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カールセン出版社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カールセン出版から転送)

カールセン出版社(Carlsen Verlag(カールセン・フェアラーク))は、ドイツハンブルクに本社を持つ漫画児童書出版社デンマークの同名の会社子会社1953年4月25日設立。

ロゴマーク
カールセン出版社のポップアップ・ブックユーレカレンダー(2021年)

ドラゴンボール』『ONE PIECE』『NARUTO -ナルト-』などの翻訳出版を行い、ドイツ語版『少年ジャンプ』、"BANZAI!"や少女漫画誌"Daisukiドイツ語版"も発行している。現在ドイツにおける3大漫画出版社のひとつである。

翻訳出版

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カールセン出版社の漫画部門の編集長カイ=シュテフェン・シュヴァルツのインタビューによると、ドイツではかつて日本の漫画が翻訳される際に左右反転されていたが、現在は反転させずに日本と同じく右開きで印刷されるのが一般的で、そのきっかけになったのがこの会社である[1]。同社は1967年からフランスのバンド・デシネの『タンタンの冒険』など翻訳した漫画を出版していた[1]。1991年に初めての長編の漫画シリーズ『AKIRA』を出版すると世間でかなりの反響があった[1]。日本漫画の翻訳の試みは、アメリカのマーベル社傘下の会社が左右反転に印刷して翻訳漫画を出版したことに影響されてのことである[1]

1997年に同社が『ドラゴンボール』の翻訳版を右開きで出版すると[注 1]、1998年にエグモント社ドイツ語版もまた『美少女戦士セーラームーン』をそれにならって同じ向きで出版した[1][2]。ドイツではこの2作品で1998年に日本の漫画のブームが爆発的に起こり、他の出版社も日本の漫画の翻訳の際には右開きで印刷するようになった[注 2][1][2]

同社が『ドラゴンボール』を日本と同じ向きに印刷したのは集英社側の要求によるものだった[1]。これはドイツで翻訳される際に鳥山明が「右開きなら出版を許す」という意向を示したためである[3]。 当時の日本のライセンス機関の担当者は右開きの条件の契約については、玉砕覚悟でドイツに渡っていたといわれている[1]。アメリカでは2002年にTOKYOPOPが大々的に右開きで日本漫画の翻訳を始めて成功するが、それに先駆けてのことだった[2]

脚注

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注釈

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  1. ^ ドイツの出版社の間では当初、通常とは反対側から本を読む形式が若者に受け入れられるとは考えられずこの企画は失敗すると予想された[1]
  2. ^ 左右反転をやめたことで、反転された擬音語を修正するなどの手間を省きそれまでより低価格で販売できるようになり読者の拡大につながった。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i Eichstaedt,Bjoern (2022年3月1日). Blagojevic,Nina: “カールセン出版社:「ドイツでも漫画の人気は上昇しており、 大きな可能性を秘めています」”. J-BIG – Japan Business in Germany. Storymaker. 2022年5月21日閲覧。
  2. ^ a b c 大塚萌「ドイツにおける日本サブカルチャー受容の変遷:日本マンガ『新世紀エヴァンゲリオン』における呼称表現の翻訳」『人文社会科学研究』第30号、千葉大学、2015年3月、158-176頁、ISSN 188347442022年5月21日閲覧 
  3. ^ 藤本由香里ジャクリーヌ・ベルント椎名ゆかり伊藤剛夏目房之介MANGA〈スタイル〉の海外への伝播と変容」『研究課題 課題番号:15H03178』、KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)、2019年6月23日、2022年5月21日閲覧 

外部リンク

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