意ください。 歌詞全文はTemplate:歌ネットやTemplate:Genius songを使用した外部リンクにより合法的な参照が可能です。 なお作曲・翻訳前の詞については著作権保護期間が終了しました。 |
「きらきら星」(きらきらぼし)は、18世紀末のフランスで流行したシャンソン"Ah! Vous dirais-je, Maman"(あのね、お母さん)の日本語名(邦題)。イギリスの詩人、ジェーン・テイラーの1806年の英語詩 "The Star" による替え歌"Twinkle, twinkle, little star"(きらめく小さなお星様)が童謡として世界的に広まり、さまざまな言語に翻訳され、現在では世界中で愛唱されている。また、マザー・グースの1つに分類されている。
日本には"Twinkle, twinkle, little star"を元にして大正期に紹介された[1]。1914年(大正3年)に共益商社書店から発行された『英語唱歌教科書 巻一』に"Twinkle, twinkle, little star"の近藤逸五郎訳詞が掲載されている[2]、その後複数の日本語詞が知られている(日本語詞の作詞者については日本語詞を参照のこと)。
歌詞
[編集]フランス語
[編集]オリジナル版
[編集]フランス語原詞 | 日本語訳 |
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Ah ! Vous dirai-je, Maman, Ce qui cause mon tourment ? L'autre jour, dans un bosquet, « Étant faite pour charmer, Je rougis et par malheur Je n'avais pour tout soutien |
ねえ! 言わせてお母さん 何で私が悩んでいるのかを あの日、木立の中で 「君は誰かを魅了するためにいるようなもの 私は真っ赤になった、悔しいけど それまで私の支えは |
他の版
[編集]フランス語原詞 | 日本語訳 |
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Ah! vous dirai-je, Maman, Ce qui cause mon tourment. |
ねえ! 言わせてお母さん 何で私が悩んでいるのかを |
ドイツ語の替え歌
[編集]ドイツのクリスマスソング『明日サンタクロースがやってくる(Morgen kommt der Weihnachtsmann)』は「きらきら星」のメロディを使用したものである。
ドイツ語原詞 |
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Morgen kommt der Weihnachtsmann, Kommt mit seinen Gaben. Trommel, Pfeife und Gewehr, Fahn und Säbel und noch mehr, Ja ein ganzes Kriegesheer, Möcht' ich gerne haben. |
英語の替え歌
[編集]英語原詞 | 日本語訳 |
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Twinkle, twinkle, little star, How I wonder what you are! Up above the world so high, Like a diamond in the sky. Twinkle, twinkle, little star, How I wonder what you are! |
きらめく、きらめく、小さな星よ あなたは一体何者なの? 世界の上空はるかかなた 空のダイアモンドのように きらめく、きらめく、小さな星よ あなたは一体何者なの? |
日本語詞
[編集]現在、日本では上記英語の替え歌を元にして作詞された日本語詞が複数歌われている。日本語名は「きらきら星」や「キラキラ星」となることが多いが、日本語詞によっては別の曲名がつけられているものもある(ただし、これらについても「きらきら星」や「キラキラ星」と呼ばれることもある)。主な日本語詞の作詞者は以下のとおり。
そのほか、作詞者は不明だが「きらきらほしよ きれいなほしよ」で始まる歌詞もある[3]。
著作権
[編集]原詞と原曲、および、テイラー(1824年没)の「twinkle, twinkle, …」で始まる英語詞は、著作権の保護期間が終了しパブリックドメインである。
武鹿悦子(2020年現在存命)の日本語詞は、著作権の保護期間内である。また、武鹿の日本語詞は日本コロムビアの専属楽曲でもあり、使用に際しては専属開放申請が必要である。
編曲・替え歌
[編集]- モーツァルトがこの曲の主題を基に変奏曲(きらきら星変奏曲)を作曲している[注 1][注 2]。
- ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ(ヨハン・ゼバスティアン・バッハとアンナ・マクダレーナの第9子で、下から数えて2番目の息子にあたる「ビュッケブルクのバッハ」)がピアノのための変奏曲の主題に選んでいる。
- エルンスト・フォン・ドホナーニの「ピアノと管弦楽のための童謡の主題による変奏曲」に使われている。
- 鈴木鎮一は「きらきら星」を基に「きらきら星変奏曲」を作曲しており、スズキ・メソード音楽教室で最初に学ぶ曲になっている。
- 1950年代には加藤省吾の作詞、海沼実の編曲で「たのしいクリスマス」として田端典子が吹き込み、コロムビア・レコードからシングル発売した(規格品番:C-94)。レコードには「モーツアルト〔ママ〕作曲」と表記されている。
- サン=サーンスの『動物の謝肉祭』の「化石」にメロディーが引用されている。
- アルファベットを覚えるための「ABCの歌」のメロディーとしても使用されている。
- 『不思議の国のアリス』の中で、"Twinkle, twinkle little bat(こうもり)"、"Like a tea-tray(お盆) in the sky"と、英語の替え歌に対しさらに替え歌が歌われている。
- SMAPの1991年発売のデビューシングル「Can't Stop!! -LOVING-」はきらきら星のサンプリング曲である。
- 1993年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲2、「スター・パズル・マーチ」(小長谷宗一作曲)は、きらきら星を初めとした星にまつわる曲のメロディを引用して作られた楽曲である。「スター・パズル・マーチ」は2022年公開の映画『20歳のソウル』の中で演奏されている[4]。
- 玉置成実の2004年発売のシングル「Shining Star ☆忘れないから☆」はきらきら星のサンプリング曲である。
- NECのパソコン「OP-98シリーズ」(出演:田原俊彦)や日本電気ホームエレクトロニクス(現・NECライティング)の蛍光灯「ホタルック」のテレビコマーシャルで替え歌が歌われていた。
- 2011年にベネッセコーポレーションが、『こどもちゃれんじ』の企画「みんなのきらきらクリスマス」キャンペーンソングとして、替え歌「みんなのきらきらぼし」を制作。『こどもちゃれんじぽけっと』・『こどもちゃれんじほっぷ』の2011年12月号の付録DVDの映像特典として収録された(歌唱:つじあやのと子どもたち)[5][6][7]。
- 朝日放送ラジオ『桑原征平粋も甘いも』水曜日「粋甘流☆美女と野獣NEO」コーナーの2018年7月分にて、「つるつる星」という替え歌の歌詞を募集。三代澤康司(朝日放送テレビアナウンサー)による歌い出しの「つるつる光る」に続く、「How I wonder」にあたる投稿を小川恵理子、「what you are!」にあたる投稿を桑原征平が歌って、出来上がった歌詞の面白さを競うというもの。なお「つるつる」は桑原の頭部が由来。
- 2018年、AGCが旭硝子から社名変更する際に流れたCM内で、高橋一生が旧社名と新社名を織り込んだ替え歌を歌った[8]。社名変更後の企業イメージCMでも替え歌の歌詞を変えて歌われた[9]ほか、同社の公式Twitter[10]上では声優の内田真礼と梶裕貴の歌唱によるバージョンも公開された[11]。
- 『BanG Dream!』アニメ第1期や、『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』のストーリー内で、主人公の戸山香澄がギターで演奏したものを歌っていた。
- 2020年、アサヒ飲料の缶コーヒー「ワンダ X-BITTER」のCMで、X JAPANのYOSHIKIがアレンジしたものを演奏した[12]。
- 2022年、アニメーション映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』で、映画用にアレンジされた唄を主人公の少年3人が歌った[13]。
使用例
[編集]みんなのうた ティンクル・ティンクル・リットル・スター | |
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歌手 | 横浜バプチスト教会聖歌隊 |
作曲者 | フランス童謡 |
編曲者 | ベティ・ハドソン |
映像 | シルエット |
映像制作者 | ころすけ |
初放送月 | 1968年6月 - 7月 |
再放送月 | なし |
- 1968年にはNHKの『みんなのうた』で、「ティンクル・ティンクル・リットル・スター」というタイトルで紹介。同番組では珍しい英語での放送となった。なお楽譜集には一切掲載されてない。
- JR東日本常磐線の荒川沖駅・土浦駅・神立駅の下り線ホーム(水戸・勝田・いわき方面)の発車メロディとして、モーツァルトの「きらきら星変奏曲」が使用されている。
- 象印マホービン製の炊飯器の炊飯スイッチを押したときの音楽に使用されている。
- 大井競馬場の投票締切を知らせる音楽に使用されている(トゥインクルレース開催時)。
- ダイニチ工業製の石油ファンヒーターの灯油切れを知らせる音楽に使用されている。
- AGCの旭硝子からの社名変更の告知CMで、替え歌が使用された(前述)。
サンプル
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 『保育のためにこどものうた140選』ドレミ楽譜出版社、1992年、133頁。ISBN 978-4-8108-0261-0。
- ^ 小西潤子「大正期「歌」資料楽譜目録」 (PDF) 、『「音楽研究」大阪音楽大学音楽博物館年報 第25巻』、大阪音楽大学、2010年5月発行、66頁。
- ^ 『歌あそび百科 170曲の歌遊び、30曲の伝承歌遊びを図解』学習研究社、1997年、90頁。ISBN 4-05-105029-7。
- ^ 映画「20歳のソウル」オリジナル・サウンドトラック、オリコンミュージックストア(2022年6月24日閲覧)
- ^ こどもちゃれんじ クリスマス キャンペーン・ソング「みんなのきらきら星」、テレビマンユニオン(2011年12月16日閲覧)
- ^ 特別映像|みんなのきらきらクリスマス Archived 2011年11月29日, at the Wayback Machine.(2011年12月16日閲覧)
- ^ 「♪みんなのきらきらぼし」(こどもちゃれんじクリスマス特別映像)、YouTube、2011年11月13日アップロード(ベネッセコーポレーションの公式アカウントによるアップロード)。
- ^ TVCM(旭硝子は、「AGC」へ/夜明け篇)放映開始のお知らせ 〜CM情報を掲載する特設サイトも開設〜、AGC、2018年6月14日。
- ^ 旭硝子は、「AGC」へ テレビCM - YouTubeプレイリスト
- ^ AGC公式Twitter
- ^ 高橋一生が歌い話題の「AGC」CM曲を人気声優・内田真礼&梶裕貴が熱唱!SNS漫画家“佐木郁”と“阿東里枝”が原作を担当、music.jpニュース(2018/10/14閲覧)
- ^ YOSHIKIが“きらきら星”を超絶アレンジ、「ワンダ X-BITTER」CM「意外な演奏」編 食品産業新聞社ニュースWEB 2020年3月10日
- ^ 花江夏樹の出演作で、2回も「重要な楽曲」として使われた名曲は J-WAVE NEWS 2022年2月21日