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ガンゴートリー氷河

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ガンゴートリー氷河
ヒンディー語: गंगोत्री
ガンゴートリー氷河の位置を示した地図
ガンゴートリー氷河の位置を示した地図
インドの旗 インドウッタラーカンド州ウッタルカーシー県
種別 谷氷河
座標 北緯30度50分 東経79度10分 / 北緯30.833度 東経79.167度 / 30.833; 79.167座標: 北緯30度50分 東経79度10分 / 北緯30.833度 東経79.167度 / 30.833; 79.167
面積 143km2(2004)[1]
全長 29km
現況 後退中
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ガンゴートリー氷河(ガンゴートリーひょうが、ヒンディー語: गंगोत्री、Gangotri Glacier) は、インドウッタラーカンド州ウッタルカーシー県に位置する氷河ヒマラヤ山脈の氷河として最大級の一つ[2]ガンジス川の主要な源泉の一つであり、長さ29km、幅2から6km、総面積143km2、推定27.75km3の体積を有する[1]

ガンゴートリー山系に囲まれており、最高峰チャウカンバ山圏谷を北西方向に流れる。終端部はガンゴートリーから19km離れたガウムク英語版ヒンディー語: गौमुखまたはगौमुखीアッサム語及びベンガル語: গোমুখまたはগোমুখী、Gaumukh、Gomukh、牛の口)であり、ガンジス川の源流の一つであるバーギーラティー川英語版に至る。

ヒンドゥー教巡礼地でもあり、敬虔な信者はガンゴートリー付近で冷水により沐浴する儀式を行い、多くはガウムクまで赴き、少数の者はさらにタポバンを訪れるが、この巡礼路は2013年インド北部洪水により、2kmにわたって岩が散乱する地帯が生じるなどの損傷が発生している。

地形

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北緯30度43分22秒から55分49秒、東経79度4分41秒から16分34秒の、海抜4120mから7000m地点に位置する谷氷河である[2]主中央衝上断層英語版の北に位置し、基岩は花崗岩柘榴石雲母を含む結晶片岩水晶黒雲母を含む結晶片岩、藍晶石を含む結晶片岩、眼球片麻岩、縞状眼球片麻岩からなる[3]

崩壊する末端部では一部が溶融して氷河上湖英語版となり、末端部中央は氷河上湖で満たされることになる。これは、ヒマラヤ山脈の高地における流水の特徴の一部である[2]

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ガンゴートリー氷河の源となるのは、主にRaktvarn氷河(15.9km)、チャトランギ氷河(22.45km)、Kirti氷河(11.05km)の3つの氷河で、この他18以上の氷河が源となっている。2000年のHNBガルワール大学英語版の論文では、これらを加えたガンゴートリー氷河系の総面積は、258.56km2。内訳はガンゴートリー氷河が109.03km2、チャトランギ氷河(72.91km2)、Raktvarn氷河(45.34km2)、Kirti氷河(31.28km2)、他の4氷河計29.412(内Bhirgupanth氷河が14.95km2)であった[2]

後退

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ガンゴートリー氷河の後退

NASAアメリカ地質調査所及び国立雪氷データセンター英語版の共同調査により、長さ30.2km、幅0.5から2.5kmのヒマラヤ山脈最大の氷河とされた。計測が開始された1780年より後退を続けており、1936年から1996年の期間では1147m(年平均19m)後退していた[2]。20世紀最後の25年間に限れば後退は850m(年平均34m)に至り[4]、1996年から1999年には76mであった[5]

出典

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  1. ^ a b Gyan Marwah (2004年8月). “Ganges - A River of No Return?”. the-south-asian.com. 2007年6月24日閲覧。
  2. ^ a b c d e Ajay K. Naithani、H. C. Nainwal、K. K. Sati、C. Prasad(HNBガルワール大学地質学科) (2000年3月6日). “Geomorphological evidences of retreat of the Gangotri glacier and its characteristics”. 2014年12月14日閲覧。
  3. ^ Metcalfe, R. P., Geol. Soc. London, 1993, 74, 495–509.
  4. ^ Sharma, M. C. and Owen, L. A., J. Quat. Sci. Rev., 1996, 15, 335–365.
  5. ^ article at Earth Observatory driven by NASA, found below a sat image illustration dated 2001

参考文献

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  • Bali, R., Awasthi, D.D. and Tiwari, N.K.2003 Neotectonic control on the geomorphic evolution of the Gangotri Glacier Valley, Garhwal Himalya, Gondwana Research, 2003, Vol, 6 (4) pp. 829-838.
  • Awasthi, D.D., Bali, R. and Tiwari, N.K. 2004. Relative dating by lichenometric and Schmidt Hammer techniques in the Gangotri glacier valley, Uttarkashi District, Uttaranchal. Spl. Pub. Pal. Soc. Ind no. 2 pp. 201- 206.
  • Awasthi, D.D., Bali, R. and Tiwari, N.K. 2004. Growth rate of Lichen Dimelaena Orina in the Gangotri Glacier valley, Uttarkashi District, Uttaranchal: Some Significant Observations Geol. Sur. Ind. Spl. Pub. No. 80.
  • Singh, Dhruv Sen 2004. Late Quaternary Morpho-Sedimentary Processes in the Gangotri Glacier Area, Garhwal Himalaya, India. Geol Surv India Spl. Pub. No.80, 2004: 97-103.
  • Singh, Dhruv Sen and Mishra. A. 2002. Gangotri Glacier System, Garhwal Himalaya: An analysis using GIS technique. Aspects of Geology and Environment of the Himalaya. Edited by Pant, C. C. and Sharma, A. Gyanodaya Prakashan, Nainital, India, pp 349–358.
  • Singh, Dhruv Sen and Mishra. A. 2002. Role of Tributary glaciers on landscape modification in the Gangotri Glacier area, Garhwal Himalaya, India. Current Science, 82 (5), 101-105. http://www.ias.ac.in/currsci/mar102002/567.pdf
  • Singh, Dhruv Sen and Mishra, A. 2001. Gangotri Glacier characteristics, retreat and processes of sedimentation in the Bhagirathi valley. Geological Survey of India Spl. Pub.No.65 (III), 17-20.

関連項目

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外部リンク

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