キュナーダー (グラスゴー市電)
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"キュナーダー" Cunarder | |
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博物館で保存されている「キュナーダー」(1392)(2011年撮影) | |
基本情報 | |
製造所 | グラスゴー市電・コプラウヒル工場 |
製造年 | 1948年 - 1952年 |
製造数 | 100両(1293 - 1392) |
運用開始 | 1948年 |
運用終了 | 1962年 |
投入先 | グラスゴー市電 |
主要諸元 | |
編成 | ボギー車(2階建て車両)、両運転台 |
軌間 | 1,416 mm |
車両定員 |
着席70人(前期車両)、66人(後期車両) 合計91人(乗客密度6人/m2時) |
全長 | 10,740 mm |
全幅 | 2,210 mm |
全高 | 4,650 mm |
台車 | マレー・アンド・トーントン製 |
主電動機 | メトロポリタン=ヴィッカース製 |
主電動機出力 | 35 hp (26 kW) |
出力 | 140 hp (100 kW) |
制御装置 | 空気ブレーキ |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4]に基づく。 |
キュナーダー(英語: Cunarder)は、かつてイギリスの都市・グラスゴーに存在した路面電車(グラスゴー市電)で使用された電車の愛称。第二次世界大戦後に導入された車両で、2024年時点でイギリスにおいて最後に全部品が新造された2階建て路面電車車両でもある[1][2][3]。
概要
[編集]第二次世界大戦前から導入されていた「コロネーション」の基本的なデザインを継承した、流線形の車体を有する2階建て電車で、1階部分の右側に乗降扉を有していた。コロネーションとの改良点としてメンテナンスの容易化や重量の軽減、車体長の延長などがあり、着席定員数も増加した[注釈 1]。機器や台車については大幅な変更が行われ、マレー・アンド・トーントン製のインナーフレーム台車やメトロポリタン=ヴィッカース製の電空協調制御装置(EP Control Gear)が用いられたが、運行開始後は機器の信頼性の低さが課題となった[1][2][3]。
1948年から1952年にかけて合計100両(1293 - 1392)が製造された。前述の通り機器の信頼性は低かったものの、1961年に発生した車庫の火災などの影響もあり、1962年9月4日のグラスゴー市電の廃止まで営業運転に用いられた[1][2][5][3]。
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グラスゴー市電で営業運転に使用されていた「キュナーダー」(1298)(1958年頃撮影)
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営業運転に用いられていた「キュナーダー」(1330)(1960年撮影)
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営業運転に用いられていた「キュナーダー」(1372)(1960年撮影)
2024年現在、クライチの国立路面電車博物館に1297が、グラスゴーのリバーサイド博物館にラストナンバーの1392が保存されている[1][2]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 初期の車両は1階部分の着席定員数が30人であったが、後期に製造された車両は24人に減少した。
出典
[編集]- ^ a b c d e “Glasgow Corporation Transport No. 1297”. National Tramway Museum. 2024年12月28日閲覧。
- ^ a b c d e “Gallery 546: Riverside Museum: Glasgow - July 2015”. British Trams Online (2015年7月26日). 2024年12月28日閲覧。
- ^ a b c d J. C. Gillham & R.J.S. Wiseman 2002, p. 66.
- ^ T.V. Runnacles (1978-11). Part 2. “The double-deck tram: an irrational eclipse”. Modern Tramway and Light Rail Transit (LRTA) 41 (491): 378.
- ^ J. C. Gillham & R.J.S. Wiseman 2002, p. 10.
参考資料
[編集]- J. C. Gillham; R.J.S. Wiseman (2002-4-26). The Tramways of Western Scotland. LRTA. ISBN 978-0948106286