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ガラクトリシス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ガラクトース分解から転送)

ガラクトリシス(Galactolysis)またはガラクトース分解は、ガラクトースの異化過程を指す。

肝臓において、ガラクトースはルロワール経路により、以下の反応でグルコース-6-リン酸に変換される[1]

             ガラクトキナーゼ      ウリジルトランスフェラーゼ        ホスホグルコムターゼ
   ガラクトース --------> ガラクトース-1-リン酸 ------------------> グルコース-1-リン酸 -----------> グルコース-6-リン酸
                            ^           \
                           /             v
                    UDP-グルコース UDP-ガラクトース
                           ^             /
                            \___________/
                            エピメラーゼ

ガラクトリシスに関わる酵素の変異は、以下の代謝異常を引き起こす[2]

代謝異常

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ガラクトース血症またはガラクトース欠乏症には、以下の3タイプがある。

病気 酵素 説明
ガラクトキナーゼ欠損症 ガラクトキナーゼ ガラクトースがルロワール経路以外の経路で代謝されることでガラクチトールが蓄積し、白内障を引き起こす[2]。食事中のガラクトースを制限することで回復可能である。
UDPガラクトース-4-エピメラーゼ欠損症 UDPガラクトース-4-エピメラーゼ 非常に稀(2症例の報告)。感音性難聴を引き起こす。
ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損症 ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ 最も問題が大きく、ガラクトースを除いた食事でも認知障害(特に発語失行等の言語障害)や卵巣不全の治療に効果はなく、代わりに白内障や腎不全肝不全等の急性症状がすぐに表れる。白内障の発現は、ガラクトキナーゼ欠損症と似ている[2]

出典

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  1. ^ Holden, Hazel M.; Rayment, Ivan; Thoden, James B. (7 November 2003). “Structure and Function of Enzymes of the Leloir Pathway for Galactose Metabolism” (英語). Journal of Biological Chemistry 278 (45): 43885–43888. doi:10.1074/jbc.R300025200. PMID 12923184. 
  2. ^ a b c Demirbas, Didem; Coelho, Ana I.; Rubio-Gozalbo, M. Estela; Berry, Gerard T. (June 2018). “Hereditary galactosemia” (英語). Metabolism 83: 188–196. doi:10.1016/j.metabol.2018.01.025. PMID 29409891. https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0026049518300337.