ガンズ・ハート
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このフィクションに関する記事は、ほとんどがあらすじ・登場人物のエピソードといった物語内容の紹介だけで成り立っています。 |
『ガンズ・ハート』は、電撃文庫より出版された日本のライトノベル。著者は鷹見一幸。イラストは青色古都 。
概要
[編集]本作は架空の惑星を舞台にした、ファンタジー戦記。ただし「剣と魔法」の世界では無く、「銃と獣」の世界であり舞台は近世をモデルにしている。作者がネット上でゴブリンの大群と戦ったらどうなるかという内容に触発されて書かれた。全3部、計5巻で構成されている。最初は猛獣の大量発生によるスタンピードと呼ばれる災害に対処する話だが、3巻以降は人間同士の戦争の話が中心になる。鷹見作品共通の「やせ我慢」と「ええかっこしい」の精神で、普通の人間が知恵と意地で難題を解決する姿が書かれている。
ストーリー
[編集]たった一つしか大陸が存在しない星。かつて惑星ドラングと呼ばれたその星に住む人々は、千年前に新天地を求めて外宇宙から移民してきた人達の子孫だった。しかし資源の乏しい星であったため文明を維持できず文化レベルを後退させていた。世界は大陸中央の大河を挟み西域国と東域国、そして失われた科学文明の知識を管理する知の教団の三つに分割されていた。その内のひとつ、西域国で下級士族の少年不良グループのリーダーをしているケリンと、その参謀役D・Dは、ひょんなことから、地方国防軍633銃士隊の100人隊長とその副官に任命される。そして、彼らは西域国に訪れる災厄に立ち向かう事になっていく。
登場人物
[編集]- ケリン・ミルダモン
- 本作の主人公。下級士族で赤毛の少年。元々はマイヤーズのリーダーだったが、ミントをきっかけに起きた騒動の結果、633銃士隊の隊長に任命され首都デメララからグレンダランへと赴く。単純な性格だが、曲がった事が大嫌いで、筋の通らないことはけしてやらない。人をひきつける妙な魅力を持つ。
- ミント・ペパー・マージョラム
- グレンダランに住むガンスミスの少女。デメララにきた時、パッサーズのメンバーに絡まれた所をケリンに助けられる。スタンピードの時に禁忌である連発銃をつくり、人々を救ったことを称えられ硝煙の女神と呼ばれる。
- D・D(ディーディー)
- 本名ドナルドエリメンシス・デュークロアエリエント・デビルズハカープログラム。一度聞いただけでは憶えられそうに無い長い名前のため、みんなからはイニシャルを取ってD・Dと呼ばれている(本来はD・D・Dが正しいが語呂が悪いからとケリンからD・Dと呼ばれ続け、それが定着してしまった)。上級士族だがケリンに引かれマイヤーズにはいり、ケリンが633銃士隊の隊長になった時に副官として共にグレンダランに行く事になる。ケリンの参謀として活躍するが常識人であるため苦労が絶えない。
- カルタ・ピルスナー
- 上級士族の次男坊で、元々はケリンと敵対するのパッサーズのリーダーだったが、上級士族の立場を理解している誇り高い人物。ミントの一件でケリンと和解し、近衛師団の五十人隊長に任命される。
- ソバーヌ
- 温厚な性格で豊かなひげを蓄えた上級士族。国家中枢で働いている人物の中でも特に優秀な人物であるが横紙破りも厭わない実利主義者のため他のセックから危険視されている。ケリンやカルタに国防軍入りを言い渡し、厳しくも温かく見守っている。
- ロゼ・メリーダウン
- 本名ロゼ・ダンジュー。代々有能な秘書を輩出するメリーダウン家から皆伝の証として養子として迎えられメリーダウンの名をいただいている。ソバーヌに仕え各所でその有能振りを遺憾なく発揮する。
- アニゼット・アマーロ
- 西域国の第三王女で近衛連隊長。周囲から男勝りと言われている勇ましい人物だが粗野な性格では無く、誇り高く礼儀正しいため、部下達からも非常に慕われている。カルタの直属の上官でもある。
- シンルー・チュイ
- 4巻から登場。東域国一の切れ者と呼ばれる軍師。普段はボーっとしているように見えるが、内面では他人を見下し勝つためには多少の無茶も犠牲も厭わない性格。ただ一人東域王にだけは心から忠誠を誓っている。
用語
[編集]- 上級士族(セック)
- 西域国で国の主要な地位を占める身分。
- 世襲制で高い身分と立場を保証されているが、何もしなくてもその地位が手に入る事などから腐敗している者も多い。
- 下級士族(デミセック)
- 西域国の役人の大半を占める人達。
- 世襲である事はセックと変わらず、手柄を立てても基本的に一定以上は出世できない。その事もあってセックに取り入ろうとしたり、内心敵視している者も多い。
- 知の教団
- 過去の科学知識を守り、資源が枯渇しない範囲内で知識を伝える為に創設された団体。
- しかし百年前に起こった西域国と東域国の戦争後は知識の代わりに禁忌を突き付け間接的に人々を支配している。
- 禁忌
- 知の教団によって定められた、けして犯してはならない事柄。
- 銃
- 銃は基本的に士族か猟師以外は所持が認められていない。
- この作品に登場する銃は主に先込め式のマスケット銃が主体になっている。しかしスタンピード時に新たに連発銃を開発した事によって歴史は急速に動き出す。
- 下級士族や猟師は、長銃であり、短銃は上級士族にしか認められない。
- マイヤーズ
- 下級士族や平民の不良少年のチーム。
- パッサーズ
- 上級士族の次男坊、三男坊や裕福な商人の息子達が集まっている不良グループ。
- スタンピード
- 数十年に一度エズオルが大量発生する現象。規模はまちまちで小さい時は数千頭程だが最大規模で数十万頭に達し、目の前にある物を食い尽くしながら目的地まで突き進む。国家レベルで被害が出ることもある。
国と地域
[編集]- 西域国
- 大陸の西半分を有する西洋風の国家。大陸で唯一鉄を産出できるグレン州を擁する。
- デメララ
- 西域国の首都。
- グレンダラン
- 西域国の南部、グレン州の州都で工業都市。グレン州の町はすべて頭にグレンの名前がついている。
- バンドール川
- 西域国と東域国を隔てる大河。百年前の大戦争後は橋が撤去され渡し舟でしか渡る事ができない。
- 東域国
- 大陸の東半分を有する東洋風の国家。鉄が出ないが、代わりに西域国には無い銅山がある。
既刊一覧
[編集]- 第一巻 硝煙の誇り ISBN 484022580X
- 第二巻 硝煙の女神 ISBN 4840226385
- 第三巻 硝煙の栄光 ISBN 4840227322
- 第四巻 硝煙の彼方 ISBN 4840228868
- 第五巻 硝煙の鎮魂歌(レクイエム) ISBN 4840230463