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ガール・グループ

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ガールグループから転送)

ガール・グループ英語: girl group)またはガールズグループ[注釈 1]は、女性歌手で構成されたポピュラー音楽のグループで、一般的にはハーモニーを付けて歌うものを言う。

定義

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  • 女性が複数人集まることで「賑やかさ」の印象を持つことや、混声することで個々の歌声がカヴァーされるため、それぞれの音楽的才質や熟練は必要としないなど、ソロシンガーを比較基準とすれば、短期即効性を狙った商業的側面を持ちあわせているものが、ガール・グループとされる。
  • ガール・グループが発祥し、世相に影響力を持って盛んになったのは、1950年代後半に、若い女性歌手たちのグループが、裏方のソングライター音楽プロデューサーたちとチームを組んでヒット・シングルを生み出した頃からと言われている。当時のヒット曲には凝ったプロダクション手法や、優れたスタジオ・ミュージシャンたちのバックアップが施されているものも多かったが、その一方で、特定のメンバーがリード・ボーカルをとり、ほかのメンバーがバッキング・ボーカルに回る形(原型)をとるものもあった。
  • 以後、ガール・グループの形式は、コーラスすることを基調に、ポップのみならず、ディスココンテンポラリー・R&Bカントリー・ミュージックの分野にも広がった。

ガール・バンドとの区別

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  • ガール・グループは、メンバーが楽器を演奏する、いわゆる「ガール・バンドall-female band)」とは違うものとされるが、この言葉自体が和製英語に近く造語であり、使い分けするのは日本のみの独特なものであって、楽器を演奏しながらマイクコーラスする者も存在することから、必ずしも世界視野に立って、広く行なわれているわけではない[注釈 2]

欧米のグループ

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1950年代以前(第二次世界大戦前後)

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1950年代(第二次世界大戦終結以後)

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1960年代(スプリームスの時代)

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スプリームス(1966年)

1970年代から1980年代半ばまで

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バナナラマ

1980年代後半

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1990年代(スパイス・ガールズの時代)

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スパイス・ガールズ(2006年)
スパイス・ガールズ(2019年)
  • スパイス・ガールズ
    • 1996年、ガール・グループのシーンをそれまで支配していた米国勢に代わって、女王国であってダイアナ元皇太子妃(没)が常に女性の注目を集める中であり、その一方で、女性首相を誕生させたとする英国にあって、スパイス・ガールズが英米両国で、「ワナビー」、「2 Become 1」、「Spice Up Your Life」など9枚のナンバー1シングルを出した。チケット完売のコンサート、ファッション広告、マーチャンダイズ、主演映画と、スパイス・ガールズは1960年代のビートルズ以来、最も商業的に成功したイギリスのグループとなった[9][10]。彼女たちは、1990年代において最も売れたポップ・グループであり、現代の音楽の歴史において最も売れた女性グループのひとつである[11][12]
    • 彼女たちの最初のアルバム『スパイス』は女性グループのアルバムとしては史上最大の売り上げを達成し、世界中で2300万枚とも[13][14]、2800万枚ともいわれる売り上げを達成した[15]。スパイス・ガールズは、総計で8000万枚以上のレコードを世界中で売った[16][17]。『タイムズ』紙やBBCニュースの報道や、伝記作家デヴィッド・シンクレア (David Sinclair)は、彼女たちを史上最も成功したガール・グループだと述べている[18][19]
  • 同時期の他のガールグループ

2000年代

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  • シュガーベイブスとガールズ・アラウド
    • イギリスでは、2000年代においてもガール・グループの人気が続いた。アトミック・キトゥンは、チャート首位に達した2000年の「Whole Again」を含め、一連のヒット曲を連発した。シュガーベイブスガールズ・アラウドも2000年代はじめに人気となった。ガールズ・アラウドの「Sound of the Underground」とシュガーベイブスの「Round Round」は、「2曲の爆発的な大ヒット」となり[22]、2000年代のイギリスのポップ音楽の形を変えたと評された[23]。シュガーベイブスは、全英チャート首位のシングル6曲、その他のトップ10ヒット14曲、さらにプラチナ・アルバム4枚を送り出し[24]、『British Hit Singles & Albums』によれば、21世紀に最も成功した女性グループとなった。
    • ガールズ・アラウドは、全英チャートで首位になった4曲を含む20曲を連続してトップ10に送り込み、2枚のアルバムがチャート首位になった。彼女たちの5枚のスタジオ・アルバムは、すべてプラチナ・レコードの認定を受け[24]、ベスト・アルバム『The Sound of Girls Aloud』は100万枚以上を売り上げた[25]。両グループとも、ブリット・アワードに何度もノミネートされ、2003年にはシュガーベイブスが最優秀ダンス賞を、2009年にはガールズ・アラウドが「The Promise」で最優秀シングル賞を受賞した。

2010年以降

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ザ・サタデイズ(2015年)
  • ザ・サタデイズ
    • これに続いて、メインストリームで大きな成功を収めたのはザ・サタデイズ (The Saturdays) で、2008年に音楽シーンで人気を博した。デビュー以降、彼女たちは400万枚のレコードを売り、全英チャートで11枚連続のトップ10ヒット・シングルを出し、そのうち「Up」、「Issues」、「Just Can't Get Enough」、「Ego」、「Higher」の5枚は、シルバー・ディスクの認定を受けた。また、アルバムのうち3枚はトップ10入りし、デビュー・アルバムの『Chasing Lights』は、40万枚以上を売り上げてプラチナ・ディスクの認定を受けた。2012年、彼女たちは、イギリスのガール・グループとしてはスパイス・ガールズ以来となる米国市場への進出に挑戦し始めた。
    • イギリス、ロンドン出身の3人組R&B系ガール・グループ、ストゥーシー (Stooshe)は、BBCの「Sound of 2012」の投票で候補にノミネートされ[26]、以降、全英チャートで2曲のトップ5ヒット・シングルを出した。
  • 傾向の変化

アジアのグループ

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  • 第二次世界大戦後、女性や黒人の地位向上や、オセアニア(ヨーロッパ・アジア)の経済発展を背景に、1960年代のアメリカの黒人グループ「スプリームス」の成功や、1990年代の女王国イギリス(ヨーロッパ)のスパイス・ガールズの成功に憧れながら影響される形で、日本や韓国など東アジア諸国の音楽界におけるガールズグループたちも、その存在意義を年追うごとに大きくしていった。

K-POP

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少女時代(2015年)
BLACKPINK(2017年)
  • K-POPガールズグループは台湾と日本で絶大な人気を誇り、両国の人々に深く愛され、世界中に広く普及しています。エンターテイメントとしての「韓流」と「K-POP」は、いわば「国策の域」に達しており、その営業圏は台湾や日本といったアジアに限定されず、アメリカやヨーロッパにも及ぶようになっている。そんな中で、「ヨジャグル」と呼ばれる韓国のガール・グループも「韓流」を主導する最大要素とされ、北朝鮮や日本と同じマスゲームダンスを得意として、韓国芸能文化の特徴とされる様になった。
  • 世界進出
    • 2000年代後半から活動を開始した韓国アイドル第2世代に当たる少女時代KARAWonder Girlsは、韓国を代表するガール・グループとしてアジア圏で広く認知されている。この他にも、他国進出を果たした以上3組に追随する形で、Brown Eyed GirlsAFTERSCHOOLmiss Af(x)4Minute2NE1T-ARASISTARSecretなどが、日本や台湾などでも紹介される様になった。
    • 2010年代後半から活動を開始した韓国アイドル第3世代に当たるBLACKPINKTWICEは、活動拠点を東南アジアや欧米へと広げることに成功した。双方のグループが、アメリカの音楽番組への出演や、ワールドツアーの開催を達成している。
    • とりわけ、BLACKPINKは、YouTubeチャンネルの世界最多登録者数を誇り、メンバーそれぞれがファッションブランドのグローバルアンバサダーを務めるなど、その影響力は世界規模となっている。また、米ビルボード100では初登場25位、そして、米ビルボード200において、一位を獲得した唯一のガールズグループであり、UKオフィシャル・チャートにおいても一位を獲得している。ビルボードグローバルでは、1位「SHUT DOWN」,2位「PINK VENOM」と1位2位を独占。世界最大の音楽ストリーミングサービスであるSpotifyでは、「SHUT DOWN」がウィークリー・トップ・ソングス・グローバルにおいて、K-POPアーティストとして初めて一位を獲得しており、他のK‐POPガールズグループの追従を許さないほどの人気である。

J-POP

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AKB48(2010年)
  • 日本の背景
    • 全世界の音楽売上高の50%前後がアメリカ合衆国と日本のみでまかなわれる中で、アメリカと違い他国にはほとんど輸出されずにほぼ100%自給自足される日本の音楽は、街頭スカウトや公開オーディションによるルックス先行の表面性や、海外アーティストを受け付けない排他性、あるいはyoutube等の世界配信を徹底的に排除する閉鎖性について、独特であって異質であり。
    • 売上高に対する音楽CDの売上枚数からいえば、各個が飛びぬけて高価であって高品位、高品質であるといえる音楽でありながら、全く世界にシェアと知名度を持たない保護し優遇された日本特有の音楽である。
  • 公開オーデションテレビ番組との連動
    • 日本のガールズグループは、テレビの創生期である1960年代の双子のデュオ「ザ・ピーナッツ」にはじまり、カラーテレビの普及が完了した1970年代の「ピンク・レディー(デュオ)」や「キャンディーズ(トリオ)」、あるいは家庭用のビデオが普及した1980年代の「おニャン子クラブ(コーラスグループ)」や「WINK(デュオ)」、レコードからCDに移り変わった1990年代の「SPEED(カルテット)」や「モーニング娘。」など、戦後から現在に至るまで、マスコミメディアの発展と共に、常に日本のポピュラー音楽界を主導し、日本の芸能文化を特徴づける位置づけにあった。
    • そのうち特に、「ピンク・レディー」や「おニャン子クラブ」、「モーニング娘。」については、当時人気の公開オーデションテレビ番組(スター誕生!夕やけニャンニャンASAYAN)を下支えに、コーラスと共に固定的な振り付けのダンスを行うというマルチ感がワンセットとなって紹介され、その相乗効果によって爆発的に人気を博し、世相を映し出す社会現象に至るまでになっている。そういった女性POPグループの輩出のされ方は、世界に類を見ない日本の音楽業界独自の特徴であって、更には、協調性や平均化を重視してカリスマやリーダーシップを作らない、日本の国民性の象徴ともされている。
  • マスゲームダンス
    • 1990年代後半以降、写真や水着オーデションされるルックス先行の表面的なアイドル文化や、アジア特有のマスゲームダンス(同じ振付を大勢で合わせる踊り)に特徴を持つ「J-POP」の評価が、もともとそれを文化としていた朝鮮半島や中国といったアジア地域でも馴染み易いものとして受け入れられてくると、ダンスに重点を置くSPEEDや、メンバーの組合せの妙を狙うモーニング娘。、あるいはスター性を排除し、ファンとの連帯感を持ち味として馴染みやすさを強調するAKB48といった、アジアン向けの日本のガール・グループが次々と量産されるようになった。現在、60人以上のメンバーがいるAKB48は、団体行動を基調とするアジア芸能文化の独自性への好奇の目も手伝い、最も人数の多いポップ・グループとしてギネス世界記録に認定されている。
    • オリコンの統計によれば、2000年代に台頭したモーニング娘。が日本における女性グループの売り上げ首位に立っており、1990年代を活動の中心とするSPEEDは、デビューから解散までの13年間に、日本国内だけで累計2000万枚の音楽CDを売っている[27]。2000年代前半から活動するPerfumeも成功したガール・グループのひとつであり、その音楽のスタイルは、エレクトロニック・ダンス・ポップに焦点を当て、より西欧的な音楽を類似させたものとなっている。
    • 2010年代になって、AKB48の成功を軸に、それを派生させたり差別化させる兆候の中で、よりファンとの親密性や連帯感、等身性を狙ったももいろクローバーZや、人気アニメーションテレビ番組「けいおん」と連動したガールズバンド、スキャンダルも、注目され始めている。

脚注

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注釈

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  1. ^ 和製英語。
  2. ^ 例えば、ボーカル・グループであるシュガーベイブスガールズ・アラウドも、「ガール・バンド」 として言及されることがある[1]。その一方では、バンド形式で楽器を演奏するガールスクールも、「ガール・グループ」として言及されることがある[2]

出典

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  1. ^ “Meet the duo dressing Girls Aloud”. OK magazine. (2009年3月20日). http://www.ok.co.uk/fashion/view/8555/Meet-the-duo-dressing-Girls-Aloud 2012年10月24日閲覧。 Day, Elizabeth (2008年9月11日). “The nation's new sweetheart”. The Observer. http://www.guardian.co.uk/music/2008/nov/09/girlsaloud-thexfactor 2012年10月24日閲覧。 
  2. ^ Girlschool - IMDb(英語)“The Hedrons”. Belfast Telegraph. (2007年1月19日). http://www.belfasttelegraph.co.uk/entertainment/music/reviews/the-hedrons-13401497.html?startindex=-1 2012年10月24日閲覧。 
  3. ^ Reading Eagle - Google News Archive Search
  4. ^ "Swing It! The Andrews Sisters Story," John Sforza, University Press of Kentucky, 2000
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  11. ^ “Spice Girls announce reunion tour”. BBC News. (2007年6月28日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/6246448.stm 2010年4月2日閲覧。 
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  13. ^ Artists: Spice Girls”. Rlling Stone. 2012年10月27日閲覧。
  14. ^ Timeline: Spice Girls”. BBC News (2007年6月28日). 2012年10月27日閲覧。
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  16. ^ Spice Girls announce reunion tour”. BBC News (2007年6月28日). 2012年10月27日閲覧。
  17. ^ Spice Girls' London Tickets Sell Out in 38 Seconds”. People (2007年10月1日). 2012年10月27日閲覧。
  18. ^ “In pictures: Spice Girls through the years”. BBC News. (2007年6月28日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/in_pictures/6246814.stm 2010年4月2日閲覧。 
  19. ^ Guests - Show eight”. Graham Norton's Bigger Picture. BBC (2006年11月6日). 2010年8月11日閲覧。
  20. ^ Thomas, Rebecca (2012年4月25日). “TLC’s Left Eye Remembered: 10 Years Later”. MTV (MTV Networks). http://www.mtv.com/news/articles/1683858/left-eye-tlc-death.jhtml 2012年6月23日閲覧。 
  21. ^ Garcia, Courtney. “TLC reuniting for a tour with virtual Lisa 'Left Eye' Lopes?”. Entertainment on msnbc.com. MSNBC. 2012年10月24日閲覧。
  22. ^ Neil McCormick (2009年8月13日). “Xenomania: how to write a hit song”. The Daily Telegraph (London: Telegraph Media Group). http://blogs.telegraph.co.uk/culture/neilmccormick/100002407/xenomania-how-to-write-a-hit-song/ 2009年11月24日閲覧。 
  23. ^ Emily MacKay (2009年11月). “End of Decade: Sound of the Overground”. NME. UK: IPC Media. 2009年12月3日閲覧。
  24. ^ a b BPI Certified Awards”. British Phonographic Industry. 2009年8月27日閲覧。
  25. ^ Take That shine among IFPI Platinum elite”. Music Week. United Business Media (2009年1月29日). 2009年1月30日閲覧。
  26. ^ BBC - Sound of 2012 - Stooshe - Profile”. BBC (2011年12月5日). 2012年10月28日閲覧。
  27. ^ Herskovitz, Jon (1999年10月11日). “Top Japanese girl group Speed coming to a halt”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1117756500.html?categoryid=16&cs=1 2008年11月15日閲覧。 

関連項目

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