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ACキエーヴォ・ヴェローナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キエーボから転送)
ACキエーヴォ・ヴェローナ
原語表記 Associazione Calcio ChievoVerona S.r.l.
愛称 I Gialloblu (The Yellow and Blues)
I Mussi Volanti ("The Flying Donkeys" in Venetian)
Céo ("Chievo" in Venetian)
Squadra della Diga (Dam Team)
Clivensi
クラブカラー 青と黄
創設年 1929年
所属リーグ セリエD・ジローネB
所属ディビジョン 4部
ホームタウン ヴェローナ
ホームスタジアム スタディオ・モンティンドン, サンタンブロージョ・ディ・ヴァルポリチェッラ[1]
収容人数 2,000人
代表者 イタリアの旗 セルジオ・ペリッシエ
監督 イタリアの旗 リッカルド・アッレグレッティ
公式サイト 公式サイト
ホームカラー
アウェイカラー
サードカラー
テンプレート(ノート)サッカークラブPJ

アッソチャツィオーネ・カルチョ・キエーヴォヴェローナAssociazione Calcio ChievoVerona S.r.l.)は、イタリアヴェローナを本拠地として活動しているサッカークラブチーム。

概略

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キエーヴォというのはヴェローナの地区名の一つ[2]。同じくヴェローナのスタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディをホームスタジアムとしているエラス・ヴェローナFC[2]との試合はダービーマッチとして盛り上がる。一地方都市の、その一地区を本拠に置くクラブがトップカテゴリーに昇格したのは長いイタリアサッカー史においても、このクラブが初である。

チームは1929年に設立、2001-02シーズンでセリエAに初昇格した[2]。昇格初シーズンは5位でシーズンを終え、一時は首位に立つなどその躍進は"ミラクル・キエーヴォ"と呼ばれた。2005-06シーズンは当初は7位でUEFAカップの出場が決まっていたが、ユヴェントスFCSSラツィオACFフィオレンティーナが不正事件でUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権を剥奪されたため繰り上がり、4位扱いでクラブ史上初めてCL出場権を得ることになった。だが2006-07シーズンは、CL予備予選3回戦でブルガリアレフスキ・ソフィア相手に不覚を取ったことをきっかけに終始低迷。最終節でカルチョ・カターニアに0-2で敗れセリエB降格が決まった。翌2007-08シーズンはセリエBで優勝し、1年でのセリエA復帰に成功。2018-19シーズンは過去3年に渡る不正会計が発覚し、勝ち点3を剥奪[3]。シーズンも低迷を続け、2019年4月14日にSSCナポリに1-3で敗れセリエB降格が決まった[4]。2020-21シーズンは8位に終わり、セリエA昇格プレーオフには臨んだものの、1回戦のヴェネツィアFC(5位)に敗れセリエA復帰は果たせなかった。

2021年7月26日、財政難により、カンピオナート・インテッレジョナーレに属していた1985-86シーズン以来となるセリエDへの降格が決まった[5]

2021年8月21日、セリエDの登録期限までにクラブの買取り手が現れずクラブは消滅することになった[6]

2021年8月24日、クラブのレジェンドであるセルジオ・ペリッシエによって、後継クラブとなるFC Clivenseが発足した。

キエーヴォの背番号30は自動車事故のため26歳で死亡したFWジェイソン・マイェレen:Jason Mayélé)に敬意を表すため、背番号31はキエーヴォで長きにわたり活躍したペリッシェを讃えるため、それぞれ永久欠番に指定されていた。

チームカラー

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ワンマン・オーナーのチームによく見られる金に物を言わせる大型補強は全くと言って良いほどせず、収支に合ったクラブ経営をしている。

典型的なプロヴィンチャであるが故、ワールドクラスの選手は皆無に等しい。無名の若手か、他のクラブで「もう終わった」と烙印を押されて追い出された選手で構成されている。しかし、若手選手の育成と伸び悩んでいる選手の再生には実績があり、このクラブをきっかけにビッグクラブに移籍したり、選手としてもう一華咲かせる選手を毎年の様に輩出している。

また、そういった選手が移籍する時に発生する莫大な移籍金や、若手選手をセリエB、セリエC等の下部カテゴリーにレンタルする際に発生するレンタル料でチーム財政を成立させている。

これはチームの親会社である「パルアーニ」(it:Paluani)が、イタリアでは有名な菓子メーカーだが年間売上高が日本円にして50億円しかない故、チームの補強に無駄な金は使えず、知恵と情報を使った補強を余儀なくされているからである。

タイトル

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国内タイトル

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  • セリエB:1回
    • 2007-08
  • セリエC1:1回
    • 1993-94(ジローネA)
  • セリエC2:1回
    • 1988-89(ジローネB)
  • カンピオナート・インテッレジョナーレ:1回
    • 1985-86(ジローネC)
  • プロモツィオーネ・ヴェネータ:1回
    • 1974-75(ジローネA)
  • セコンダ・カテゴリア・ヴェネータ:4回
    • 1958-60(ジローネA), 1964-65(ジローネA), 1967-68(ジローネA), 1968-69(ジローネA)
  • セコンダ・ディヴィジオーネ・ヴェネータ:1回
    • 1950-51(ジローネA)
  • セコンダ・カテゴリア・ヴェロネーゼ・セツィオーネ・プロパガンダFIGC:2回
    • 1934-35(ジローネ・ウーニコ), 1935-36(ジローネ・ウーニコ)
  • セコンダ・カテゴリア・ヴェロネーゼ・ウニオーネ・リベーラ・イタリアーナ・デル・カルチョ:2回
    • 1932-33(ジローネA), 1934-35(ジローネ・ウーニコ)
ユース

国際タイトル

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なし

過去の成績

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シーズン ディビジョン コッパ・イタリア 欧州カップ 最多得点者
リーグ 順位 選手 得点数
1975-76 セリエD 34 11 10 13 36 34 32 10位
1976-77 セリエD 34 11 8 15 27 35 30 15位
1977-78 セリエD 34 11 13 10 44 39 35 8位
1978-79 セリエD 34 9 14 11 37 49 32 11位
1979-80 セリエD 34 9 12 13 21 33 30 13位
1980-81 セリエD 34 10 11 13 33 36 31 11位
1981-82 カンピオナート
インテッレジョナーレ
30 9 11 10 27 31 29 8位 Alberto Vanoni 7
1982-83 カンピオナート
インテッレジョナーレ
30 9 9 12 29 31 27 12位 Fausto Nosè 8
1983-84 カンピオナート
インテッレジョナーレ
30 10 10 10 22 20 30 9位 Paolo Galli 7
1984-85 カンピオナート
インテッレジョナーレ
30 9 14 7 40 29 32 7位 Giovanni Sartori 11
1985-86 カンピオナート
インテッレジョナーレ
30 18 8 4 44 14 44 1位 Giovanni Sartori 17
1986-87 セリエC2 34 11 16 7 24 23 38 4位 Flavio Fiorio 7
1987-88 セリエC2 34 15 13 6 36 22 43 4位 Flavio Fiorio 13
1988-89 セリエC2 34 18 12 4 41 15 48 1位 Flavio Fiorio 15
1989-90 セリエC1 34 10 15 9 37 31 35 6位 Flavio Fiorio 12
1990-91 セリエC1 34 8 15 11 23 29 31 14位 Franco Lerda 8
1991-92 セリエC1 34 8 18 8 32 35 34 7位 Riccardo Gori 13
1992-93 セリエC1 32 12 10 10 36 34 34 7位 Riccardo Gori 8
1993-94 セリエC1 34 19 11 4 46 23 68 1位 Riccardo Gori 12
1994-95 セリエB 38 10 14 14 35 38 44 13位 2回戦敗退 Michele Cossato 10
1995-96 セリエB 38 9 20 9 37 30 47 14位 2回戦敗退 Michele Cossato 8
1996-97 セリエB 38 12 18 8 44 40 54 7位 2回戦敗退 Raffaele Cerbone 20
1997-98 セリエB 38 12 14 12 43 43 50 10位 1回戦敗退 Raffaele Cerbone 12
1998-99 セリエB 38 11 15 12 37 40 48 11位 ベスト32 Ciro De Cesare 10
1999-00 セリエB 38 11 14 13 48 53 47 15位 GS敗退 Massimo Marazzina 17
2000-01 セリエB 38 19 13 6 54 34 70 3位 GS敗退 Bernardo Corradi 13
2001-02 セリエA 34 14 12 8 57 52 54 5位 GS敗退 Massimo Marazzina 13
2002-03 セリエA 34 16 7 11 51 39 55 7位 準々決勝敗退 UC 1回戦敗退 フェデリコ・コッサート 9
2003-04 セリエA 34 11 11 12 36 37 44 9位 ベスト16 フェデリコ・コッサート 6
2004-05 セリエA 38 11 10 17 32 49 43 15位 2回戦敗退 セルジオ・ペリッシエ 7
2005-06 セリエA 38 13 15 10 54 49 54 4位 3回戦敗退 セルジオ・ペリッシエ 13
2006-07 セリエA 38 9 12 17 38 48 39 18位 準々決勝敗退 UCL 予選3回戦敗退 セルジオ・ペリッシエ 9
UC 1回戦敗退
2007-08 セリエB 42 24 13 5 77 43 85 1位 1回戦敗退 セルジオ・ペリッシエ 22
2008-09 セリエA 38 8 14 16 35 49 38 16位 3回戦敗退 セルジオ・ペリッシエ 14
2009-10 セリエA 38 12 8 18 37 42 44 14位 ベスト16 セルジオ・ペリッシエ 12
2010-11 セリエA 38 11 13 14 38 40 46 11位 ベスト16 セルジオ・ペリッシエ 11
2011-12 セリエA 38 12 13 13 35 45 49 10位 準々決勝敗退 セルジオ・ペリッシエ 8
2012-13 セリエA 38 12 9 17 37 52 45 12位 4回戦敗退 シリル・テレオー 13
2013-14 セリエA 38 10 6 22 34 54 36 16位 ベスト16 アルベルト・パロスキ 15
2014-15 セリエA 38 10 13 15 28 41 43 14位 3回戦敗退 アルベルト・パロスキ 9
2015-16 セリエA 38 13 11 14 43 45 50 9位 3回戦敗退 アルベルト・パロスキ 8
2016-17 セリエA 38 12 7 19 43 61 43 14位 ベスト16 ロベルト・イングレーゼ 12
2017-18 セリエA 38 10 10 18 36 59 40 13位 4回戦敗退 ロベルト・イングレーゼ 13
2018-19 セリエA 38 2 14 22 25 75 17 20位 4回戦敗退 マリウシュ・ステピンスキ 6
2019-20 セリエB 38 14 14 10 48 38 56 6位 3回戦敗退 フィリップ・ジョルジェヴィッチ 9
2020-21 セリエB 38 14 14 10 50 37 56 8位 2回戦敗退 ルカ・ガッリターノ

欧州の成績

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現所属メンバー

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2021年1月31日現在

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
1 GK イタリア アンドレア・セクリン
3 DF スウェーデン ジョゼフ・コリー ()
4 DF セルビア ストラヒニャ・タナシイェヴィッチ
5 DF イタリア ミケーレ・リジョーネ
6 DF フランス マクシム・ルヴェルブ
7 MF スロバキア ダーヴィト・イヴァン
8 MF イタリア エマヌエーレ・ズエリ
9 FW イタリア マイケル・ファブロ
10 MF ナイジェリア ジョエル・オビ ()
12 GK イタリア ミケーレ・ブラガンティーニ
13 DF イタリア フランチェスコ・レンゼッティ ()
14 MF イタリア ルカ・パルミエーロ
15 DF フィンランド サウリ・ヴァイサネン
16 MF イタリア ルカ・ガッリターノ
17 MF イタリア エマヌエレ・ジャッケリーニ
18 FW イタリア ルイジ・カノット
20 FW モンテネグロ セルゲイ・グルバチ ()
No. Pos. 選手名
21 DF スロベニア ダニエル・パブレフ
23 FW セルビア フィリップ・ジョルジェヴィッチ
24 MF イタリア マッティア・ヴィヴィアーニ
25 MF スウェーデン ジョナサン・モーセイ
26 MF イタリア マッシモ・ベルタニョーリ ()
27 DF イタリア マッテオ・コタリ
32 DF ルーマニア ヴァシレ・モゴシュ
33 GK クロアチア アドリアン・シェンペル
39 DF スイス マリン・カヴァル ()
40 GK ガーナ エリメレク・エンヤン ()
41 FW チュニジア ナビル・マクニ ()
43 MF イタリア フィリッポ・トゥッツォ
89 DF フランス ギヨーム・ジグリオッティ ()
93 FW イタリア フランチェスコ・マージオッタ
95 DF イタリア ルカ・ムネラッティ
98 FW イタリア マヌエル・デ・ルカ
99 FW イタリア アマト・チチレッティ
永久欠番

レンタル移籍

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in

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
14 MF イタリア ルカ・パルミエーロ (SSCナポリ)
No. Pos. 選手名
99 FW イタリア アマト・チチレッティ (SSCナポリ)
out

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
-- GK イタリア アレッサンドロ・コンフェンテ (カターニア)
-- GK イタリア フィリッポ・パボーニ (FCレニャーゴサルス)
-- DF イタリア ジェニー・ロンディネッラ (USピストイエーゼ1921)
-- DF イタリア ジョヴァンニ・ヌティ (フォリーニョ)
-- MF ポルトガル ヌーノ・エンリケ (グラスホッパー)
No. Pos. 選手名
-- MF イタリア エンリコ・マンコーニ (GSDアンブロジアーナ)
-- FW イタリア マヌエル・プッチャレッリ (アル=フジャイラー)
-- FW スペイン アレハンドロ・ロドリゲス (ヴィルトゥス・エンテッラ)
-- FW イタリア ピエトロ・ロヴァーリア (USピストイエーゼ1921)

歴代監督

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歴代所属選手

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エンブレム

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1980年代、チームはヴェローナ県の紋章にある梯子をデザインしたエンブレムを用いていた。しかし同地区を本拠とするエラスのサポーターもシンボルマークに梯子を使っていたため、変更せざるを得なくなった。梯子は元々、13世紀頃に当地を支配したスカラ家の紋章に由来していたが、変更にあたりスカラ家の廟にあるカングランデ1世・デッラ・スカラ騎馬像をモチーフに採用した[2]

この頃、当時の会長が「いつかヴェローナでダービーマッチをやりたい」と発言した。これに対しエラスのサポーターが「キエーヴォとダービーをやるようになったらロバも羽を生やして飛んでいくよ(つまり、そんな事は絶対にありえないという事)」とからかった。この出来事の後、5部に所属していたキエーヴォは順調に昇格を果たし、2001年11月18日についにダービーは実現した[2]

厳密にはエンブレムの動物は馬だが、この出来事以来サポーターからは「il musso volanto(空飛ぶロバ)」と呼ばれ、クラブのマスコットもロバである。ただし、クラブはエンブレムの動物が何であるか公式な見解を示していない[2]

脚注

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  1. ^ Dove gioca il Chievo Verona in Serie D: scelto il nuovo stadio”. Goal.com. 20 July 2024閲覧。
  2. ^ a b c d e f エンブレムの世界 キエーボ『サッカーマガジン』2012年5月8日号、ベースボール・マガジン社、斉藤健仁、2012年、雑誌23882-5/8, 055頁。
  3. ^ 遅すぎるキエーヴォ勝ち点剥奪にクロトーネ会長が激怒「最低だ。馬鹿げている」” (jp). フットボールチャンネル. 2018年9月14日閲覧。
  4. ^ Chievo Verona vs. Napoli - Football Match Report - April 14, 2019 - ESPN” (英語). ESPN.com. 2019年5月7日閲覧。
  5. ^ 財政難キエーボ、セリエB登録認められず破産… セリエDに降格” (jp). 超ワールドサッカー!. 2021年7月27日閲覧。
  6. ^ 「人生で最も悲しい日」 キエーヴォ消滅へ…買い手なしで期限切れ” (jp). Qoly. 2021年8月23日閲覧。

外部リンク

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