カーバンクル (魔導物語)
カーバンクル(CARBUNCLE)はコンパイルのゲーム作品『魔導物語』シリーズおよびぷよぷよシリーズに登場するキャラクターであり、伝説の生物・カーバンクルをモチーフとしている。
形態
[編集]ウサギの耳のようなふたつの突起がある、小さな黄色い生き物である[注釈 1][1]。 舌が異様に長く伸び、体は非常に柔らかい[2]。額の赤い宝石「ルベルクラク」から強力な光線を出すことができる[2]。好物はカレーライスとらっきょである。「ぐー!」や「がおー!」などとしか言わず、人間の言葉を発することはできない[2][注釈 2][注釈 3]。
旧作では相棒のアルルの肩に乗れるほど小さかったが[注釈 4][注釈 1]、『ぷよぷよフィーバー』以降の作品では若干大きく描かれているほか、旧作とは異なり感情によって口の中に描かれた記号が変化する。 『ぷよぷよ7』以降からセガの『ぷよぷよ』チームの一員である三瓶映は電撃オンラインとのインタビューの中で、カーバンクルは小動物であるがゆえにポーズをとらせるのが難しいとし、「目の位置や口の大きさなど、ちょっとしたバランスで印象が変わってしまうキャラクターでもあるので、扱いには緊張感があります。」と述べている[6]。
劇中での扱い
[編集]コンパイル時代
[編集]元々は同作のラスボスであるサタンがかわいがっていた愛玩動物だが、初出作品である『魔導物語2』において、アルルがライラの遺跡で宝石ルベルクラクを求めてサタンと戦った後、アルルはこの宝石を額に嵌めたカーバンクルを発見した際、宝石を奪うことはなく怯えているカーバンクルをなだめ、それ以降カーバンクルはアルルに付いていくようになった。その後も「女の子の方がいい」からと、サタンの元に帰らずに自分の意志でアルルの傍にいる。 ぷよぷよシリーズでは、『初代』と『通』では対戦中に画面内で踊ったり寝るなどの動作をしているのみの非対戦キャラクターだったが、『ぷよぷよSUN』では条件を満たすと隠しボスとして出現する。それ以降、対戦キャラクターとして登場する機会が多くなり、当該作品の大半において隠しキャラクターとなっている。
アルルからは「カーくん」、サタンからは「カーバンクルちゃん」[注釈 5]などの愛称で呼ばれている[2]。
セガ時代
[編集]『ぷよぷよフィーバー』以降の作品においても引き続き登場しており、このうち『ぷよぷよフィーバーチュー!』、『ぷよぷよ! Puyopuyo 15th anniversary』、『ぷよぷよテトリス』においてはアルルとコンビで登場している。また、プレイヤーキャラクターとして使える作品では『ぷよぷよeスポーツ』と『ぷよぷよテトリス2』を除いて全て隠しキャラクターとして登場している。このうち、『フィーバー』では条件を満たすと「はらはらコース」にて、ポポイに代わって隠し最終ボスとして登場する。 『7』以降はアルルと同じ連鎖ボイスを言っている。 『ぷよぷよ!』ではサタンから呼び捨てで呼ばれていたが、『MEDAL EDITION』の同内容の漫才デモでは旧シリーズ同様の「ちゃん」付けに修正され、『ぷよぷよ!!』以降も同様の呼ばれ方となっている。
『ぷよぷよクロニクル』のRPGモードでは最初からアルルと行動しているが、チームとして組むことができるのはエンディングを迎えてからとなる。また、それ以外のモードでも隠しキャラとなっている。
担当声優
[編集]- 榎本明美 - PCE版『ぷよぷよCD』
- 三石琴乃 - 『ぷよぷよ の〜てんSPECIAL』
- MOO仁井谷 - SS版『ぷよぷよ通』
- 姫月あやめ - 『ぷよぷよSUN』、『アルル漫遊記』、『わくわくぷよぷよダンジョン』、『魔導RUN』、SS版『魔導物語』、GBC版『ぽけっとぷよぷよ〜ん』、『みんなでぷよぷよ』、ディスクステーション収録ムービー
- 間宮くるみ - 『ぷよぷよ〜ん』
- 仲西環 - 『ぷよぷよフィーバー』、『ぷよぷよフィーバー2』、『ぷよぷよ7』、『ぷよぷよ!!』、『ぷよぷよ!!クエスト』、『ぷよぷよテトリス』、『ぷよぷよクロニクル』
- 金田朋子 - 『ぷよぷよ!!クエスト』[注釈 6]、『ぷよぷよテトリス2』
- エリン・フィッツジェラルド(英・テトリス)
『ぷよぷよフィーバー』以降の作品で声を担当している仲西は、2012年の「ぷよぷよフェスタ2012」のトークイベントの中で、カーバンクル役に選ばれた際は、人気のあるキャラクターゆえに自分が演じることに対して不安だったが、第一声を発した際、自分しかいないと感じたと振り返っている[7]。
仲西が2020年3月14日に死去[8]して以降は、金田朋子がカーバンクルの役を務めている[注釈 6]。
また、2015年に上演された舞台作品「ぷよぷよ オンステージ」では、ぬいぐるみが登場している[10][注釈 7]。
現実世界での扱い
[編集]広報展開
[編集]一時期はコンパイルのマスコットキャラクターとして扱われており、1999年の時点ではオフィシャルグッズとしてカーバンクルをモチーフにした饅頭やレトルトカレー[1]などが販売されていた。 セガ移籍後も、アルルとコンビでグッズ化されるケース[注釈 8]もあった一方、単体でグッズ化されたこともあった[注釈 9]。 また、2021年の『ぷよぷよ!!クエスト』のテレビCMでは、すけとうだらとともに、女優の福原遥と共演している[15]。
セルフパロディなど
[編集]カーバンクルをもとにしたキャラクターがシリーズ外作品に登場したケースもあり、たとえばディスクステーション11号に収録されている「戦え !! 北出マン(前編)」という作品では「ブラック・カーバンクルロボ」が登場している[16]。
反響
[編集]反響(コンパイル時代)
[編集]回 | 対象号 | 結果 | 備考 | 注 |
---|---|---|---|---|
第1回 | 7号 | 2位 | 「なぞぷよ」にて登場 | [17] |
第2回 | 8号 | - | アンケートはがきの不備により実施できず | [18] |
第3回 | 9号 | 3位 | 「なぞぷよ」ほかにて登場 | [19] |
第4回 | 10号 | 5位 | 「なぞぷよ」にて登場 | [20] |
第5回 | 11号 | 8位 | 「なぞぷよ」にて登場 | [21] |
第6回 | 12号 | 2位 | 『魔導物語 はちゃめちゃ期末試験』にて登場 | [22] |
第7回 | 13号 | 2位 | 『アルル漫遊記』ほかにて登場 | [23] |
第8回 | 14号 | 4位 | 『ルルーの鉄拳春休み』ほかにて登場 | [24] |
第9回 | 15号 | 4位 | 「なぞぷよ」ほかにて登場 | [25] |
第10回 | 16号 | 8位 | 「なぞぷよ」にて登場 | [26] |
第11回 | 17号 | 7位 | 「白熱 ! ぷよりんぴっく !」 | [16] |
第12回 | 18号 | 7位 | 『セリリのはっぴーばーすでぃ』にて登場 | [27] |
19号 | 5位 | 『魔導RUN』にて登場 | [28] | |
第13回 | 20号 | 8位 | 『なぞぷよ』にて登場 | [29] |
第14回 | 21号 | 5位 | 『SS魔導Javaゲーム』[注釈 10]にて登場 | [30] |
第15回 | 22号 | 5位 | 『魔導対戦はさむんちょ』にて登場 | [31] |
第16回 | 23号 | 5位 | 『ぷよカード』にて登場 | [32] |
第17回 | 24号 | 5位 | 「なわとびするカーバンクル」にて登場 | [33] |
第18回 | 25号 | 5位 | 壁紙 | [34] |
第19回 | 26号 | 7位 | 壁紙 | [35] |
反響(セガ時代)
[編集]2021年の『ぷよぷよ!!クエスト』8周年を記念した人気投票において、カーバンクルは10位にランクインした[36]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ a b 『魔導物語ファンブック イラストレーション&アザーズ』のキャラクター紹介ページにおいては身長が25cmと記載されている[1]。
- ^ 但し一部例外もあり、この一例としてアーケード版『ぷよぷよ』の「ふたりでぷよぷよ」での対戦開始時に「○回勝負だ!」と吹き出しで人語を発しており、他にもパンフレットや広告などでゲームの内容を紹介する際に、吹き出しで人語を発していたことがある。
- ^ SS版『魔導物語』のディレクターを務めた織田健司は、「がおー」や「むぅー」という言い回しは初期作品で多かったとしており、原則としては「ぐー!」や「ぐぐっぐー」などとしかしゃべらないとしている[2]。
- ^ 『魔導物語ファンブック イラストレーション&アザーズ』掲載されたイラストのうち、アルルの肩に乗ったカーバンクルが描かれているものとしては、メガドライブ版『ぷよぷよ』、PC98版『ぷよぷよ』[3]、64版『ぷよぷよSUN』[4]などが該当する。一方、同書に掲載されたサターン版『ぷよぷよSUN』向けのイラストの一つにおいて、カーバンクルはキキーモラの腰(または膝)程度の背丈で描かれている[5]。
- ^ 一部作品(『ぷよぷよ通』など)では、サタンも「カーくん」と呼んでいる。また、小学館の学習雑誌に連載されていた漫画では「カーバンクル」ではなく「カーくん」が正式名称のように書かれていたこともあった。これらの漫画作品ではシェゾが「カーバンクル」と呼び捨てにする以外、大概の人物が「カーくん」と呼んでいる。
- ^ a b 『ぷよぷよクエスト』では、2020年12月10日以降に追加されるボイスを金田が担当する[9]。なお過去の収録音声に関しては変更されない[9]。
- ^ 同様の措置が取られている他キャラクターとして、ポポイがいる[10]。
- ^ たとえば、2020年に香水メーカー・フェアリーテールとのコラボレーションでは、「アルル&カーバンクル」という扱いで香水が販売された[11]。
- ^ たとえば、2021年にはクレーンゲームの景品としてカーバンクルの巨大ぬいぐるみが登場した[12]。また、非売品も含めると、2015年に上演された『ぷよぷよオンステージ』の抽選会の景品として巨大ぬいぐるみが配布された[13]ほか、2020年に行われた『ぷよぷよテトリス2』の発表会ではゲストに同様のぬいぐるみが贈呈された[14]。
- ^ セガサターン版『魔導物語』公式ページにて公開されていたミニゲーム
出典
[編集]- ^ a b c 「キャラクターグッズカタログ その2」,『魔導物語ファンブック イラストレーション&アザーズ(復刻版)』,p.70
- ^ a b c d e 「カーバンクル」,『魔導物語ファンブック イラストレーション&アザーズ』,p.108
- ^ 「壱's Illlustrations ぷよぷよ&ぷよぷよ通&ぷよぷよSUN&なぞぷよ編」,『魔導物語ファンブック イラストレーション&アザーズ』,pp.48-49
- ^ 「壱's Illlustrations ぷよぷよ&ぷよぷよ通&ぷよぷよSUN&なぞぷよ編」,『魔導物語ファンブック イラストレーション&アザーズ』,p.61
- ^ 「壱's Illlustrations ぷよぷよ&ぷよぷよ通&ぷよぷよSUN&なぞぷよ編」,『魔導物語ファンブック イラストレーション&アザーズ』,p.68
- ^ “『ぷよぷよテトリス2』キャラクターを愛でられるスキルバトルに注目! アートディレクターインタビューも”. 電撃オンライン (2020年12月9日). 2021年12月28日閲覧。
- ^ “シリーズ20周年を記念した「ぷよぷよフェスタ2012」の声優ステージとチャンピオンシップをレポート。プロデューサー/プランナーへのインタビューも掲載”. www.4gamer.net. Aetas (2012年2月6日). 2021年9月9日閲覧。
- ^ “声優・仲西環さん死去 44歳 「蒼穹のファフナー」皆城乙姫役など”. ORICON NEWS (2020年3月17日). 2022年2月19日閲覧。
- ^ a b “一部キャラクターのボイス追加&『カーバンクル ver.ぷよテト2』CV担当変更のお知らせ”. ぷよぷよ!!クエスト(ぷよクエ)公式サイト. セガ (2020年12月9日). 2022年2月19日閲覧。
- ^ a b “シリーズ24周年記念舞台「ぷよぷよ オンステージ」、キャスト10人の衣装が公開でばっよえ~ん!”. ねとらぼ (2015年4月23日). 2022年1月23日閲覧。
- ^ “落ち物パズルゲーム「ぷよぷよ」のキャラクターたちをイメージした香水が11月30日(月)受注販売開始”. 2022年2月11日閲覧。
- ^ “『ぷよぷよ』の「カーバンクル」が特大サイズのぬいぐるみになってセガプライズに出現!”. 電撃ホビーウェブ. 2022年2月11日閲覧。
- ^ “舞台「ぷよぷよオンステージ」公演後に開催される抽選会の賞品ラインナップが公開|ゲーム情報サイト Gamer”. Gamer. 2022年2月19日閲覧。
- ^ “ぷよテトパーティーメンバーに就任した川栄李奈・生見愛瑠・高野洸・古坂大魔王が登場!『ぷよぷよ™テトリス®2』CM発表会”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 2022年2月19日閲覧。
- ^ “『ぷよぷよ!!クエスト』リニューアルを記念して福原遥さんが出演するCM映像が10月29日(金)から放映決定 放映に先駆けて10月26日(火)からCM映像を公式サイトで先行公開”. PR TIMES. 2022年1月9日閲覧。
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- ^ DSキャラコン第1回 - ウェイバックマシン(2000年6月12日アーカイブ分) - 2022年2月19日閲覧
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- ^ DSキャラコン第18回 - ウェイバックマシン(2002年10月28日アーカイブ分) - 2022年2月19日閲覧
- ^ DSキャラコン第19回 - ウェイバックマシン(2002年8月27日アーカイブ分) - 2022年2月19日閲覧
- ^ “ぷよぷよ!!クエスト公式”. ぷよクエ8周年キャラクター人気投票|ぷよぷよ!!クエスト公式. 2022年2月19日閲覧。
参考文献
[編集]- D4エンタープライズ、セガホールディングス『魔導物語ファンブック イラストレーション&アザーズ(復刻版)』復刊ドットコム、2017年10月17日、2-118頁。